今回ご紹介したいのは編み目が美しい手編みのコーヒードリッパー。金網細工は起源が平安時代にまでさかのぼる日本の伝統工芸だという。金網が伝統なのかと思われる方もいるかもしれないが、豆腐すくい、茶こし、焼き網など生活に密着した調理用品を思い起こせばうなずける。
京都の「金網つじ」は、京料理を支える調理道具の伝統を今に引き継ぐ。料理人や和菓子職人たちの細かい要望に応えながら商品を作り出してきた。昭和30年代には京都に30軒以上あったと言われている金網細工の店も、現在は数軒しか残っていないという。
京金網は手編み、網の加工、曲げ輪の三つの技術を駆使して作られる。この手編みのコーヒードリッパーは、珈琲焙煎人の中川ワニ氏の意見を取り入れながら試行錯誤を繰り返し、4年の歳月をかけて完成させたという、こだわりの逸品だ。
銅製の円すいの内側に、円すいの形に編まれた金網を入れて使う。扱いやすいように、台座の部分も亀甲編みにしている。
調理用品は使いやすさはもちろんだが、美しさも重要。このコーヒードリッパーにはハッとさせられる美しさがあり、眺めているだけでもうれしくなる。ほっと一息つきたいコーヒーの時間が、豊かになりそうだ。コーヒー好きな方や、父の日や母の日のプレゼントとして、喜ばれるにちがいない。
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