【お悩み相談】夫から「毎日暇でしょ」と言われ、むなしい専業主婦

お悩みアドバイザー・谷生俊美

画像はイメージです。

お悩み相談は、キャリア、恋愛、仕事と子育ての両立……働く女性の悩みや不安に、人生経験豊富な「お悩みアドバイザー」が回答します。

子供が2人いる30代の専業主婦です。昨年、夫の転職により、長年住んでいた土地から引っ越しました。引っ越し前はママ友も多く、パートや子供関連の役員を務め、充実した日々を過ごしていましたが、新しい土地に移り住んでからは毎日がむなしい日々です。
コロナ禍もあって子供の在園時間が短くなり、家にいる時間も増えました。夫は好きな仕事に転職できて充実しているようです。
こちらではまだ知人も少なく、一日中家にいる状況です。そんな私を見て夫が「毎日暇でしょ。いいね、楽そうで」などと言葉をかけてくることもあります。
以前に比べて夫の子育てへの参加も減り、「ワンオペ育児」をしているような気持ちが強く、不安があります。心にぽっかりと穴があいたようで、何か新しいことを始めようと思っても、自分のために無駄なお金を使っていいものかと悩みます。夫に今の気持ちを伝えても、あまり伝わっていないようです。どうしたら以前のような充実した日々を送れるのか、ヒントをいただけますでしょうか。よろしくお願いします。(ハンドルネーム・みけねこ)

A.新たな居場所を作り出して

ご相談文を拝読し、率直に感じたことをお伝えします。あらゆる変化があなたにとってマイナスに作用し、毎日の生活を難しくしているのではないでしょうか。まず夫君の転職で、新天地に引っ越したあなたは仕事やご友人、さらにはお子様の関係の役職など、全てを失った……。それだけでも大きなことです。加えてコロナ禍が追い打ちをかけるように発生、子供たちの自宅時間が増加し、子育ての負担が増大したにもかかわらず、夫君の子育て参加も減り、「ワンオペ」感がアップ……。いよいよ大変な事態です。心身ともに大きくなった負担を分かち合うべきパートナーからは「毎日暇でしょ。いいね、楽しそうで」などと優しさの感じられない言葉が浴びせられる一方、本人は好きな仕事に転職できて充実した様子……。これは、ちょっと精神的にもダメージを受けてしまうのは当たり前です。「みけねこ」さんの追い詰められたお気持ちが伝わってきました。では、どうすれば事態を好転させられるか、私なりにご提案します。

現在の最大の問題は、新生活の中で、あなたが居場所を失っている、ということだと思います。自分の居場所を取り戻し、さらに新たに作り出しましょう。かつての生活では、家庭以外にもパートの仕事、お子様関係の役職、交友関係など「あなた自身の居場所」があったからこそ、充実感を覚えられたのです。今は、見知らぬ土地での生活とコロナ禍もあり、家庭での「ワンオペ子育て」だけ、愛する夫の妻、という本来心地よいはずの居場所さえ、気持ちの通わないものになっている、つまり居場所を失ってしまった状態と言えると思います。まずやるべきは、「今の気持ちを伝えても、あまり伝わっていない」夫君に、全力でS O Sの意思表示をしましょう。いいのです、「私は暇じゃないし、楽しくなんかない。むしろ苦しいの、だから助けて」とはっきり言えば。新天地で好きな仕事につけて充実したご様子の夫君も、真剣に耳を傾けてくれるはずです。子育ての負担を減らすべく、育児への参加を以前並みにしてほしい、なのかパートに出たいのか、新しい何かを始めるのか、それは相談の上、あなたが決めればいいことです。大切なのは、伝わるまで徹底的にコミュニケーションをとることです。対面で難しければ、手紙でも、動画でも、とにかく明確に言葉にして、気持ちを込めて伝えることです。苦しい時に、夫の理解、協力、寄り添う姿勢を求めるのは、パートナーとして当然のことです。それに応えられない相手なら、さらに深刻な問題ですが、ご相談文からはそんな雰囲気は感じませんでしたし、きっと大丈夫だと思います。

少し気になった表現があります。「自分のために無駄なお金を使っていいものか」……。この言葉からは、ご自身ではなくお子様たちを生活の「主語」に考えた思考をされていることが伝わってきます。母親としての自覚を強くお持ちの方だと推察しました。ただし、「2人のお子様のママ」、という役割だけで自分が満足しているのか、そうではないのか、冷静に見つめてみるのも意味があることかもしれません。例えば、少しのお金はかかっても、あなたが一人の人間として夢中になれる何かを持ち、充実した気持ちで過ごしていることは、ご家族全員にとってポジティブなことでしかないはずだからです。それに必要な少しの時間とコストは、家族が協力して捻出すればいいと思います。いずれ、子供たちは独立し巣立っていきます。もしその時まで「○○ちゃんのママ」だけが「みけねこ」さんのよって立つ属性であり、アイデンティティーになっていれば、今よりはるかに大きなむなしさや喪失感に支配されてしまうかもしれません。そうならないためにも、あなたは、あなたらしくいられる「自分の居場所」を作り出す必要があると思います。私も含め、誰もが自分らしくいられる居場所を必要としているのです。

どうか、「みけねこ」さんご自身の心を埋める材料を探すことをためらわないでください。それには、少しだけあなたを主語に、生活を見直してみてください。素直な気持ちを夫君に伝えてください。少しずつ心の穴が埋まった時、きっと充実感を生活の中に再び見いだせるはずです。そんな日が一日も早く来ることを心から願っています。

谷生俊美(たにお・としみ)
 

日本テレビ映画事業部プロデューサー。神戸市出身。東京外国語大学、同大学院博士前期課程(修士課程)修了後、2000年、日本テレビに入社。報道記者として社会部、外報部(現・国際部)カイロ支局長を歴任。12年、編成局に異動し、「金曜ロードSHOW!」プロデューサーとして勤務。トランスジェンダー女性であることを明かし18年10月から「news zero」のゲストコメンテーターに。12月、事業局映画事業部に異動し、映画製作に関わる。

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