仕事でミスばっかり! どうしたらいい?

お悩み相談アドバイザー村木厚子

 30代の女性です。会社でのミスがなくなりません。事務職でアナログな作業が多いのですが、焦っていたり、疲れからミスをすることが多く、周りやお客様に迷惑をかけ続けています。原因は確認不足なのですが、ミスが発覚した際に、そこは気をつけていたはずなのに……ということが多く、また、システム化できない作業なので、ほとほと困っています。どのように改善できるでしょうか。アイデアをお願いします。(ハンドルネーム・もも)

A:誰もが悩む「うっかりミス」。なくそうとする努力は必ず報われます

 仕事で「うっかりミス」が多かった私としては、何とかならないかというお気持ち、よくわかります。なくそうと思っていても、なかなかなくならないのがミスですよね。

 ちなみに「うっかりミス」の多かった私の、一番記憶に残るミスをご紹介します。労働大臣(当時)が国会で読み上げる原稿を清書するときに「経済社会七ヶ年計画」と書くべきところを「経済社会七〇年計画」と書いてしまいました。国会で大臣がそのまま読み上げてしまったらどうなっていたかと思うと、ぞっとします。実際には夜中に間違いに気づき、多くの同僚を動員して書き直し作業をしました。

ミスは「職場」対応が原則

 そう、ミスはそう簡単にはなくならないんです。

 では、みんなどうしているのか。絶対にミスが起きては困ることについては、何重にもチェックの仕組みを作ります。コンピューターや機械でチェックする、その後さらに、人の目で再度チェックするとか、機械化できないようなことは、作業した本人がチェックした後、別の人がもう一度チェックするなどの方法でミスを減らしていきます。

 個人ではなく「職場」として対応するのが原則です。

致命傷か笑えるか……そのミスはどっち?

 さて、あなたのミスは、どの程度「重大なもの」なのでしょうか。

 あなたのミスで、「会社の信用がいっぺんに失われてしまう」「お客様に損害を与えてしまう」「やり直しのために膨大な時間とコストがかかる」、そんな重大なミスもあれば、「まったく、そそっかしい奴だなあ」と笑ってすませてもらえるミスもあります。組織として対策が取られていないとすれば、それは、あなたのミスがそれほど「重大なもの」ではないのかもしれません。 

 気になるようであれば、一度、信頼できる職場の方に、自分の努力に限界を感じていることなどを相談してみてはどうでしょう。焦ったり疲れているときにミスが出やすいということであれば、あなたに仕事が集中しすぎていたり、キャパシティーを超えている可能性もありますよね。そのことも含めて相談してみてはどうでしょう。

「繰り返さない」3つの方法

 客観的に見て、そこまで重大なミスでないということであれば、「ミスを完全になくす」というより、「できるだけ減らそう」ぐらいの気持ちでやってみてはどうでしょう。ミスには「思いもよらないミス」と「繰り返すミス」があります。案外多いのがこの「繰り返すミス」、あなただけではないのです。

 この対策で、私や私の周りがやって効果があったものをご紹介します。

 ◆多少、面倒でも、点検表を作って一つ一つ工程を確認する。点検した「つもり」が防げます。

 ◆ミスに気がついたとき、あるいは一日の終わりに「ミス日記」をつけてみる。最初は、「また同じようなミスだ」と落ち込んで、いやになるかもしれませんが、落ち込むこと自体がミスを減らすことにつながります。

 ◆自分のやった作業を確認するときに、少し時間をおいてからやる。「新鮮な目」で見られるようになるので、ミスを発見する確率が上がります。

 また、焦ったり疲れたりすることを防ぐために、「大事なことは一生懸命」「そうでないところは少しさぼる」というのも大切な仕事のテクニックです。

ミスはつきもの、自信を持って

 仕事を長くやってきた人間であれば、誰もが「ミスは仕事につきもの」とわかっています。隠そうとしたり、気にしていないふりをするより、どうしたらミスを減らせるか努力している方が、好意的に受け取られます。

 また、みんな多かれ少なかれ同じようなミスをしてきているのですから、ミスを減らす努力の結果を共有すれば職場全体の役にも立ちます。

 あなたが今のように誠実に仕事に取り組んでいけば、職場で信頼される存在になれると思います。自信をもってください。

村木厚子(むらき・あつこ)
津田塾大学客員教授

 元厚生労働次官。伊藤忠商事社外取締役。1955年生まれ。高知県出身。78年に旧労働省に入省。2009年に郵便不正事件で逮捕されたが、冤罪とわかって無罪になり、厚生労働省に復職した。17年4月から現職。

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