【お悩み相談】強い女性に変わりたい

お悩み相談アドバイザー村木厚子

 今までの人生を振り返って、自分を変えたいと思う毎日です。高校時代は、みんなでワイワイというより、お弁当を一人で食べていました。大学時代の友達には、ノートを当てにされていました。地味な性格で、就活の集団面接では落ち、個人面接だけの会社になんとか入れましたが、仕事が自分にばかり回ってきます。できるからというより言いやすいのだろうかと思います。いじめに遭ったわけではありませんが、都合のいい人として周りから扱われるのがいやなのです。一人でいる方が性には合っていると思いますが、みんなと楽しむ人の方が人生を何倍も楽しめているように思えて仕方ありません。強い人になりたいのです。(ハンドルネーム・なでしこ)

A:私も人間関係が苦手でした。あなたに贈る四つのアドバイス

 ご相談を読んで「強い人」という言葉が、ずしんときました。「一人でお弁当を食べる」、「ノートを当てにされる」、「仕事が回ってくる」等々から推察するに、あなたは決して「弱い人」ではない。それなのに、あなたは「強い人」になりたいという。それは、どこかで、自分が苦手なことから逃げているという思いがあなたの中にあるのでしょうね。

 変わりたいと思っているあなたに、こうすればいいとアドバイスを差し上げるべきなのでしょうが、私にとって、このご相談は大変難題です。

隣の子にあいさつする勇気もなくて……

 というのも、私自身が、大変な人見知り、人間関係を築くのが苦手でした。中高生時代、隣の席の子に明日こそ「おはよう」とあいさつしようと心に決めて毎日登校し、ついに次の席替えまで、実現できなかった経験があります。ワイワイと会話を楽しむ女子がどんなにうらやましかったことでしょう。

 就職してからも、人間関係は苦手、特に立食パーティーなど不特定多数の人がいる場所ではとりわけ話しかけていく勇気のない自分が嫌でした。まさに私も「強い人になりたい」と思っていました。

 私は今62歳。人と話すのが少しだけ楽になりました。何が自分を変えるのに役立ったか、振り返って考えてみました。

役だったこと・その1 仕事で出会った人を大切に

 仕事の関係で人間関係ができたこと。仕事をしていると、いやでも人と話さなければいけなくなります。お友達関係やパーティーなどは、勇気を出してこちらから働きかけないといけません。でも、勇気がなければこちらから踏み出さないこともできる。でも、仕事の関係であれば、あなたは相手と話さざるを得ない。そして、相手もあなたと話さざるを得ない。これなら、勇気がなくても、人見知りでもOKです。私が今大切に付き合っている人の多くは、こうして仕事で出会った人たちです。

役だったこと・その2 仲間作りが上手な人を見つける

 ものすごく仲間作りが上手な人と知り合ったこと。世の中にはわれわれと正反対に、たくさんの人と仲良くなる、人間関係を作るのが上手な人がいます。そういう人は、われわれのような人間にも上手に話しかけてくれます。私は、そういう人に出会って、次々と新たな人を紹介してもらいました。こういう人は、相手をよく見て、その人に合った人を紹介してくれます。こういう人ともし巡り合ったら、しっかりと捕まえましょう。相手に迷惑になるなんていうことは考える必要はありません。「他力本願」ではありますが、苦手なことは、人に頼ってもいいと思います。

役だったこと・その3 目立ってみる

 あることで有名になったこと。ご存じない方もいらっしゃると思いますが、私は数年前にある冤罪事件で逮捕され、無罪が証明されるまで、マスコミにかなり露出しました。おかげで、パーティーなどでもたくさんの人が向こうから話しかけてくれるようになりました。逮捕されるのはお勧めの方法ではありませんが、趣味でも何でも、発信してみる、目立ってみるというのはどうでしょう。興味を持った人が、寄って来てくれるかもしれません。

役だったこと・その4 家族を作ってみる

 家族ができたこと。結婚して、子どもができて、今は孫ができて。家族との関係では「人見知り」はありませんからね。家族になりたい相手や、長く友人でいられる相手に巡り合えたら、ラッキーですね。

でも、あなたはそのままでも十分「強い」

 私が経験上思いつくのはこんなところです。でも、私は、今のままのあなたでもいいように思います。時々さみしかったり、つまらなかったり、他人がうらやましかったりするかもしれませんが、一人できちんと生きているということはそれだけで素晴らしいこと。あなたは「強い人」だと思います。

村木厚子(むらき・あつこ)
津田塾大学客員教授

 元厚生労働次官。伊藤忠商事社外取締役。1955年生まれ。高知県出身。78年に旧労働省に入省。2009年に郵便不正事件で逮捕されたが、冤罪とわかって無罪になり、厚生労働省に復職した。17年4月から現職。

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