【お悩み相談】「追っかけ」がライフワーク、お金が飛んでいきます

お悩み相談アドバイザー花房観音

 アイドルグループが好きで、休みのたびに「遠征」に出かけます。夫に言うと「また行くの?」と責められるので、仕事と偽って、日帰りで。若くてかわいい彼らのキラキラを浴びると、また頑張ろうと思えるのです。家賃や生活費は夫と折半ですが、自分が働いた分を結構つぎ込んでいます。追っかけは私のライフワークなので、やめられないのですが、お金がまったくたまらない。30代になって「こんなオバサンが好きになってごめんね」とも思うのですが、歯止めがかからない自分が怖い。私はこのままで大丈夫でしょうか(ハンドルネーム:悩めるセクガル)

A:輝く存在にはまる幸せ、30代こそキラキラが大事です

  大丈夫どころか、素晴らしいことだと思います。私の友人知人にも、30代、40代で、アイドルの追っかけをしている人は、たくさんいます。

 ちなみに、私はアイドルには興味がなく縁もないのですが、AVの世界に知り合いが多くて、男優さんのイベントにたまに行ったり、一緒にトークショーをしたりすると、お客さんはほとんど女性です。年齢は30代、40代ぐらいの方が多いように見えますが、話をしても、常識的で、ごくごく普通のきちんとした女性がほとんどです。正直、最初は、自分のことを棚に上げて「こんなイベントに来るなんて、どういう女の人なんだろう」とか疑問を抱いていたのですが、本当に皆さん、普通の人です。

 そして誰もが、楽しく、幸せそうです。自分の好きな男優さんに会うために、おしゃれをしてきれいにして、そして満足げに帰っていきます。

 あなたと同じで、輝きを発する存在と同じ空間で過ごして、「また頑張ろう」と日常に戻っていきます。きっと、そういう存在は、アイドルであれ、男優であれ、ミュージシャンやスポーツ選手であれ、元気の素なんだと思います。

 ただ家事や仕事をこなすだけの生活はしんどい

 みんな、それぞれ30代、40代になれば、ほとんどの女の人は、仕事や家庭や自分の将来等で、何かしら抱えています。若い頃のように、「女であること」の恩恵も受けられなくなってくる。独身だと結婚しろだのなんだの言われるし、結婚したら今度は嫁姑問題やら、子どもを産め産め攻撃やらが襲いかかってきます。仕事だって、居場所が無くなったり、転職するにしても選択肢が狭まっていく。身体も衰えていくし、30代、40代というのは、若い頃には想像もしなかっためんどうくさいものが押し寄せてきます。

 だからこそ、アイドルなどの輝く存在にはまる人が多いんだと思います。日常が大変だから、ただ家事や仕事をこなすだけの生活は、しんどいです。子育てや仕事が生きがいで充実しているという人もいるでしょうけど、そうじゃない人もたくさんいる。そんなとき、暗くなりがちな心を照らしてくれる存在を、無意識であれ探して見つけているのではないでしょうか。

人生の楽しみ方に男女差が見える

 私はバスガイドの仕事もして、中高年のお客さんと接する機会が多いのですが、女性は男性よりも、人生を楽しもうとすることにたけていると思います。定年退職されたご夫婦や女性同士が旅行に来られると、女性たちは景色を見て、観光をして、美味おいしいものを食べて楽しむことが上手です。男性は、それが下手な人が多い。自由時間があっても「どこに行ったらいいかわからん」とか、食事をする店を選ぶのも億劫おっくうがったりとか、終始何かしら文句をつけたりとか、楽しむことに不器用だな、と思います。

 女性たちが何でもいいから輝く存在を知り、追っかけるのは、人生の楽しみだから、どんどんやればいいぐらいに思っています。好きな人もいない、趣味もない、何の楽しみもない、しかも暇な人は、ロクなことをせず、他人へのやっかみや悪口が多くなるだけです。あなたが楽しんで幸せな気分になれるのなら、躊躇ためらわず追いかけつづけてください。

投資するなら手の届かぬ男、でもルールをもうけて

 そして私が「追っかけ」をすすめるのには、他にも理由があります。ひとつは、身近な男にはまって浮気をして家庭が崩壊したり、お金をだまし取られたりする心配はないからです。私は、過去に結構な額のお金を男にだまされ持っていかれサラ金に手を出して大変なことになりましたが、実在はするけれど手の届かない「アイドル」なら、その心配はありません。ただ、それでもお金はかなり使うでしょうから、「借金をしない」「ひと月に使うお金は〇〇円」というルールをもうけたほうがいい。自分の中でだけのルールなら甘くなってしまうでしょうから、夫にもそれを宣言しましょう。家族があなたの歯止めです。

 キラキラした存在から元気をもらって、毎日楽しく過ごしてくださいね。

花房観音
花房観音(はなぶさ・かんのん)
作家

 京都市在住。京都女子大学中退後、映画会社、旅行会社などに勤務。2010年「花祀り」で第1回団鬼六大賞を受賞し、作家デビュー。12年に発表した「女の庭」など、女の性愛や情念を描いた作品で注目を集める。近著に「わたつみ」(中央公論新社)、「楽園」(中公文庫)、「色仏」(文藝春秋)など。花房観音HP花房観音御開帳

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