特別展「きもの KIMONO」…日本独自の美の世界

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中世以来の日本のモードの変遷と各時代の「きもの」の魅力を紹介する特別展「きもの KIMONO」が、東京・上野公園の東京国立博物館で開幕。鎌倉時代の染織、室町~安土桃山時代、江戸時代の華やかな小袖、振り袖や近現代のモダン着物、さらに「きもの」を描きこんだ屛風や浮世絵など、国宝、重要文化財を含む約300件が東京国立博物館に集結しました。

「きもの」、表舞台へ

平安貴族の「小袖」は下着でしたが、時代を経るにしたがって表着うわぎとなり、安土桃山時代には装いの表舞台に躍り出ます。きものをまとった遊女たちは、ファッションモデルのような存在だったともいわれています。

安土桃山時代から江戸時代にかけてのモードを一望する

花開く江戸時代の「きもの」

江戸時代に入ると、元禄小袖、友禅染ゆうぜんぞめ、光琳模様などが次々に生まれました。縫箔ぬいはく金紗きんしゃがもてはやされたり、それらが禁止されると友禅染が発達したりするなど、技法の変化も背景にあります。裾の長さ、帯の幅など形状の変化も見どころのひとつです。

「江戸のミニマリズム」と名付けられたセクション
大奥でも華麗な衣装が登場した
「小袖 萌黄紋縮緬地雪持竹雀模様 天璋院篤姫所用」(右)(江戸時代・19世紀 東京 德川記念財団)

男の美学

戦国三武将の「サムライの美学」や「若衆風」ファッション、火消半纏ひけしばんてんなど男の装いも紹介され、展示にアクセントを与えています。

左から、「陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様 織田信長所用」(安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵)、「陣羽織 淡茶地獅子模様唐織 豊臣秀吉所用」(安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵)、重要文化財「胴服 染分平絹地雪輪銀杏模様 徳川家康所用」(安土桃山時代・16~17世紀 東京国立博物館蔵)

モダニズムきもの

近代の着物を紹介する「モダニズムきもの」は、天井の高さを生かした空間演出も見ごたえがあります。

YOSHIKIさんも出品

「X JAPAN」のリーダーのYOSHIKIさんのきものブランド「YOSHIKIMONO」の作品も出品されています。YOSHIKIさんは呉服屋の長男として生まれ育ち、約10年前からきもののデザインを手がけ、2020年2月にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で始まった着物展でも作品が展示されています。

YOSHIKIMONO 展示風景

音声ガイドは鈴木拡樹さん

音声ガイドのナビゲーターは舞台を中心に映画、テレビで活躍中の俳優・鈴木拡樹さん。「普段きものにふれる機会のない方にも、今回の展覧会でその美しさにふれていただきたいなと思っています」というメッセージを寄せています。

特別展「きもの KIMONO」

会期:6月30日(火)~8月23日(日)
※会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。
※オンラインでの日時指定券事前予約制(日時指定券)。詳細は公式サイトで。

特別展「きもの KIMONO」公式サイト
東京国立博物館

【スペシャリスト 鑑賞の流儀】
作家の大岡玲さんが、特別展「きもの KIMONO」の魅力を語ります。 こちら→