暖かくなり、日差しや紫外線が気になる季節になってきた。新たな機能や技術が加わった日焼け止めが各社から発売されている。好みの使い心地や使うシーンに合わせて適したものを選びたい。
乳液にジェル、エッセンスタイプ……広がる選択肢
調査会社の富士経済(東京)によると、2017年の日焼け止めの市場規模は、前年比4%増の363億円(見込み)。紫外線対策の重要性が徐々に浸透し、通年で使う人が増えている。
従来はミルク(乳液)タイプが多かったが、数年前からは塗りやすく軽いつけ心地のジェルタイプやエッセンスタイプも増えており、選択肢が広がっている。
子ども用や敏感肌用を除くと、多くの日焼け止めの紫外線防止効果を示す指標は「SPF50+、PA++++」と最も高い数値で、横並びとなっている。新商品には、さらなる機能の追加や使い心地の工夫などが盛り込まれている。
ぬれると膜が均一に
資生堂の「アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク」は、汗や水にぬれると紫外線を防ぐ効果がより高まる技術を採用。汗や水に含まれるミネラルと結合する成分が入っており、ぬれると紫外線を防ぐ膜が均一になってより強固になるという。
さらに「日焼け止めは肌に負担になる」という使用者の声にも応え、保湿成分を従来品より増やして50%にまで高めた。
カネボウ化粧品の「アリィー エクストラUV ジェル」は、摩擦に強く、落ちにくい「フリクションプルーフ機能」を新たに加えた。一度塗った日焼け止めが、衣類やバッグ、腕時計などに触れてこすれると落ちてしまうことに着目。新商品では、日焼け止めを塗ってできた膜に弾性を持たせることで、こすれても膜が元に戻って落ちにくくなるようにした。
サラサラ、しっとりお好みで
毎日使う人が増えていることもあり、使い心地を重視した商品も相次いで登場している。
コーセーの「スポーツ ビューティ UVウェア(スーパースムース)」はミルクタイプ。液の中に通常の2倍の量の粉体を入れることで、塗り広げるとサラサラとした肌触りになるように工夫した。汗をかいてもべたつかないという。気温や体温が上がると、紫外線から肌を守る膜が強くなる成分も配合している。
ロート製薬が今年発売したオイルタイプの「スキンアクア ウォーターマジックUVオイル」は、塗っても白っぽくならず、水や汗をはじく。しっとりした使用感も特徴だ。スプレータイプもあり、髪や頭皮の日焼け防止にも使いやすいという。
知っておきたい「SPF」と「PA」
日焼け止めの効果は「SPF」と「PA」という2種類の指標で表示される。SPFは、肌が赤くなる日焼けを起こし、シミやそばかすの原因となる「紫外線B波」を防ぐ効果を示す。PAは、肌が黒くなる「紫外線A波」の防止効果を示す。いずれも数値が大きいほど効果が高く、「SPF50+」「PA++++」がそれぞれ最高。
日本化粧品工業連合会は、十分な量をむらなくのばすこと、2~3時間おきを目安に塗り直すことを勧めている。(木引美穂)