近年の大開発で、ショーやコンサートを楽しめるエンターテインメントの街へと変化を遂げたマカオ。その一方で、ポルトガル風情漂う昔ながらの町並みも残っています。東京から直行便で約5時間のこの街は、女性の週末旅行にぴったり。今回は、1日でマカオの魅力を満喫できるコースを考えてみました。画像共有ソフト「インスタグラム」やSNSで共有したくなる写真スポットも満載です。
アズレージョに導かれて、カラフルな街に迷い込む
ピンク色の瀟洒な建物の庭にブーゲンビリアの花が咲き、石畳の通りにコロニアルカラーの住宅が並ぶ……。マカオは、なにより散策が楽しい街。立ち止まっては写真を撮り、また歩いては写真を撮っていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
マカオは、どんな小さな路地にも名前があり、中国語とポルトガル語で併記された美しいアズレージョ(装飾タイル)の道路標識が立っていて、こんなところにも異国情緒を感じます。マカオは治安も比較的安心なので、アズレージョに導かれて街に迷い込んでみましょう。
中心地のセナド広場から歩いて5分ほどの、聖オーガスティン広場周辺は、中世の南欧を思わせるエリア。クリームイエローの「聖オーガスティン教会」や、旧邸宅を利用した「ロバート・ホートン図書館」、ミントグリーンの外壁と壮麗な円柱が美しい「ドン・ペドロ5世劇場」、ターコイズブルーの天井に迎えられる「聖ローレンス教会」、ドームに優しく光が差し込む「ヨセフ修道院および聖堂」など、ロマンティックな建物が立ち並んでいます。

世界遺産に登録されたそれらの歴史的建造物のほかにも、フォトジェニックな建物が街に点在しています。ヤシの木が茂るコロニアルピンクの建物は、政府の議事堂である「特別行政区政府」。ベレー帽にヨーロピアンスタイルの制服で警備中のポリスマンも、なかなか絵になります。
ここから南湾湖沿いに歩き、さらにペンニャの丘を上れば、ますます異国情緒は濃厚に。ピンク色の迎賓館や、鮮やかなイエローのポルトガル領事官邸、その向こうに見える高さ338メートルのマカオタワーなど、素敵な風景が次々と現れます。ここに来なければ出会えない唯一無二の風景は、インスタ映えも抜群です。
ランチのあとは、お買い物。キュートな缶詰はいかが?
そんな美しい風景を作り出しているのは、4世紀以上にわたるポルトガルとの歴史です。かつてポルトガルの植民地だったマカオには、1999年に中国に返還された後も、ポルトガル風情が失われることなく息づいています。
もちろん、本格的なポルトガル料理も、マカオでは当たり前のように食べられています。街中にポルトガルレストランはたくさんありますが、よりローカルに近い味を楽しめるのが、ポルトガル人協会が運営する「ルジタノシュ」。中心地のセナド広場から歩いて5分ほどのポルトガル領事官の前にあるレトロな洋風建築が目印です。

ランチタイムのみの営業で、ポルトガルの家庭料理を食べ、ワインやビールを1杯楽しんで、食後にコーヒーを飲んでも1000円以内。在住ポルトガル人やマカエンセ(ポルトガルの血をひくマカオ人)に愛されるアットホームなレストランは、団体客で混み合うこともなく、女性一人でも入りやすいお店です。
マカオ土産にポルトガルの雑貨を探すのも、楽しみのひとつ。セナド広場近くの「リブラリア・ポルトゲーザ」は、建物も絵になるポルトガル書店で、素敵な写真集や画集が手に入ります。
ここから歩いて5分ほどの福隆新街(Rua da Felicidade)には、ポルトガルのリスボンに本店を構える老舗の缶詰専門店「ロージャ・ダシュ・コンセルヴァス・マカオ」があり、キュートなパッケージの缶詰がずらりと並んでいます。アジアでの展開はここだけなので、お土産にも喜ばれそう。

石畳の通りに欧風の建物が並ぶラザロ地区では、「メルカリア・ポルトゲーザ」に立ち寄ってみましょう。パッケージもかわいらしいオリーブオイルやソープなど、ポルトガルの雑貨がそろいます。
世界遺産の建物や街角に、ポルトガルの雰囲気を感じるマカオ。それらは街にしっくりと溶け込んでいます。やっぱり、マカオ旅の醍醐味は街歩きに尽きるのかもしれません。
●リブラリア・ポルトゲーザ(Livraria Portuguesa)
●ロージャ・ダシュ・コンセルヴァス・マカオ(Loja das Conservas Macau)
●メルカリア・ポルトゲーザ(Mercearia Portuguesa)
協力:マカオ航空/マカオ観光局