おいしいパン屋さんがある街、おしゃれな店がある街。引っ越し先を選ぶ時に気になるポイントです。でも、将来結婚しても仕事を続けていきたいのであれば、子どもが保育園に入りやすい街を選びたいもの。今からできるチェック法を紹介します。
待機児童多いと保活で苦戦必至
出産後も働きたいと考える女性にとって最も気になるのが「保活」の問題です。仕事と子育ての両立を図る親の多くは、子どもを預ける保育所を探すことになりますが、待機児童の多い街に住めば、保活で苦戦することは免れません。
東京23区の2017年4月1日時点の待機児童数(東京都福祉保健局調べ)を見てみると、世田谷区が861人で最も多く、これに目黒区(617人)、大田区(572人)、江戸川区(420人)が続いています。これとは対照的に、豊島区と千代田区は待機児童数がゼロ。新宿区(27人)、杉並区(29人)、練馬区(48人)が比較的少数となっています。
“ダークホース”な自治体に要注意
大田区は、16年の調査ではワースト10に入っておらず、次の年にワースト3に急浮上したことになります。このように、自治体の待機児童数は増減を予測しにくく、大田区のような“ダークホース”が現れないとも限りません。
入居世帯数の多いタワーマンションが建設されると、若いファミリー層が一気に増えて、待機児童数が跳ね上がることがあります。住みたい場所があるなら、近くに大規模なマンションの建設計画がないかを調べるのも一つの手でしょう。
新設園情報を見逃さない
待機児童数で5年連続全国ワースト1位の世田谷区ですが、今年4月に新たに17園が新設されました。小規模保育所に加え、母親が仕事をしている間、保育士が子どもを預かって近くのキッズスペースで面倒を見てくれる「ワークスペース」(有料)を区内4か所に開設するなど、改善に向けて必死の一手は打ち続けており、ワースト1でありつつ、待機児童解消率でも都内トップという状態。待機児童がどこまで解消されるのか今年も注目が集まりそうです。
自治体によってばらつきのあった待機児童の数え方ですが、昨年4月から定義が明確化されました。保育所に入れず保護者が育休を取得している場合でも復職の意思があれば、待機児童に含まれることになり、より正確な数字が出るようになりました。
東京都の場合、毎年6月頃には4月時点での待機児童数が各区役所のホームページなどで公開されます。様々な要因で待機児童数が変わるおそれはありますが、保活を有利にすすめるためにも、これらの情報を見ておけばある程度の激戦区予想はつくでしょう。
また、待機児童がゼロと言っても、同じ区内で人気が集中しているエリア(主要駅の駅近など)もあれば、空きのある園があるエリアもあります。新設園の情報を見逃さないことも大切ですが、東京都の「認証保育所」のように、自治体が独自基準を設けて運営費を補助する施設や、認可外の保育園など良さそうなところが近くにそろっていないか調べておくと、より安心です。