南アフリカ旅行の定番 山と海に抱かれたケープタウンへ

リフレッシュ! 極上旅

ケープタウンは南アフリカ第2の都市。青く澄み渡った空と白いビーチ、有名なテーブルマウンテン、大規模なショッピングコンプレックス、高層ビル群と、その表情は多彩です。治安が良く、地中海性気候のため、1年を通して快適に過ごすことができるから、旅のしやすさも抜群。優しい海風を感じながら、洗練された街を歩きました。

自然を楽しみ、ショッピング天国の大都会を満喫

近代的な都市としての機能を持つ一方で、風光明媚(めいび)なケープタウンは、人気のデスティネーション。世界の観光地ランキングでは常に上位にランクインし、シーズンを問わず各国からの旅行者でにぎわっています。

アフリカ大陸最南部のこの地を、貿易船の補給基地としてオランダ東インド会社が開発したのは1652年のこと。ケープタウンから北へ北へと、たくさんの街ができていったことから、「マザー・シティ」と呼ばれています。

青い空と海、そして大都会が共存するケープタウン

街のどこからでも眺められるのが、有名なテーブルマウンテン。その名は、山頂が約3キロにわたってテーブルのように平らであることから付けられたのだといいます。その奇抜な形もさることながら、高層ビルの向こうに標高1086mの山が堂々とそびえる景観は、どこか神秘的です。初めて訪れたときは、都心の真ん中に日本百名山の山があるような、不思議な感覚でした。

晴れていれば街の至る所から見渡せるテーブルマウンテン。山頂付近に雲や霧がかかることを、地元の人は「テーブルクロス」と呼ぶのだとか

テーブルマウンテンの山頂は、街の全景を眺める絶景スポットです。65人乗りの巨大なゴンドラを利用し、わずか2~3分で山頂に到着するので、街歩きの合間に気軽に行くことができます。山全体が国立公園に指定されているテーブルマウンテンでは、野生動物に遭遇することも。私は山頂を散策中、ロックダッシーと呼ばれる、ウサギに似たかわいらしい動物が日光浴をしているのを見かけました。

テーブルマウンテンの山頂から絶景を満喫
山頂ではかわいらしい動物に出会うことも

自然を満喫し、ふたたびゴンドラで麓に戻れば、そこは大都会。中心部には洗練されたカフェやブティックが並び、スーツ姿でビシッと決めたビジネスマンやビジネスウーマンが行き交います。一見するとヨーロッパの街のようだけれど、イスラム風の服を着ている人もいれば、頭にターバンを巻いた人も見かけました。聞こえてくる言葉は英語だったり、聞いたことのない言語だったり。街を数分歩くだけで、公用語が11言語もある多民族国家・南アフリカを実感します。

そのなかで異彩を放つのは、ボカープ地区。ケープマレー(17世紀に入植したオランダ人開拓者が、マレーシアやインドネシアなどから労働者として連れてきた人たちの子孫)が暮らす住宅街です。イエローやパープル、ペパーミントグリーンと、カラフルな壁の家が並ぶ風景は、まるでテーマパークのようです。フォトジェニックな場所であることから観光客の姿も多いのですが、ここはあくまでも生活圏。家の中からは、スパイシーなマレー料理の良い香りが漂ってきます。

ケープマレーの人たちが暮らすボカープ地区には色とりどりの家が並ぶ

散策だけでなく、ケープタウンは買い物も楽しめる街。お土産を買うのに便利なスポットが、かつての港を再開発した「V&A Waterfront(ビクトリア&アルフレッド・ウォーター・フロント)」です。アフリカ大陸最大規模のショッピングコンプレックスとも言われ、観覧車から映画館、ショッピングモールにレストラン、ブルワリーなどが集結しています。

路上パフォーマンスも盛んな「V&A Waterfront」は歩くだけでも楽しい

ショッピングモールには、コスメや雑貨、衣類、生活用品までそろい、そのラインアップも、国産ブランドから外資系の高級ブティックまでとバラエティー豊か。大きなスーパーマーケットもあり、特産のワインやオリーブオイルなどの食材を購入できます。私はケープタウンに来るたび、ここでお土産や自宅で使うアフリカン雑貨をそろえています。

あの有名な絶景スポットまで、都心からドライブ!

