グルメも芸術! マカオのアートな広東料理

リフレッシュ! 極上旅

ミュージアムやホテルのパブリックスペース、そして街中で、ふんだんにアートが楽しめるマカオ。もちろん、この街を訪れるのなら、素晴らしいグルメもはずせません。この旅では、食事もアートを感じられるものを選んでみました。

ビジュアルにこだわるディナー

マカオの旅で、誰もが楽しみにしているのが、グルメだと思います。なんといっても、マカオはユネスコの「食文化創造都市(シティ・オブ・ガストロノミー)」に認定された街。ポルトガル料理に本場の広東料理、飲茶、そしてマカオ料理。街中のローカル食堂からミシュラン星付きのファインダイニングまで、食のチョイスは無限大なのです。

ガチョウのローストは、マカオで食べたい豪快な広東料理

限られた時間のなかで何を食べようか迷うところですが、アートをテーマに旅をするなら、おいしさだけでなく、料理のビジュアルやインテリアにこだわってレストランを選んでみるも一興。

前回(マカオのホテルで楽しめる、貴重なアートコレクション)にも書いた、パブリックスペースのアートが魅力的な「永利皇宮(ウィン・パレス)」には、インテリアも料理の盛り付けも格別なファインダイニング「永利宮(ウィンレイ・パレス)」があります。

中国では幸福を意味する翡翠(ひすい)とゴールドをふんだんに使ったインテリアが、気分を盛り上げてくれる

ホテルと同様に花をモチーフにした内装は、ゴージャスながらも上品な雰囲気。席にはオペラ劇場の観客席のような段差があって、どのテーブルを選んでも、一面の窓の外で繰り広げられる噴水ショーを眺めながら食事をすることができます。なんだかディナーショーを楽しんでいるような贅沢ぜいたくな気分。

噴水ショーを眺めながら食事を(写真:マカオ政府観光局)

このレストランには中国茶ソムリエもいて、さまざまなお茶を提供しています。乾燥させたバラと桂花(キンモクセイに似た植物)を入れたウーロン茶は、「クセがあるかも?」と思いきや、すっきりとして飲みやすく、食前にぴったり。

食前にお茶をいただき、優雅な時間を楽しむ

コース料理でいただいたのは、子豚の丸焼き、ガチョウ、タロイモ、ホタテ、魚の浮袋、ロブスター、トリュフ、キャビア、はすの実など、広東料理を代表する食材の数々。前菜、スープ、蒸し物などどれもが丁寧に作られていますが、なかでも点心やデザートは宝石のような見栄えで、食べるのが惜しいほどでした。

蓮の実やタピオカを使った、広東料理らしいヘルシーなデザート

エグゼクティブシェフは、譚國鋒さん。広東料理の源流ともいえる中国・順徳の出身です。柔らかな雰囲気の料理に、シェフの柔和な人柄がうかがえます。

ミシュラン星付きのレストランで優雅に

「永利宮」と並んで、私が個人的にマカオの二大広東料理店だと思っているのが、「澳門四季酒店(フォーシーズンズ・ホテル・マカオ・コタイストリップ)」のシグネチャーダイニング「紫逸軒」。ミシュランの星付きであることを抜きにしても、料理は素晴らしく、夢見心地にさせてくれます。

「紫逸軒」を擁するホテルのロビーはシックで優美な雰囲気。ここを通るだけでも気分があがる!

エグゼクティブシェフは張志才さん。上海で育ち、17歳で香港に渡り、厳しい修業を経てシェフになった方です。伝統を大切にしながらも、独創的なアイデアが料理のあちらこちらにちりばめられていて、広東料理の底力と将来性をひしひしと感じます。

チャーシューや子豚の丸焼き、アワビの酒蒸しを乗せた前菜プレートは、オブジェを思わせる繊細な作り。つばめの巣とロブスターの蒸し餃子などの点心類も、パクッと一口でいくのをためらうほどの美しさです。食べるのがもったいない……と思いながらも口に含めば、さらに幸せな気分に。

まるでオブジェのような前菜のプレート
ひとつひとつを吟味したくなる点心

ちなみに、めくるめくゴージャスな広東料理の世界に没頭し、「食べすぎてしまった!」というときも、「フォーシーズンズ・ホテル・マカオ・コタイストリップ」のゲストなら、ホテルのジムを24時間いつでも利用できるので安心(?)です。

実は、マカオには農産業がなく、食材はすべて中国や外国から輸入しています。それにもかかわらず、これほどの料理ができるのは、世界からりすぐりの食材を仕入れる目利きと、地域の経済力のなすところ。世界のおいしい食材と一流のシェフが集結しているのも、今のマカオならではなのです。

マカオ政府観光局

【オススメの関連記事】
マカオのホテルで楽しめる、貴重なアートコレクション
小さなマカオだから楽しみたい! 個性派ミュージアム探訪
気軽にマカオ旅 街を彩るアートを楽しむ
リフレッシュ! 極上旅

芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

JOURNAL HOUSE