【お悩み相談】夫は転勤族、一緒についていく?

お悩み相談アドバイザー村木厚子

 初めまして。現在生まれたばかりの双子の男の子を育てています。夫は転勤族で、次の転勤には一緒に行きますが、どこで区切りをつけようか悩んでいます。夫は中学を卒業するまでという意見で、私は子どもがコロコロ学校を替わって順応できるのか、親友と呼べる存在ができるのか不安です。ただ、男の子なので反抗期、思春期に父親がいないのは少し悩みます。私は、子どもが父親より友達と離れたくないと言い出した時点で単身赴任かなと考えていたのですが……。転勤しないと、月収が下がり、子どもの教育費に響きます。親の意思のみで振り回してもよいのでしょうか。(ハンドルネーム:匿名希望)

私も別居経験者、別居を考えるヒントとコツをお伝えします

 初めまして。双子の男の子の子育てが始まったところなんですね。大変でしょうね。私の妹も双子の子育て(こちらは女の子です)に奮闘していたので、多少は想像がつきます。

 さて、転勤、悩ましいですね。

 我が家は、転勤による別居経験は1度だけ。娘が2歳から4歳までのおよそ2年半、私と娘は島根で、夫は長野で暮らしました。たまに会いに来る夫に、娘は自分のお箸で食べものを口に運んであげるほど大サービスをしていました。島根は風光明媚ふうこうめいび、人はとても親切で、食べものもおいしく、今でも島根での暮らしは素晴らしい思い出ですが、それでも、子どもの成長の大切な一時期を父子が離れて暮らすことの切なさを感じたことを思い出します。

単身赴任の決め手は「子どもの教育」「赴任先の人気度」

 私のこのわずかばかりの経験では、とても「転勤族」のご家庭の参考にはなりそうもないので、社外役員を務めている会社に、転勤事情を聞いてみました。すると、子どもが小さいときは一緒に動き、子どもの受験を意識するころから単身赴任が始まるとのこと。子どもが中学生のころから、ぐっと単身赴任の比率が上昇するとのことです。やはり、「子どもの教育」が一番大きな判断要素のようです。

 ただ、個別に話を聞いてみると、少し違った姿も見えてきます。子どもの教育のために単身赴任というのはあるけれど、実は、人気の赴任地と不人気の赴任地があって、不人気な土地への赴任のときはついてきてもらえないとか、転勤先で通っていた学校を変わりたくないと、お子さんだけ、あるいはお子さんと配偶者がその地に残ったとか。皆さん、いろんな事情で、結構柔軟に判断されているようです。

 おっしゃるように、子どもが小さいときは転勤について行き、お子さんの気持ちも尊重しながらその時々の事情に応じて別居のタイミングを判断するというのは、とても賢明な選択だと思います。

二つの大切なこと、「思い出」と「コミュニケーション」

 大切なことは、二つ。一つは、同居できる期間に、たくさん、家族で一緒に何かをした楽しい思い出を作っておくことです。親が自分や家族を愛していることがきちんと子どもに伝わっていれば、別居生活や難しい思春期も乗り切りやすいと思います。

 もう一つは、別居期間中の家族のコミュニケーションをしっかりとることです。我が家の別居生活は30年以上前のことですから、FaceTimeやSkypeのようなものは、もとよりありません。発売されたばかりの家庭用ファクシミリのようなものを使って、頻繁にコミュニケーションをとっていました。今はLINEなども含め、さまざまなコミュニケーション手段があり、工夫すれば、家族の会話はそんなに難しくないと思います。そもそも、同じ家に住んでいるから親子のコミュニケーションが取れているというものでもないですよね。

村木厚子(むらき・あつこ)
津田塾大学客員教授

 前厚生労働次官。伊藤忠商事社外取締役。1955年生まれ。高知県出身。78年に旧労働省に入省。2009年に郵便不正事件で逮捕されたが、冤罪とわかって無罪になり、厚生労働省に復職した。17年4月から現職。

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