【お悩み相談】「孤独の方がまし」と思うのは人としてダメですか?

お悩みアドバイザー・谷生俊美

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30代独身、地方出身の会社員です。今回の新型コロナ感染拡大と、それに伴う緊急事態宣言による外出自粛要請で思うことがありました。この数か月で友人や同僚らの本性というか、人間性が見えた気がしました。もちろん私自信も完璧な人間ではなく、孤独に耐えきれず何度帰省しようと考えたでしょうか。でも、高齢の祖父母や両親、地元の人たちの目が浮かび、踏みとどまり、スーパーに行く以外は家にいました。
ところが、近県の実家に毎週帰ったり、平気で飲みに行ったり、ライブを見に行ったり、家族で旅行に行く同僚や友人がいました。心の中で「こんな時に外出するなんて信じられない!」と思いましたが、それは、家族がいない者のひがみに思えて、口には出しませんでした。こんな時にもし、彼氏や家族がそばにいたら、そうは思わなかったでしょう。あと、「しょせん気休め」と言い放ち、マスクをしない友人にもあきれました。このご時世、無神経というか思いやりのない人なんだと思い、今後は少し距離を置こうと思います。
無理して人付き合いをしてストレスになるより、一人でいた方がましと思ってしまうのは、人間としてダメでしょうか。(ハンドルネーム・ネギぼうず)

A.他人の行動を気にしすぎない

コロナ禍での自粛生活、とりわけ緊急事態宣言発令中の生活は、本当に心身ともに大変なストレスがたまるものでしたね。私も自粛期間中、ふと気づくと1か月以上、居住区とすぐ目の前にある隣の区の間しか移動していないことに気づき、こんなことは大人になってから初めてだなと、改めて事態の異常さに驚いたものでした。

ご相談文を拝読し、かなりストレスを溜めていらっしゃるのでは、と端々から感じられました。少し気になるのは、全体的にやや「なげやり」な雰囲気を感じることです。極めて異例の不自由さを強いられる生活が続いた中、ネギぼうずさんの心にゆとりがなくなっているのではと心配します。事態はまだ続いていますし、誰にでも起こりうることなので、ご相談について、より良い方向へ進めるようなご提案を率直にお伝えしたいと思います。

まず、気づいたことがあります。あなたは、非常に優しくてまじめな性格の方だということ、と同時に、孤独を愛する人間ではないことです。「孤独に耐えられず、何度帰省しようと考えた」にもかかわらず、「踏みとどまった」のは、地元にいらっしゃるご高齢の祖父母やご両親、そして知人の顔が浮かんだから、ということが、それを明確に示しています。寂しさを感じた時、人は愛する人や親しい人に会い、そばにいたくなるものです。でも、コロナ禍では、移動することで自らがクラスターの発生源になってしまうおそれもある、だから我慢をされた……。とても良識ある決断だと思います。

一方で、そうした「我慢」をせずに、それまでのような生活を続ける人たちへの怒りやあきれの感情が抑えられず、「今後は距離を置こう」と感じるほどの気持ちの変化があったのですね。私は、この際、他人の行動は気にしないことをお勧めします。ネギぼうずさんが今集中すべきは、ご自身の生活であり人生だからです。「……こんな時にもし、彼氏や家族がいたら、そうは思わなかったでしょう」。この言葉に、私は、大きなヒントがあると思います。実はご自身で「解」にたどり着かれているのだと感じます。つまり、あなたは、身近なところに恋人や家族がいないからこそ、寂しさや孤独を感じ、奔放な生活を続ける周囲の人たちへの負の感情が増幅し、さらに大きなストレスとなっているのです。

「大切な人やもの」との出会いをみつけて

もう一度同じことを言わせてください。あなたは孤独を愛する人間ではない、と。だから、ネギぼうずさんが持っているのは、「……無理して人付き合いをしてストレスになる」、か「一人の方がまし」という孤独か、の二択ではありません。極端に走る必要はないのです。そう感じてしまっているのは、ストレスで心にゆとりがなくなっているせいです。無理をせずストレスのたまらない人間関係、友人関係を大切にすればいいのです。

自粛期間の不自由な生活で、自分にとって何が大切なのか、何が好きなのか、見えてきた部分も大きいと思います。いまだ事態の収束が見通せない中、不自由な生活が続きますが、その中でも、ネギぼうずさんなりに、「大切な人やもの」を見つけ出したり、出会ったりするチャンスを拡大していく努力はきっとできるはずです。端的に言えば、パートナーを探したり、本当に気の合う友人や仲間を見つけたり、再発見することです。では、そのためには何をすればいいのでしょうか?

笑顔を忘れないで

ストレスを解き放ち、心を開放することです。好きなことをして、好きなものを食べ、気持ちよく、幸せを感じる瞬間を出来るだけ多く持つ努力を全力ですることです。そして何より、笑顔を忘れないこと。あなたは、地元にいるご家族や知人に思いを寄せることのできる優しい方です。誰でもストレスで縛られていると、笑顔も消え、不機嫌な人になってしまいます。それは、「人間としてダメ」とは言えないまでも、残念なことです。そうならないためには、心を解き放ち、積極的に動きましょう。

今は、コロナで暗闇の多い時代かもしれません。でも、明けない夜はありません。必ず朝はやってきて、新しい一日が始まります。闇の中で見つけた、ネギぼうずさんの切なる気持ち、大切な人=家族を持ちたい、その思いを大事にしてください。冬が終わって春が来た時、ふんわりまんまるのネギ坊主が野にほっこりとしたぬくもりをもたらすように、ネギぼうずさんが幸せな気持ちに包まれる日が一日も早く来ることを願っています。

谷生俊美(たにお・としみ)
 

日本テレビ映画事業部プロデューサー。神戸市出身。東京外国語大学、同大学院博士前期課程(修士課程)修了後、2000年、日本テレビに入社。報道記者として社会部、外報部(現・国際部)カイロ支局長を歴任。12年、編成局に異動し、「金曜ロードSHOW!」プロデューサーとして勤務。トランスジェンダー女性であることを明かし18年10月から「news zero」のゲストコメンテーターに。12月、事業局映画事業部に異動し、映画製作に関わる。

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