果物のシャーベット、コーヒーやワインで味わうレシピも登場
かき氷を楽しむ大人が増えている。家庭用のかき氷器では、ふわふわの氷の食感が楽しめるタイプが登場し、料理などにも使われている。国産素材にこだわったシロップもお目見えし、コーヒーやワインで味わうレシピも登場している。
猛暑追い風 かき氷器も好調
ビックカメラ新宿西口店(東京・新宿)のかき氷器売り場をのぞくと「電動」「ふわふわ」などの文字が目に付く。売れ筋の価格帯は3000円以上とやや高めだが、売り場担当の長田智恵さんによると「子どもだけではなく、大人が自分で楽しもうとして選ぶ人が増えている」。
通販サイト「ヤフーショッピング」で人気なのは、細かく削った氷のとろけるような口当たりが楽しめる「台湾風」のかき氷器だ。猛暑の効果もあり、7月の売り上げは前年同月比で2倍超と好調だった。
電動式のかき氷器も進化している。
ドウシシャが昨年発売した「大人の氷かき器 コードレス」(想定価格4298円)は乾電池で動くため、アウトドアでも便利だ。かき氷だけでなく、削った氷を使い、レシピ本に沿って冷製パスタを作ったり、お酒に入れたりと、幅広い楽しみ方ができるのも売りだ。
ツインバード工業の「フローズンスイーツメーカー」(同8640円)は、氷だけでなく、マンゴーやバナナなど冷凍したフルーツも削ることができる。シャーベット状のフルーツをデザート感覚で味わえると好評だ。

貝印の「KaiHouse 本格かき氷器」(同1万6200円)は、専門店のようなふわふわの氷を作れるよう、均質に薄く削れる刃を採用した。価格はやや高めだが、「売れ行きは好調」(担当者)という。
こだわりのシロップも登場
井村屋は発売50年を迎えるロングセラー商品「氷みつ」のプレミアムタイプとして、栃木県産イチゴ「とちおとめ」や和歌山県産の白桃を使った「こだわりの氷みつ」(希望小売価格216円)を販売。明治屋も国産の果汁や素材にこだわり、果肉感まで味わえる濃厚なシロップ「マイシロップパウチ 味わうシリーズ」(同302円)を5月に発売した。
「大人の味」も楽しめる。
サントリー食品インターナショナルは、濃縮タイプのペットボトルコーヒー「ボス ラテベース 焦がしキャラメル」(同300円)とコンデンスミルクをかけたカフェラテ風味のかき氷を提案している。コーヒーの苦みとコクが特徴だという。
ワイン販売のエノテカの一部店舗では、グラスにワインを注いだかき氷を期間限定で販売している。「写真映えもよく、自宅でのパーティーでもおすすめ」(広報)という。この夏、ひと味違ったかき氷を楽しんでみてはいかが? (価格はいずれも税込み)(三宅直)