【お悩み相談】小1の壁「鍵っ子」にするのは放任ですか?

アドバイザー村木厚子

 東京都内の会社員です。春から娘が小学校にあがります。学校は保育園と違い午後2時までなので、公立の学童保育や習い事で乗り切る予定です。学童の日は迎えに行けますが、習い事は娘が1人で行かねばなりません。私が子どもの頃は「鍵っ子」で、1人でお留守番や習い事に行きましたが、今は「子どもだけで外を歩かせるのは危険」と、ベビーシッターや送迎付きの習い事・民間学童保育を使うか、自分が仕事を休んで帰るというママ友ばかり。私は自分の時と同じようにして、子供の自立心を育てたいと思っています。
 ただ、今の時代、そのやり方は、放任主義の親と受け取られかねません。夫は「君がやりたいようにすれば」と言うだけ。家に防犯カメラをつけるとか、子供用の携帯を持たせたいとは思っています。でも、心のどこかで、子供を放任している、という後ろめたい気持ちがぬぐえません。どうしたらいいでしょうか。(ハンドルネーム:いちご大福)

A:心配な気持ち、わかります。夫も一緒に、子どもの安全を考えましょう

 娘さんの小学校入学おめでとうございます。ある人が、人生のハイライトは第1子の小学校の入学式だと言っていました。わかるような気がします。おめでたい小学校入学、でも、心配事もたくさんありますよね。私も、学童に入れるだろうか、お昼寝のない小学校の生活で、授業中に眠くならないように生活のリズムを作れるだろうか、お友達ができるだろうかなどなど、心配事がたくさんありました。

 わが長女は、小学校登校第1日目に、いつまでたっても帰ってこず、心配して捜しに出かけました。娘は道に迷って歩いているうちに通いなれた保育所に行きつき、そこから通いなれた道をたどって一人で帰ってきました。あきれるやら、ほっとするやら、今でも忘れられない思い出です。

他人の目を気にする必要はないのでは

 さて、「鍵っ子」にしていいかというご相談です。まず、「他人がどう見るか」は考える必要はないと思います。そもそも「放任主義」、大いに結構ではありませんか。自主性に富み、たくましい子どもこそ、これから最も望まれる人間像ではないでしょうか。

 考えるべきは、子どもの安全です。我が家の子どもたちが小さかったころ、通学路に不審者が出て学校から注意喚起のお知らせが来たり、子どもたちも不審者に通学路で出会ったり、家の近くまでつけてこられたりと怖い思いをしたことがあります。もちろんこれは鍵っ子だけが危険な目にあうわけではありませんが。

安全を守るチェックポイント

 いずれにしても、お子さんが通る場所や地域が安全かどうかよく確かめてみましょう。通学やおけいこ事への行き来など、実際と同じ時間帯にお子さんと一緒にその道を歩いてみるといいかもしれません。人通りがあるか、街灯は明るいか、交通量はどうか、危険な物陰はないかなどよく確認しましょう。町は時間帯によって驚くほど状況が変わりますし、実は季節によっても大きく変わります。先輩ママやママ友、学校などからも地域の安全に関する情報をもらいましょう。とっさのときに飛び込んで助けを求められるおうちやお店があるかどうかも大切なチェックポイントです。

 そのうえで、ご相談にあったように、防犯カメラ、携帯電話(わが家も早くから持たせました)、防犯ブザー、子ども用のタクシー、ファミリーサポートセンター(市町村が実施している子育て支援の仕組みです。子どもの送迎などを有料ボランティアのような形でやってくれるところもあるようです)など安全が確保できる方法をしっかり検討されるといいと思います。この検討には、夫にもきちんと参加してもらい、一緒に決めましょう。

 そして、お子さんとも「寄り道をしない」「知らない人が来てもドアを開けない」など守るべきルールについてよく話し合いましょう。

助け合える関係を作るために

 そして、最後に頼りになるのは「人」です。ご近所に知り合いをふやしましょう。わが家の子どもたちも親しいご近所の方たちが見守ってくれました。ママ友もきっと頼りになるでしょう。特にお勧めは、学童保育の父母会活動に参加することです。忙しいと敬遠したくなりますが、共働き家庭同士、家族ぐるみで助け合える関係が築けます。もちろん、夫婦そろって参加しましょう。

 学童保育の父母会は、保育園の時より子どもたちの年齢が高く、働く人の都合に合わせて活動するので、男性が参加しやすくなっています。私の夫も、たくさんの子どもたち・親御さんたちと交流して、良い思い出をたくさん作ったようです。

 

 人生のハイライト、どうぞ、楽しんでください!

村木厚子(むらき・あつこ)
津田塾大学客員教授

 前厚生労働次官。伊藤忠商事社外取締役。1955年生まれ。高知県出身。78年に旧労働省に入省。2009年に郵便不正事件で逮捕されたが、冤罪とわかって無罪になり、厚生労働省に復職した。17年4月から現職。

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