仕事もプライベートも、予定を詰め込み過ぎてちょっと疲れがたまっているかな? と感じるこの頃。このままではいけない! と思い立って訪ねたのは、草津(群馬県草津町)の高原にあるスモールホテル「ホテル クアビオ」。とことんヘルシーでおいしい食事と草津の湯で、心身が生まれ変わるような時間を過ごしました。
心と体の健康にいいものだけに包まれて過ごす
土産物店や旅館が立ち並ぶ草津の温泉街から、送迎車で5分ほど。緑の中に立つ「ホテル クアビオ」に到着したとたん、気持ちのいい空気に包まれます。ここに滞在する目的はただ一つ、心と体のデトックス、そしてリフレッシュ。このホテルには、そのためのパーフェクトともいえる環境が整っているのです。

宿泊プランは二つ。一つは、マクロビオティックプラン。マクロビオティックとは、長寿を目的として、動物性の食品や白砂糖をとらず、玄米や雑穀、野菜、豆、海藻などを食べる、昔ながらの日本食をベースにした食事法のことをいいます。
旅館やホテルは1泊2食のスタイルが一般的ですが、ここでは1日3食のマクロビオティック料理を食べて過ごします。これは、体をしっかりとリフレッシュさせ、体調の変化を実感するため。
もう一つはファスティング(断食)プラン。ここでのファスティングは、水だけを摂取する断食とは異なり、体に必要な栄養をジュースで取り入れながら行う、体に優しいデトックス法です。私はこの旅で、前半はマクロビ・プラン、後半はファスティング・プランを選びました。
1日目、前日までのハードワークを引きずり、疲れ果てた体でチェックイン。部屋には、オリジナルのハーブティーとグルテン・シュガーフリーの手作りオーガニッククッキーが用意されていました。ウェルカムドリンクをいただきながら、ほっと一息。さらに、エッセンシャルオイルをミスト状にして部屋に拡散させるアロマディフューザーもあり、日替わりでアロマの香りを選ぶことができます。

窓の外には一面の緑が広がっていて、街の喧騒も届きません。リフレッシュするにはなんてぴったりの場所! ホテルが位置するのは標高約1200メートル。ここは酸素濃度が平地に比べて1割ほど薄く、いるだけで地上で軽く運動する程度のカロリーを消費するのだとか。

うれしかったのは、館内で着られるオリジナルのルームウェアとシューズが用意されていたこと。部屋ではくつろぎたいし、温泉やレストラン、ラウンジに行くたびに着替えなくていいのはとてもラクチンです。部屋も館内の廊下も絨毯敷き。ふかふかのルームシューズで歩くのはなかなか快適でした。このルームシューズは、お土産として持ち帰り可能。今は我が家で愛用しています。
マクロビのイメージをくつがえす、おいしく美しい料理たち
夜はお待ちかねのマクロビ・ディナーです。マクロビと聞いて、質素な料理を想像していたのですが、食前酒から前菜、スープ、メイン、ごはん、デザートまでボリューム満点のフルコースでした。
まず、前菜の野菜の種類の多さに感動。わさび菜、赤リアスからし菜、赤軸ホウレンソウ、セルバチカなど、初めて食べる野菜は珍しいだけでなく、日頃食べている野菜にはない、しっかりとした味に驚かされました。全粒粉のバケットにつけるドライトマト味噌はクセになるおいしさ。ドライトマト、オリーブオイル、玄米味噌、オレガノ、アーモンドなどを使って手作りされています。

ひよこ豆のポタージュは、ヘンプオイル(麻の種からとれる油)と大葉入り。オーガニックのレモンを搾ると、やや塩味を感じて食欲が刺激されます。
メインは、キビの一種であるモチキビとソイミート(お肉のような食感の大豆食品)の包み焼き、ひじきとデコポンのマリネ、赤ペコロス。ソイミートは皮がパリっとしていて食べごたえがあり、赤いペコロスは甘く、茎の部分までおいしくたいらげました。
これほどの凝った料理には、お酒が欲しくなります。ヘルシーリゾートだからとお酒はあきらめていたのですが、なんとお酒のメニューが! さすが大人向けの洗練されたリゾートです。用意されているワインは、もちろんオーガニック。なかでも、マクロビオティック料理に合うものがセレクトされています。

メインディッシュまで食べて、かなりおなかは満足しましたが、この後、有機栽培玄米ご飯と、はし休めにクコの実を載せた切り干し大根のマリネ、デザートとして熊本産無農薬グレープフルーツのジュレと玄米ジェラードが登場。植物性だけの食材を使った料理ということを忘れてしまうほど、料理はひとつひとつが工夫されていて、おなかも舌も心も満たされました。
食後は温泉へ。お湯は、名湯といわれる草津温泉の中でも酸性が強い万代鉱の源泉が引湯されています。100%源泉かけ流しのお湯にゆっくりと浸った直後に背中や腕を触るとツルツルとしていて、ピーリング効果を感じました。

この日は温泉と静かな環境の効果か、早めに就寝。ぐっすりと眠った後は、朝食の有機ニンジンジュースをいただき、温泉に入ったり、近くの森を散策したり。客室にはWi-Fi(無料の公衆無線LAN)環境も整っているので、仕事もできます。心なしか頭が冴えて、いつもより原稿の執筆も進んだ気が。マクロビのランチも食べ、1泊目にして、かなり体調が回復したのを実感しました。