どうする? 仕事と出産(3)妊活 40代になっても産めますか?

「どうする仕事と出産」セミナー

 トークショー
 そんひょんさん(丸の内の森レディースクリニック院長)
 東尾理子さん(プロゴルファー)
 白河桃子さん(少子化ジャーナリスト、作家)
 司会 大手小町編集長・大森亜紀

意見を交わす(左から)宋、東尾、白河の3氏(昨年11月28日、読売新聞東京本社で)=高梨義之撮影

なるべく早くトライしよう…宋美玄さん

 宋 いつ始めればというのはもちろん、早いに越したことはないのですけれども、実際、患者さんとかとお話ししていると、早く欲しいんだけど職場に迷惑をかけられないみたいな。でも、誰にも迷惑をかけず、「よし、今ならスムーズにいくぞ」っていう時期を待っていたら、それこそ40歳ぐらいになっちゃうと思うんですよね。別に迷惑をかけても、もういいじゃん、なるべく早めにトライしようぜ、なんて思いますけれども。

 大森 自分にとってベストなタイミングをみんな知りたいのではないでしょうか。事前にいただいた質問にも、「定年まで働く女性にとって出産適齢期はいつごろだと思いますか」、「個人差はあると思いますけれども、何歳ぐらいまで妊娠を考えたらいいですか」というようなものがありました。

そうなったときがベスト…東尾理子さん

 東尾 私は、医学的なことは別として、そうなったときをベストにするしかないなと。今の自分が10年前の自分を見たとして、あれはこうしたほうがよかったかなあ、違うほうがよかったかなと思うことがあるかもしれないけれども、それは10年たった今の私の価値観や考え方から見てのことです。10年前の自分は、そのときにできるベストの選択を絶対にしてきているはずなのですね。

 私は結婚したのが33か34歳頃で、第1子が36だったのですけれども、妊娠には適齢期があると知ったのは結婚した後だった。「えーっ、そんな」と思ったんです。けれども、時すでに遅しなので、「20代で一生懸命仕事をしてきたからこそ、今こうやって治療に取り組めるんだな」と考えました。私が子供を持つベストのタイミングは、この36歳というときだったんだろうなと思っています。

 大森 不妊で医療機関に行くこと自体がハードルだと感じている人も多い気がします。受診すべきという目安はありますか?

 宋 一応、不妊の定義は1年です。けれども、30代前半までは1年ぐらい、30代後半だったら半年ぐらい、40代だと2〜3か月でしょうか。

 東尾 2年前までは、不妊の定義って2年って言われていたでしょう。

  それが1年に早まって。でも30代後半は、そんなにのんびりしないでね、ということ。

 東尾 高齢出産の定義が30歳から35歳になったでしょう。その時点で、妊娠・出産って遅くなっても大丈夫なんだと、暗にみんなに思わせたんじゃないのかな。

40代で挑む人が増えている…白河桃子さん

 白河 でも、平均で産んでいる第1子が今30.1歳。30歳だったら日本人のほとんどが高齢出産じゃない。

 宋 そう。避妊も中絶もなかった時代は、40代後半まで、産める人はうわーっと産んでいて。1970年代と今を比べると産む年齢が後ろにシフトしているように見えるんですけど、それは日本人が2〜3人しか子供を産まなくなったからそうなのであって、もっと昔の人口動態統計をとり始めたころは、10代から40代後半まで、すごく産んでいたわけ。それも「経産婦だから産めるんでしょう」みたいなことを言われますけれど、関係ないんですよ、別に。

 白河 これはやっぱりヒトの体が進化しているわけではなく、トライする人が増えたせいかなと私は思っていますね。

 宋 体外受精までした方が妊娠率は上がっていますよね。でも、(増え幅は)ちょっと。

 白河 このちょっとを上げるために、ものすごい医学の進歩があったんですよね、実は。

宋 美玄(そん・みひょん)

 産婦人科医。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「内診台から覗(のぞ)いた高齢出産の真実」(中公新書ラクレ)など。子育てと産婦人科医を両立し、様々な女性の悩み、性、妊娠などについて、女性の立場から積極的な啓発活動を行っている。ヨミドクターでコラム「宋美玄のママライフ実況中継」を連載中。

東尾 理子(ひがしお・りこ)

 2009年に俳優の石田純一さんと入籍。仕事と子育てをしながら、妊娠を望む人たちの助けになりたいとNPO法人FINE のピア・カウンセラーの資格を取得したほか、妊娠や出産についての正しい知識を伝える活動「うむうむプロジェクト」の立ち上げに関わる。13年に、輝いた母親に贈られる「第1回マタニティ・オブ・ザ・イヤー」を受賞。プロ野球の元投手・監督の東尾修氏を父に持つ。

白河 桃子(しらかわ・とうこ)

 相模女子大学客員教授。「働き方改革実現会議」「一億総活躍国民会議」の有識者議員も務め、女性のキャリア、働き方改革などをテーマに発信。「『婚活』時代」(山田昌弘共著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)で「婚活ブーム」の火付け役に。著書に「妊活バイブル」(共著、講談社+α新書)、「後悔しない『産む』×『働く』」(共著、ポプラ新書)など。OTEKOMACHIでコラム「スパイス小町」を連載中。

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