お皿に残ったスープやソースがスプーンですくえないとき、どうしますか?
1.パンできれいに拭って食べる
2.そのまま残す
フルコース料理は前菜から始まります。フランス料理では「オードブル」、イタリア料理では「アンティパスト」と呼ばれ、食欲をそそる役割があり、軽めで鮮やかなものがサービスされます。フランス料理では、前菜の次にスープがパンと一緒に出てきます。あなたは、スープとパンをどのように食べていますか? 実は、簡単そうで意外に細やかな所作が求められるのです。スープとパンの食べ方で、あなたのテーブルマナーの“偏差値”がわかります。
美しくスープを食べるには
スープを飲むときに音をたてないのは基本ですが、フーフーと息を吹きかけて冷ます行為もいけません。大切なのは静かに飲むことです。音をたてずに飲むにはコツがあります。スープを吸引力ですすらずに、スプーンごと食べるという気持ちで口に入れてください。飲むというより流し込むようにすれば、失敗しません。
(1)スプーンはペンを握るように軽く持ち、お皿の縁のあたりからスープの中に入れます。お皿の手前から奥側に向かってスプーンを運び、スープをすくってください。すくう量はスプーンに3分の2程度が適量でしょう。このとき、スプーンからポタポタと汁が落ちないように。スプーンの背を皿の縁で軽く拭ってから口に運ぶと、テーブルを汚さずにすみます。左手は皿の左側に添えておきます。
(2)スプーンは縦からでも横からでも、飲みやすい方から口元へ。こぼさないように気を使うあまり、お皿に顔を近づけたり、前屈みになったりするのは美しくありません。姿勢を正したままスプーンを口元へ運びましょう。
(3)スープが少なくなったら、皿を向こう側へ少し傾けてすくいます。取っ手のついたカップスープの場合は、手で持って飲んでもかまいません。このときもカップに口を近づけず、カップの方を口に近づけます。

食べ終えたら、スプーンはスープ皿の中に置きます。カップ形の器の場合、スプーンは受け皿の向こう側に置きます。
パンは一口大に手でちぎって食べる
西洋料理にはパンとバターがつきものです。でも、実は間違った食べ方をしている人を多く見かけます。そんな方はたぶんいないと思いますが、パンをそのままかじって食べないように。一口で食べられる大きさに手でちぎりましょう。パンくずがボロボロこぼれないよう気をつけて。もし、こぼれても一か所に集めたり、手で払ったりしてはいけません。サービスマン(接客係)に任せましょう。
バターのぬり方にもご注意を。パンの全面に一度にバターをぬるのはお行儀が悪い食べ方です。ちぎったパンにその都度バターをぬり、一口でいただきます。
ここで、クイズです。
正式な食事会では、残ったソースをパンにつけて食べたり、スープにパンを浸したりするのはNGです。まず、ソースは残らないように食べ終えるようにしましょう。どうしても残った場合はそのままにしておきます。

たとえば、イタリアでは「パンにソース」はおいしい証しともいわれます。家庭やカジュアルなレストランならば、パンでソースやスープを拭っても構わないでしょう。「おいしかったね」という、よい意味に取られると思います。でも、高級レストランや晩餐会など正式な場では「失礼な行為」になります。
マナーは国によっても違いますし、レストランの「格」によっても異なります。
テーブルマナーの心得である「いっしょにいる人に不快感を与えず、大切な時間を楽しく過ごす」ためにも、TPOに合わせることが大切です。最低限のマナーは身に付けておきましょう。
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