「フライデーナイト」が忘れられない プライベートを楽しむ働き方をしたい!

お悩みアドバイザー・Drまあや

 10年近くアメリカを中心に海外で仕事をし、最近、生活の拠点を日本に移しました。日本の職場環境に違和感があります。
 
 アメリカでは、どんなに忙しくても金曜日の「フライデーナイト」を大切にしていて、ほとんどの人が午後5時までに退社してプライベートの時間を楽しみます。金曜日の午後になると、同僚とは週末をどう過ごすかの話で持ちきりで、充実した週末を過ごすために、平日は効率よく仕事をしていました。 日本にもプレミアムフライデーが導入されましたが、皆、率先して休みを取る様子もありません。
 
 働き方改革といっても、日本はまだ忙しいことが美徳とされていると思います。仕事に迷惑がかからないように効率よく柔軟に休みを取るのは、我慢しなければいけないのでしょうか。金曜日になると、いつもモヤモヤした気持ちになってしまいます。(ペンネーム・ちゃんこ鍋)

 A.モヤモヤのワケを考えてみるのもいいかもしれない

 「郷に入っては郷に従え」。古くからこのような言葉がありますが、多分、ちゃんこ鍋さんもこの悩みを周囲に話すと、「日本に帰ってきて、日本で働いているのだから、仕方ないじゃん」と何度も言われていますよね。

 医者の世界でも、アメリカへ留学に行くと、週末に研究室に来て仕事をしているのは日本人だけ、とよく聞いたことがあります。

 私がロンドンに留学していたとき、毎日夕方5時になるとパブに人が集まっていました。金曜や土曜日の夜は、女性陣はドレスアップし、いろんな年代の人がパーティーやクラブイベントに集まり、盛り上がっているのを見かけました。そして日曜は、公園でカップルや家族がまったりとした時間を楽しんでいました。日本とは違うプライベートな時間の過ごし方が認められている印象でした。

 日本では、仕事を切り上げて、プライベートを楽しむことは、「悪」と捉えられがちです。過労死が問題になり、昔に比べたら、残業時間の短縮、有給休暇の取得ができるようになった会社が増えているのでしょうが、依然として、仕事優先が当たり前の雰囲気です。内容はともかく、長く会社に滞在した人が、「優秀」と評価されてしまうことがまだあるんです。今年2月から始まった「プレミアムフライデー」もあまり浸透せず、否定的な会社が多いと聞きます。

 そんなことから、「ホワイト企業」「ブラック企業」という言葉が生まれる背景があるわけですよね。

 働き方を考える四つのポイント

 これからプライベートも充実させていく働き方を考える上で、進路は以下の四つがあると思います。

①実績を認められるようになったところで、仲間を見つけて、「働き方改革」を立ち上げる

 まず、まわりから信用してもらう必要があります。一生懸命働きつつ、徐々に欧米諸国と日本の働き方の違い、その中での会社にとってのメリット、デメリットをプレゼンテーションして、社内に仲間を徐々に増やしていく。労働組合なども巻き込むのもいいでしょう。最終的に、メリハリのある社内環境に改善させていき、ホワイト企業に率先して作り変える改革者になってもらうことです。かなり時間と労力が必要な方法ですが、パワーのある方なら、やりがいもあって良いのではないでしょうか。

②この際、空気を読まずに、仕事を終えたら、さっさと帰る

 環境を変える、なんて悠長なことを言っていられない。今の自分のプライベートの生活を楽しみたい。こんな人は、自分のすべき仕事をさっさと終えたら、みんなが残業していようと、「お先に」と帰る。周りに「これだから、帰国子女は……」と言われがちですが、そんなことは気にせず、やるべき仕事は最低限行っていることを主張。

 ただし、今後の社内での過ごし方が変わってくるか……?

③日本の社会になじんでしまい、気がついたら会社に……

 環境が変わると、人間最初は戸惑いますが、徐々に慣れていくものです。私も、ロンドンに行った直後は戸惑いも多かったのに、半年もすれば徐々に慣れて、過ごし方がわかってきました。

 帰国直後は、いろいろ文句もありましたが、1年くらいであっという間に「日本人仕様」に仕上がりました。慣れていってしまうんですね。ロンドンでの生活が約2年と短かったため、日本社会に戻るのがかなり早かったと思います。

 海外生活が長ければ長いほど、日本の環境に違和感が大きく、受け入れ難いかもしれません。とはいえ、日本で働くことを選択したのですから、慣れていくしかないのでしょうかね。いいのか悪いのか、徐々にプライベートを削ってでも、会社のために働く考え方に変わっているかもしれません。

④外資系へ転職

 一番手っ取り早い方法かもしれません。「フライデーナイト」を大切にしている会社に、自分の環境を変えるという選択もあるでしょう。

 それぞれの国の文化において、いい面と悪い面がある

 ロンドンから帰国後、1年近く日本での生きづらさを時々感じていて、「あ〜!ロンドンだったら、こんなことでいちいち言われないのに」「ロンドンだったら、こういうことを許してくれるのに」と考えてはイライラすることが多々ありました。

 でも逆に、ロンドンに住んでいるときは、「日本だったら、きっちり時間を守って対応してくれるのに」「日本だったら、もっと丁寧に扱うのに」とか、ロンドン人に対して、かなり不満が多かったです。

 結局、それぞれの国の文化において、いい面と悪い面があります。会社の体制の中でその日本の悪い面がちらつくのでしょう。業種によっても、いろいろ違うとは思いますが、例えばサービス業は、日本だったら平日も遅くまで、なんなら土日も対応してくれるのに、欧米諸国では平日の昼間、「シエスタ」があったり、「日曜日は休み」が普通だったり。この状況は、店や会社がプライベートを充実させているから、対応してくれないわけで……。「そんなに休んでんじゃねーよっ(怒)」とついつい怒ってしまいたくなりませんか?

 海外で経験したことを日本に還元してみよう

 ちょっと、きつい言い方をさせていただきますと、「アメリカだったら……」と言いたくなるのは、日本社会にうまく溶け込めない、言い訳だったりしていませんかね?

 なんなら、違う環境を知っている、ということで優位性を保ちたいこともあり、周囲を少し見下しているのでは……?

 何事も経験が多いほど、いろいろ視野も広がり、いろいろ考え方が変わります。であれば、あなたの経験したことを、日本のために還元する方法をぜひとも考えていただけるとありがたいです。

 ということで、①の方法を率先してやっていただくのはいかがでしょうか。

 とにかく、そんな面倒な「改革」に付き合っていられない、そんなに今の会社に思い入れがない、ということでしたら、④の外資系でなんとか自分の慣れ親しんだ文化の下、働いて対等に満足いくまで仕事とプライベートを充実させるのが良いでしょう。

Drまあや(ドクター・まあや)
脳外科医・ファッションデザイナー

 岩手医科大学医学部卒業後、慶應義塾大学脳神経外科に入局し、脳神経外科専門医取得。その後、日本外国語専門学校海外芸術大学留学科に入学し、翌年、ロンドンのセントラル・セント・マーチンズへ留学。帰国後に、脳外科医として働く傍ら、スタイリストのアシスタントを開始。2013年Drまあやデザイン研究所を設立し、2014年初個展「カラフルデブの挑戦」を開く。2015年にテレビのインタビューをきっかけにメディアに出演するようになる。著書に「カラフルデブを生きる-ネガティブ思考を強みに変える女医の法則40」(セブン&アイ出版)がある。

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