熊本・天草地方のグルメで思い浮かぶのが、ミネラル豊富な海で取れる新鮮な海鮮類!でも、実は個性派コーヒーやスイーツが充実したカフェ天国でもあるのです。「おいしいコーヒーを飲みながら、まったりと過ごしたい」時に立ち寄れる穴場を紹介します。
癒やしを求めて山へ海へ、天草カフェ巡り
天草市の中心地・本渡から海岸沿いを走り、15分ほどで現われる田園風景の中にぽつんとあるのが、「小豆カフェ」。「本当にここにカフェが?」と思ってしまうほどのどかな場所にあります。天草に来るたびに足を運びたくなる、ステキなお店です。

見た目は「おばあちゃんの家」を思わせる懐かしい雰囲気の古民家。オーナーご夫妻が築60年の農家を自ら改築したものなのだそう。玄関を入ると、木の温もりがあり、ふんわりと柔らかな雰囲気に包まれます。縁側の向こうに広がるのは、豊かな田園風景。ちょうど今頃は、青々とした田んぼが一面に見える季節を迎えています。
手作り料理は、タイ風カレーやマレーシアの屋台料理などのアジアンテイスト。地元の野菜を使った料理やハーブを練りこんだホームメードのパンは、お店の雰囲気にもなじむやさしい味で、口にするほど幸せな気分にさせてくれます。
こんな山間のカフェもあれば、海カフェもあるのが、天草の面白さ。小豆カフェから車で北へ約30分、鬼池港のそばには、海を望む小さなカフェ「プロペラプレート ランチ&カフェ」があります。

窓から天草と雲仙島原を結ぶフェリーを眺めながら、スイーツを味わい、からだにやさしい料理を食べるのは至福の時間。ランチはスープ、前菜、メイン、デザートにドリンクがついて1000円とリーズナブルですが、地元の新鮮な食材を使って、ていねいに手作りされています。お皿やコーヒーカップはすべて天草の各地にある窯元から仕入れたもので、器を眺めるのも楽しみの一つです。
ナチュラルながらも存在感あるインテリアはすべて、家具・建具の職人であるオーナーのご主人が手がけたもの。じっくりと手間をかけて作られた家具にも癒やされます。
お店がオープンしているのは火曜から金曜のランチタイムのみですが、タイミングが合えばぜひ足を運んでみたい、隠れ家的なカフェです。
絶対飲みたい! 移動カフェの自家焙煎コーヒー
天草には、個性的な焙煎コーヒーのショップもたくさんあります。そのクオリティーは、都会にも負けていません。私が天草に行くたびに楽しみにしているのが、移動カフェ&自家焙煎コーヒー豆ショップの「楽園珈琲」です。
半熱風式焙煎機でローストしたコーヒーは、マイルドでシンプル。難しいコーヒーのうんちくを知らなくても、自然と「おいしい」と思える味です。

オーナー夫妻は、美しい海を求めて天草に移住したサーファーでもあります。海へ向かう前の高揚する気持ちを静めるコーヒー、海から上がった後に波を回想しながら飲みたくなるからだにやさしいコーヒーを追求した結果、このナチュラルな風味にたどり着いたのだといいます。
「楽園珈琲」の移動カフェは、ワーゲンバスを目印に、天草で開催されるマルシェやイベントなどで出会うことができます。また、2017年4月には、天草空港の近くに店舗もオープンしました。焙煎機が回る音を聞きながら、豆の香りに包まれる空間は、居心地よさ満点。オーナー夫妻がDIYで仕上げた店内は、「地域の若い人からお年寄りまでが気兼ねなく立ち寄れる場所にしたい」という願いが込められているだけに、アットホームで、ひとり旅でも気軽に入ることができます。
もうひとつ、大好きな焙煎ショップが、住宅街の中にある「COFFEEFRESH.JP」。天草の海のように鮮やかなブルーを基調にした店内には、DJでもあるオーナーがセレクトしたBGMが流れていて、まるで異空間に迷い込んだかのような気分になります。

ここで飲めるコーヒーは、天草産の樫木炭を使い、手網で遠赤焙煎した有機栽培のモカ。豆だけの購入もできますが、ぜひ、店内で熱いコーヒーを一杯。天草の天然水で淹れたコーヒーは、旅の疲れを忘れさせてくれるような、スッキリとした口当たりです。
香り高いコーヒーの味を思い浮かべると、今すぐ天草に飛んで行きたくなります。味だけではなく、オーナーの皆さんの気さくな人柄も魅力的です。カフェで地元のおすすめスポットを教えてもらったり、焙煎ショップでコーヒー談議をしたりするのも、きっと旅の楽しみになると思います。