「男友達」を好きだと自覚したら、結婚前に思いを伝えるべき?

恋活小町

「友達を今更好きだと自覚した」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。20歳代後半のトピ主さんには、この10年ほどとても仲良くしてきた“唯一無二”の男性の友人がいます。ところが、彼が結婚するかもしれないと聞き、かなり落ち込んでいるそうです。「何も気付かないフリをして友達のまま過ごすか、告白した方がいいのか」と悩んでいます。

「友人」を続けても、遅かれ早かれ疎遠になる可能性も

彼の結婚は、交際している彼女から「年齢的に考えてほしい」と言われた段階で、まだ本決まりというわけではない様子。投稿には「彼は友人関係が結構ドライな方ですが、私とは結構親密な関係を築いてきた」「今でも有給とって私と遊んでくれたりします」といった記述もあり、トピ主さんと彼は、お互いに特別な友人だと感じている印象を受けました。

それでも、彼が別の女性と結婚をした場合、遅かれ早かれ、今のような頻度で会うことは難しくなるように思います。個人差はありますが、配偶者以外の女性の友人のために有休をとって遊ぶ……といったことは、多くの場合、配偶者の理解を得るのが難しいでしょう。彼自身も家庭の都合に合わせるようになるでしょうし、彼女のほうが「二人きりで会わないで」「連絡を取るのをやめてほしい」などと言ってくる可能性も。そういった際、大半の男性は、パートナー女性の意向を尊重するのが常です。

友人関係には恋人関係のような明確な「別れ」がないので、何年も会わずとも「友達」でいることは可能ですが、距離感はその時々で大きく変わりますよね。相当に仲が良い相手でも、結婚すれば年に1回から数回会う程度になり、基本的には「元気と幸せを願う友達」という位置付けになっていくケースが少なくありません。何より、彼を好きだと気づいてしまった以上、結婚した相手と二人きりで頻繁に会うことは、トピ主さんにとってのリスクや負担になってしまう気もします。

「告白をしたらしたで後悔するのか? 今後一生会えなくなるのか?」という問いかけもしていますが、このように考えていくと、「友人関係を失いたくないから告白しない」という選択肢は、トピ主さんにとってあまり得るものがないように感じました。

「今よりも近い関係」になりたいかどうか考えてみよう

ただ、告白する前には、「彼と本当に“恋人”になりたいのか?」という点は、一度自問してみるといいかもしれません。「(彼が)誰かのものになっちゃうのがショック」という一文があるので、もしかしたら大好きな兄弟を別の女性に奪われる時のような、あるいは推している芸能人が結婚した時のような、一時的なジェラシーや寂しさを感じているだけかもしれません。

加えて、いざ恋人になってみたら「友人関係のほうがよかった」と思ってしまう可能性はゼロではありません。恋愛や結婚に対しては人それぞれロマンや理想像を持っており、友人としては見せなかったような感情や表情、態度を見せることもしばしば。ドライに見える彼でも、恋人には甘えるタイプかもしれませんよね。結婚や家庭に関する価値観があまりに違っていれば、「気は合うけど、人生のパートナーにはなれない」ということもありえます。

これらのことを踏まえた上で、「今の関係を失いたくない」ではなく、「今より彼と近い距離になりたい」「恋人としての彼の顔も知ってみたい」と思えるかどうか――。もし、この問いにイエスならば、いま勇気を出して告白をしておかないと、この先ずっと後悔してしまう気がします。しっかり本気の覚悟を持った上での告白ならば、仮に彼の答えがノーでも気分はスッキリするでしょうし、建前上、「わかった、じゃあ友達として幸せを祈るね」という立場に戻ることは不可能ではないと思います。

「情熱」だけに頼らない愛情は、安定して長続きしやすい

友人も恋人もお互いを認め合い、人間性を受け入れ合って成り立つ関係ですが、「思い焦がれ、相手を渇望するような情熱の有無」という点で違いがあります。「恋人やパートナーになるには情熱が不可欠」というイメージがありますが、人生を長い目で見れば、そうとも限らない、という見方もあります。たとえば、哲学者カントは、情熱と愛は同じではないので区別すべき、と論じています。「情熱」は理性の力を奪い、ある種“取りかれる”もので、はかなく病的であるが、「愛」は理性的で安定していて、持続性のあるものだ……と(参照:マリー・ロベール著・山本知子訳「だったら哲学があるじゃない!」=双葉社刊)。

確かに、情熱をベースにした恋愛は激しく燃え上がるものの、永続しないケースが多い事実を考えれば、友情のような“理性ある穏やかな愛情”を土台にした関係性は、人生のパートナーとしては最適という見方もできます。そういった意味で、人間性も丸ごと含めて彼を大切に思い、「これからの人生も一緒に過ごしていきたい」という思いがあるならば、その申し出をしてみることにためらう理由はないように思いました。彼への思いがどのくらい確かなものなのか、まずはしっかり、ご自身の胸の内を探ってみるといいかもしれませんね。応援しています。

発言小町のトピはこちら⇒「友達を今更好きだと自覚した」 

外山ゆひら(とやま・ゆひら)
フリーライター

哲学や心理学、芸術文化の分野に関心が高く、対人関係やコミュニケーション、生き方に関する記事を中心に寄稿。産業カウンセラー・心理相談員資格有。