仕事で疲れ、彼もいない。先の幸せが見えません

お悩み相談 アドバイザー・花房観音

 30代の前半の独身女性。周りは次々に結婚し、出産した友達もいて、私だけが取り残されています。職場は忙しい立ち仕事で、足がむくみ、翌日になっても疲れています。家と職場を往復するだけの毎日で、あまり楽しいこともありません。開運を願ってパワースポット巡りに出かけたり、婚活サイトをのぞいてみたりしていますが、この先の幸せが見えません。付き合った男性もいましたが、うまくいかず、彼と別れてからは一人です。こんな毎日がずっと続くだけで私の人生が終わってしまうのかと怖くなります。人生で一番きれいで輝いている時かもしれないのに、好きになってくれる人もおらず、この先に幸せがある気がしません。何か変化が起きてほしいのですが、どう頑張ればいいかわからず、日々が過ぎるばかりで焦っています。(ハンドルネーム:Honey)

幸せを運ぶ「誰か」は来ない 疲れた自分を幸せにするのはあなただけ

 まず、最初にふたつ、はっきりと言います。あなた以外の誰かが、あなたを幸せにしてくれることは、ありません。「好きになってくれる人もおらず、この先に幸せがある気がしません」と書かれているのをはじめ、あなたの悩みからは、誰かが自分を幸せにしてくれるはずだという考えがうかがえますが、そう思っている限りは幸せにはなりません。他人はあなたの幸せのきっかけになることはあるけれど、あなたを幸せにしてくれはしません。自分以外の誰かを幸せにするなんて重荷は、誰も背負えませんから、それを人に期待なんてしてはいけないし、されたほうは逃げます。

 そしてもうひとつですが、「どう頑張ればいいかわからず、日々が過ぎるばかりで焦っています」とありますが、あなたは自分は頑張りが足りないと思っているのでしょうか。だとしたら、それも間違いです。あなたは、頑張っています。翌日に疲れが残るほどの忙しい立ち仕事をされているんですね。それだけで、もう十分に頑張っているでありませんか。私もバスガイドという立ち仕事をやってきましたから、立ち仕事のしんどさがわかります。あなたが、そうやって生活の糧を稼いで日々を過ごしているということだけで、すごいことです。これ以上、仕事以外の他の何かを頑張ろうなんてしたら、更に疲れます。身体が疲れるだけではなく、心も疲れているはずです。だから、「自分だけが取り残されている」という焦燥感に駆られているのではないでしょうか。

 あなたはもう十分頑張っているから、これ以上、頑張らなくていい。それよりも、疲れた自分のために、息抜きを、楽しいことを見つけましょう。身体の疲れには睡眠が一番ですが、心の疲れに必要なのは、「楽しみ」です。身体に栄養が必要なのと同じく、心にも栄養を与えないと病んでしまいます。

 パワースポット巡りに行くならば、開運を願うよりも、違う街の光景や、その土地の美味おいしいもの、そのパワースポットの歴史などを知って、旅行そのものを楽しんでください。映画や、お芝居をに行くのでもいい。何か趣味や、自分が楽しいと思えることはありませんか? そのために時間やお金を使うということを大事にしてみませんか。

 「楽しみ」を見つけ、そこからもっと楽しいことを広げていき、同じ楽しみを持つ人と出会う場所に行く機会を増やすことをおすすめします。今の時代はネットのおかげで、そういう共通の趣味を持つ人のコミュニティーが見つけやすいです。オフ会でも、トークショーやイベント、飲み会でも、一度参加して、合わないと思ったら、行くのをやめて、また次のを探せばいいだけの話です。あなたは独身で彼氏もいないのなら、休日をそういう場所に行く時間に割いても、気遣ったりする必要はなく、自由なのですから。

 そこでまず話の合う人、悪くないなと思える人がいたら、ためらいなく交流しましょう。最初から好意は持たずとも「嫌いじゃない」相手とならばどんどん話す機会を作りましょう。婚活サイトやお見合いパーティーよりも、そちらのほうから生まれる「出会い」のほうが、楽しい時間も過ごせるし一石二鳥のような気がします。

 そして「好きになってくれる人もおらず」と書かれていますが、いくら好かれても、自分のほうが好きにならないと「恋愛」ではありません。好きな人ができない、ではなく、「好きになってくれる人もおらず」という言葉からは、自分が傷つきたくない「逃げ」を私は感じます。傷つくというリスクを背負わない恋愛なんて、存在しません。あなたが本気でそう思っているのなら、あなたが何かしら傷ついて臆病になり、恋愛を避けているのです。

 恋愛が怖いのなら、恋愛のことは今は置いておきましょう。恋愛なんて無理してするものではありません。恋愛は人と出会い対話を重ねるうちに生まれてくる自然な感情です。

 それよりも、自分のために「楽しい」と思えることに時間を費やしましょう。何か好きなものを持って、日々を楽しんでいる人は、魅力的です。そんな場所で多くの人と出会うことが、あなたの未来の幸せのきっかけになるのではと思います。

花房観音
花房観音(はなぶさ・かんのん)
作家

 京都市在住。京都女子大学中退後、映画会社、旅行会社などに勤務。2010年「花祀り」で第1回団鬼六大賞を受賞し、作家デビュー。12年に発表した「女の庭」など、女の性愛や情念を描いた作品で注目を集める。近著に「わたつみ」(中央公論新社)、「楽園」(中公文庫)など。花房観音HP花房観音御開帳

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