始業時間が10時なのに、毎朝9時30分に出勤している方が「これは違法として訴えられるものですよね」と、「発言小町」に質問を寄せました。トピ主によれば、10時までの30分間は、「社内清掃と朝礼」をしており、9時30分に「遅れると『遅刻扱い』です。給料も引かれます」。ところが、9時30分に出勤しても、この30分間の給料は支払われていないそうです。
入社面接の際、「当社は営業が10:00からですが、お客様を迎える準備のために9:30から出勤してもらっています」と言われていました。ただ「合格した時は就職難で困っていたので」、そのまま入社してしまったそうです。
レスには、似たような経験を投稿する方もおり、「中小企業にはこんなところまだまだたくさんあるんでしょうね」とも。
トピ主さんが言うように、30分間の無給労働は「違法」なのでしょうか? 太田伸二弁護士に聞きました。
トピはこちら⇒「毎日30分早く出勤する義務。」
A.立派な時間外労働、「早出残業」です
トピ主さんの職場は始業時間が10時ですから、9時30分から10時までの間に働いた分は「時間外労働」になります。始業時間前の時間外労働は「早出残業」と呼ばれています。
トピ主さんが行っている社内清掃や朝礼は、会社の指示で業務として行っているものですから、そのための時間は労働時間に当たります。また例えば、事業所内で着替えることを義務づけられているような場合には、制服への着替えなどの時間も、労働時間に当たります。
労働者が時間外労働を行った場合、会社はそれに対して残業代を支払う義務があります。トピ主さんの会社がこの30分間の分の残業代を払っていないとしたら「違法」です。
また、10時始業にもかかわらず、9時30分に出勤していないことを「遅刻扱い」して給料を減額することは許されません。
未払いの残業代や違法にカットされた給料については、2年前の分まで遡って請求することができます。退職してからでも残業代請求はできますが、残業時間の証拠を集めやすいのは在職中です。今すぐ残業代請求をするつもりまではない方でも、どのような証拠を残せばいいかについて、弁護士に一度相談してみてはどうでしょうか。