ケープタウンを訪れるのなら足を延ばしたいのが、都心部から車で約1時間のケープ半島。ここには、美しい白浜が広がるキャンプスベイ、アフリカ大陸最南西端の喜望峰、大西洋とインド洋が出合うケープポイント、野生ペンギンが暮らすボルダーズビーチなどの景勝地が点在しています。

ケープタウン市内からそれら景勝地に至るまでの湾岸ルートも絶景! なかでも、ホウト・ベイからノード・フックまでの9キロの道は、BMWのCMでも使われたこともある、世界有数のドライビングコースです。

「この湾岸ルートを、潮風を切って走ってみたい!」という、ペーパードライバーである私の願いをかなえてくれたのが、サイドカー(オートバイの横に車台を取り付けた乗り物)でのドライブでした。といっても、免許や運転スキルは不要。運転はプロのドライバーに任せ、バイクの後部座席またはサイドカーに座って楽しむアクティビティーがあるのです。主催する「CAPE SIDECAR ADVENTURES(ケープ・サイドカー・アドベンチャーズ」のウェブサイトで予約できるうえ、レザージャケットやヘルメット、ゴーグルも完備されているので、気軽にトライできます。

「ケープ・サイドカー・アドベンチャーズ」のマスコット犬もドライブを満喫

ケープタウンの都心にあるホテルを出発し、気持ちの良い海沿いを15分ほど走ると、最初の立ち寄りスポット、キャンプスベイに到着します。雄大な山に囲まれた中に、白く輝く砂浜と青い海が広がるメイデンズコーブというビーチで、しばし撮影タイム。周辺はハリウッドのスターが別荘を構える高級リゾート地でもあり、海岸線を見渡す丘には、瀟洒(しょうしゃ)なペントハウスやデザイナーズマンションが立ち並んでいます。

ハリウッドスターの別荘もあるキャンプスベイのメイデンズコーブ

ここから先も絶景続き。左手には「12使徒」と呼ばれる切り立った山脈、右手には大西洋……。なんだか映画のワンシーンに飛び込んだような気分です。

途中、ジョギングやツーリングを楽しむ人々と何度もすれ違いました。ご近所さんらしき散歩中の人も見かけます。ケープタウンの都心に勤める人の中には、海と山に恵まれたこの一帯に住まいを構え、自然を満喫しながら暮らす人も多いのだそう。なんてうらやましい!

ケープ半島きっての有名スポットが喜望峰。その名の由来は15世紀にさかのぼります。1488年、ポルトガル国王の命で貿易ルートを探るべく航海していた探検家バルトロメウ・ディアスが、嵐に遭い漂流。その時に偶然、この岬を知ったことから、ここを「嵐の岬」と命名しました。ところが、ポルトガル王は航路発見の手がかりが見つかったと、喜びと希望の気持ちを込めて「喜望峰」と改名したのです。その後、ヴァスコ・ダ・ガマがこの岬を経由して貿易ルートを確立すると、ポルトガルは大繁栄。喜望峰は名実ともに、喜びと希望を与える存在となりました。そんな大航海時代のロマンを知ると、目の前の景色がより壮大に感じられます。

一度は訪れてみたい喜望峰(左)、右手は大西洋、左手はインド洋。二つの大海が目の前で交わるケープポイント

ちなみに、ここがアフリカ最南端と誤解されることもありますが、実際は最南西端に位置しています(最南端は、ここから約150キロ南東にあるアグラス岬)。

喜望峰を望む絶好のロケーションにあるのが、丘の上のケープポイント。かつて大海原を照らす灯台があった展望スペースまで上れば、片側に大西洋、片側にインド洋という貴重な絶景を眺めることができます。

そんな雄大な風景もあれば、心が和む風景もあります。ボルダーズビーチでは、目の前をペンギンがヨチヨチと歩く姿に癒やされます。ペンギンは飼われているのではなく、すべて野生。ある時、1組のつがいがこの地を気に入って暮らし始めたところ、次々と仲間が住みつき、今や200羽以上がここに生息しているのだそうです。

ボルダーズビーチに暮らす野生ペンギンの群れ。ボードウォークから彼らを観察できる

地元の人たちは、ビーチは占領されるし、庭でフンをされるし、ブーブーと鳴くので、ちょっと迷惑しつつも、優しく見守りながら保護活動をしているのだそう。そんな話にも、ほっこりとした気分になります。

さて、ケープ半島での観光を1日楽しんで都心に戻っても、まだまだ時間はたっぷり。夕刻のケープタウンでぜひ楽しみたいのが、海に面したバーでのひととき。私は夕日観賞スポットとして知られる「Radisson Blu Hotel Waterfront(ラディソン・ブル・ホテル・ウォーターフロント)」のバーに立ち寄り、テラス席で夕日を眺めながら食前酒を楽しみました。

「ラディソン・ブル・ホテル・ウォーターフロント」から眺める夕景。旅行者でも利用しやすく、サンダウナーの名スポット

治安が良いケープタウンは比較的、夜遅くまでレストランがにぎわっているので、ディナーものんびりと楽しむことができます。気持ちの良い自然も洗練された都会も1日のうちに楽しめるケープタウンは、何度訪れても飽きることがありません。

南アフリカ観光局
CAPE SIDECAR ADVENTURES

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芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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