ここで、問題です。席に座るとき、椅子のどちら側から腰かけますか?
1.右側から
2.左側から
3.入りやすい側から
ビジネスやお世話になっている人との会食の場で、あなたはエレガントに振る舞うことができますか? 友人や家族との食事では気にしないテーブルマナーも、フォーマルな場ではきちんとできないと、社会人として恥ずかしい思いをします。
30代の働く女性は、テーブルマナーを求められるシーンが増えていきます。「食事のマナーくらい知っている」と思っている方もいるかと思います。あなたの「知っている」は、マナーの常識に合っていますか? 間違ったマナーを常識だと思いこんでいませんか? 突然の会食に大慌てすることがないよう、ここで改めて、テーブルマナーを見直してみましょう。
テーブルマナーを「ナイフやフォークの使い方」だと思っている方はいませんか? マナーとはテクニックだけではありません。行動の一つ一つに理由があります。その背景になる考え方を理解しなければ、マナーを身に付けたとは言えません。テーブルマナーは席に着く前から始まっているのです。
◆いつも清潔を心がける
まずは、身だしなみのチェックから。会場がレストランなのか、和食のお店なのか、誰と行くのか、TPOを考えて決めるのが大切です。そして、どんな場合でも、一番大切なのは「清潔」であることです。毎日、お風呂に入っていても、洗濯した服を着ていても、だらしない装いで「清潔」に見えなければ、相手を不快にさせてしまいます。日頃から、清潔感を意識しましょう。
おしゃれを気負ってアクセサリーをじゃらじゃらさせるのは、フォーマルな場にふさわしくありません。ネックレスやブレスレットが、お皿にぶつかってガチャガチャ音を立てるなんて論外です。 「香り」にも気を配りましょう。料理は五感で味わうものです。香水のにおいがきついのはマナー違反。香りのおしゃれは控えめにしましょう。香水を胸元や手首につけるのはタブー。膝の裏側、スカートの裾からほのかに漂う程度がベスト。エレガントに“過剰”は禁物です!
◆小ぶりのバッグを用意しておく
ギリギリまで仕事をこなして、慌てて夜の会食に出向くこともあるでしょう。書類でパンパンのビジネスバッグで出かけるのはエレガントではありません。小さなパーティー用のバッグに必要なものを入れて、大きなバッグはクロークに預けましょう。小ぶりのバッグを会社に置いておくと便利です。仕事モードをリセットする意味でも、オススメします。
◆椅子はどちら側から座る?
レストランに入店する際、男性が一緒の時にはドアを開けてもらいましょう。マナーの基本はレディーファースト。店のスタッフがテーブルに案内してくれる場合も、女性が先に歩きます。
ここで、問題です。席に座るとき、椅子のどちら側から腰かけますか?
1.右側から
2.左側から
3.入りやすい側から
レストランなどで、テーブルに案内されたら、椅子の左側から席に着きます。男性や店のスタッフが椅子を引いてくれるときも、同じです。着席と退席は椅子の左側からがマナーの原則です。
大勢の人が着席するとき、それぞれ好きな方から座ると、隣の人にぶつかってしまうかもしれません。これを防ぐために、一方から出入りするように決められました。では、なぜ左からなのでしょうか。
西欧式のマナーは中世ヨーロッパの王侯貴族の晩餐会がルーツ。当時は護身のため、食事の際も左腰に剣を差していました。右側からだと剣が邪魔になって座りにくいため、左側からになったのです。この習慣が広まり、左側からの出入りがマナーとして定着したのです。右側に上位の人が座るのも、この慣習からです。
◆バッグはどこに置く?
大きめのバッグをクロークに預けられなかった場合、左側の足元に置きます。右側に置くと隣の方の出入りに邪魔になるからです。また、ウェーターの邪魔にならないように配慮するのもマナーです。小さいバッグは椅子の背もたれと自分の体の間、肘掛けがあるなら脇に置きましょう。くれぐれもテーブルの上に置かないように。膝の上もNGです。空いている椅子があれば、そちらに置いてもOKです。
世界的ブランド「エルメス」の4代目社長フィリップ・デュマ氏によると、「食卓は出会いの場。意見や考えを交換する場」。美しいマナーや優雅な振る舞いは、食卓を囲む人が心地よく、ゆったりした気分で過ごせるために生まれたものだそうです。
マナーは「相手を思いやる心」です。大切な人との特別な時間を楽しく過ごすために、テーブルマナーはあります。美しいマナーは人を幸せにして、あなたに返ってくるのですから。
お知らせ
この夏、「SEI by Akiko」は「DESIGN U LAB(デザイン・ユー・ラボ)」として、新たに出発いたします。
最高の美しさを追求するコンテンツは、「SEI by Akiko」として今まで通り提供しながら、女性の力強さや多様性を表現できるよう、トータルなプログラム作りを目指します。
これまで「SEI by Akiko」を応援していただき、誠にありがとうございました。新しい「DESIGN U LAB」へ変わらぬご支援を、お願い申しあげます。
見出し、記事、写真の無断転載を禁じます Copyright (C) The Yomiuri Shimbun.