メルボルン市内を歩いていて、あちらこちらで目にするものといえば、カフェ。この街は、「カフェ文化発祥の地」ともいわれ、バリスタやロースターたちが腕をふるう店がたくさんあるのです。隠れ家的な店からオーガニックフードに力を入れる店、アート色を打ち出した店まで、その個性もさまざま。カフェがびっしりと軒を連ねる通りでは、いつもコーヒーのいい香りが漂い、会話を弾ませる人々の声が聞こえています。
メルボルンで絶対に訪ねたい場所は、カフェ
旅先では、街歩きの合間にカフェに立ち寄るのが楽しみ、という人もいることでしょう。そして、旅先で立ち寄るカフェはチェーン店ではなく、地元に根づいたところが断然楽しい! ローカルの雰囲気が味わえて、おいしいコーヒーも飲めるから、私は“地元密着型カフェ”が大好きです。
メルボルンは、フランスのパリ以上にカフェが多いといわれている街。1日に何度も同じ店に足を運んだり、毎朝出勤前にお気に入りの店でコーヒーを飲んだりするのは、メルボルンの人にとってはごく普通のこと。日常の風景の中に、カフェがあるのです。

「レーンウェイ」と呼ばれる小径に入れば、たくさんのカフェに出会えます。どの店も軒先にテーブルと椅子を出しているのですが、それがどこまでも続く風景は圧巻。ドリンクや食事のメニューを書いた黒板を軒先に置いている店が多いので、どんな料理が食べられるのか、店内に入らずに知ることができます。これは、環境に慣れていない旅行者にも便利。
コーヒーのアレンジは豊富で、その呼び方も独特です。小さなカップで提供されるエスプレッソの「ショートブラック」、ショートブラックをお湯で割った「ロングブラック」、ショートブラックにスチームミルクをたっぷり入れた「フラットホワイト」、ショートブラックにミルクの泡を少量注いだ「マキアート」、ショートブラックにスチームミルクとミルクの泡を注ぎグラスでサーブする「ラテ」などがあります。

メルボルンのカフェを何軒か利用して、いいなあと思ったのは、スタッフのコーヒーに対する情熱が熱いこと。一種類の豆で淹れたシングルオリジンコーヒーや、豆をミックスしたブレンドコーヒーなど、その店を特徴づけるスペシャリティーコーヒーをオーダーするのが楽しみでした。
「朝食はカフェで」という選択肢も、メルボルンならあり
カフェとひとくちにいっても、楽しみはコーヒーだけではありません。ホットチョコレートドリンクで知られるのは、「ココ・ブラック」。1870年に完成した市内最古のアーケード「ロイヤル・アーケード」にあるチョコレート専門店です。チョコレートを売るショップの2階には、クラシカルな雰囲気のカフェがあり、ホットチョコレートやコーヒーが楽しめます。チョコレート専門店なのにバリスタがいるのは、さすがメルボルン。

「ココ・ブラック」のチョコレートは、メルボルン土産として大人気です。材料にこだわったチョコレートはフレーバーも豊富。どれを買おうか迷ってしまったら、2階のカフェでドリンクとともにオーダーして試してみるのもいいでしょう。ナッツやフルーツをトッピングした手作りチョコレートは、まるで小さな宝石のようでした。

ところで、メルボルンのカフェは朝7時ごろからオープンしています。滞在中は、カフェで朝食を食べるのも、楽しみになることでしょう。私が訪ねたのは、家具工場を改装した「クリンパー」。石畳の通りにレンガ造りの建物が並ぶギルドフォード・レーンにあります。この一帯はかつて倉庫街で、趣ある建物を再利用したギャラリーやショップが点在している注目のエリアなのだそう。
木材と鉄材を使ったインテリアの店内は、温かみがあって、素朴な雰囲気。アンティークの長いキャビネットや、リフトを再現した半個室の席などもあって、かつて工場だった頃の面影もしっかりと残されています。ここはメルボルンのカフェランキングで常にトップ5に入る人気店。旅先で流行のお店に入るのは少し緊張するものですが、ここは雰囲気もスタッフも温かくて、とてもリラックスできました。

朝食メニューも充実しています。お手製アボカドのディップやフレッシュなチーズ、マンゴーや野菜など、ワンプレートには食材もいろいろあって、舌も大満足。エネルギーを心とおなかにしっかりチャージして、気持ちのいい1日をスタートしました。メルボルンでは、ときにはホテルの朝食をスキップして、カフェで食べるのもおすすめです。
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