有休取ろうとしたら注文ついた

モヤモヤ・働き方編

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派遣社員として働いている職場で、正社員になることが決まりました。会社を移るまで1か月。残った10日分の有給休暇を使い切りたくて派遣元に相談すると、「2週間に1回のペースで取って」と言われました。有休を使い切れませんが、これって普通のことなのでしょうか?

A.会社の許可は不要

有給休暇の取得は労働基準法で認められた労働者の権利です。取りたい日に取れるのが大原則で、会社の許可は必要なく、理由を説明する義務もありません。

派遣先の会社で直接雇用になるとのこと。労働契約は別物なので、残った有休は基本的に派遣元から引き継がれません。派遣社員としての労働契約が終了するまでの1か月間に、たまった10日分の有休の取得を派遣元に申請すれば使い切ることができます。

会社は、事業の正常な運営に支障が出る場合、代わりの日に有休を与えることもできます。これを「時季変更権」といいます。ただ、会社は本当に支障が出ることを立証しなければならず、行使するのはハードルが非常に高いと言えます。さらに、労働契約が終了する際に労働者が全ての有休消化を求める場合、他に指定できる有休の取得日も限られ、時季変更権の行使はより困難になります。

会社が「業務引き継ぎ」などを理由に出勤を求めた場合も、有休の取得日を他に指定できなければ労働者に応じる義務はありません。今回のケースは、会社の言い分は通らないと考えられます。

正社員として働く職場であることを考慮し、有休を取り切らないことも本人の自由です。使い切れない分は退職で消滅することになります。(弁護士・竹花元さん)

竹花元
竹花 元(たけはな・はじめ)
弁護士

 1981年、長野県上田市生まれ。早大法卒。上智大法科大学院を修了後、2008年に司法試験合格。09年に弁護士登録し、11年から東京弁護士会の労働法制特別委員会に所属する。労働問題の専門家として、現在は法律事務所アルシエン(東京都千代田区)のパートナー弁護士として、活躍している。

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