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パリ8区にある「エクスピアトワール礼拝堂(贖罪礼拝堂)」は、数年前に見つけるまで私にとって未知の場所でした。たまたま、パリの珍しい秘密の場所ガイドという本の中で発見したのですが、何度かこの場所を訪問しようと試みたものの、工事中で閉まっていたのです。

私の興味を引いたのは、フランス革命時代との関係で、特に関心を寄せているマリー・アントワネットが埋葬された墓地の跡地でもあったことです。といっても、私にとってこの時代の興味はひとえに美術と歴史のみで、私は決してフランス王政信者ではありません。なぜその点を強調するかというと、実はこの場所はパリでアンシャン・レジーム(旧体制)、つまりフランス革命前の絶対王政時代を強く連想させるノスタルジックでカルト的な場所でもあるからです。

この庭園に囲まれた小さなチャペルは、フランス革命期に処刑された人々を埋葬した「マドレーヌ墓地」跡地に、革命の犠牲者を追悼する礼拝堂として19世紀初頭に建てられました。墓地にはルイ16世と王妃マリー・アントワネットを始め(その後、国王夫妻の遺骨はサン=ドニ大聖堂に移葬されましたが)、チュイルリー宮殿襲撃の際に殺害された数百人のスイス衛兵などが、ネオクラシック様式のクーポールの下に静かに埋葬されています。そして大理石にはマリー・アントワネットが義理の妹エリザべート・ド・フランスにあてた最後の言葉が刻まれていて、私はその言葉を決して忘れることができません。
確かに悲劇的な場所ですが、緑と花に囲まれた庭園がポエティックで希望にあふれ、様々なことを瞑想させてくれる特別な空間を作っています。
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