クルーズの一番のメリットといえば、洋上ライフを楽しんでいる間に次の港に到着すること。移動の疲れもなく、時間を有意義に使うことができます。クルーズの2日目はペナン島(マレーシア)に寄港。美しい街並みをたっぷりと堪能しました。
ビュッフェから飲茶まで、朝食のチョイスも迷うほどたくさん!
シンガポール発着3泊4日のクルーズ2日目、乗船時の興奮冷めやらぬまま迎えた朝は、気持ちのいい天気。午前中は、船旅の醍醐味ともいえる船上の屋外エリアを散策してみました。温暖なエリアを航行している「ゲンティン ドリーム」は、プール周辺の設備も充実しています。

過ごし方はゲストそれぞれ。メインプールにあるジャクジーでくつろぐ人、ボードウォークをジョギングする人、カバナ(テント風のプライベート空間)で読書をする人……。誰もが思い思いにさわやかな朝の空気を楽しんでいる様子でした。
朝食も、選択肢は豊富です。ビュッフェスタイルの「リド」、セミビュッフェスタイルのほかに飲茶のコースを提供する「ドリームダイニング Upper/Lower」など、無料のレストランだけでも3タイプあります。

早朝から夜まで空いている有料のカフェやレストランなら、ゆっくりと寝坊してブランチをとることも可能です。「ブレッドボックス」で焼きたてのパンやペイストリーを買って客室のバルコニーで食べるもよし、開放的な「ロビーカフェ」でカジュアルなブランチを楽しむもよし。「ロビーカフェ」では、シンガポールの定番朝食メニュー、カヤトーストを発見! アジアの街中にいるような気分になれて、大満足です。
船内での支払いはすべて、「アクセスカード」を提示してサインするだけ。このカードは、ルームキーと身分証明機能、クレジットカード機能を備えています。船で使ったお金は下船前に一括精算となるので、お財布を持ち歩いたり、外貨に両替したりする必要はありません。これはラクチン。
こうして時間を過ごしている間に、船はペナンに入港。英語でのガイドになりますが、寄港地での有料オプショナルツアーもあります。ペナンでは、世界遺産のジョージタウンの見どころを巡るものや、ローカルフードをテーマにしたもの、郊外の牧場まで足を延ばすものなど、多様なツアーが用意されていました。
プラナカン文化が息づくカラフルな島に寄港
「ゲンティン ドリーム」が停泊する港は、ペナン島の中心部、ジョージタウンにあり、街は徒歩だけで散策することができます。オプショナルツアーも魅力ですが、街を気ままに歩きたかった私は、ツアーに参加せず歩いてみることにしました。
下船するときに感動したのは、出入国手続きがとても簡単なこと。一般的に、クルーズでは船が乗客に代わって事前に出入国手続きをする仕組みになっています。そのため、イミグレーションで長い列に並ぶ煩わしさがありません。下船、乗船ともにとてもスムーズでした。これは飛行機で出入国する際との大きな違いです。

船を下りて数分も歩くと、カラフルな色彩が美しい街並みが見えてきました。通りに並ぶのは、京都の町屋のように細長い「ショップハウス」と呼ばれる店舗兼住宅です。これらは、18世紀のイギリス植民地下で、東西貿易の中継地として発展した頃に建てられたもの。間口が狭いのは、その幅に応じて課税されたことへの節税対策です。

これらを建てたのは主に、プラナカンと呼ばれる、15世紀に中国からマレー半島やペナン島に移民した華僑の子孫。この地に根付き、宗主国イギリスの価値観を受け入れながらも独自の文化を開花させ、しっかりとビジネスも行っていた、プラナカンの美しくたくましい暮らしぶりが思い浮かびます。

ショップハウスの軒先につながるのは「ファイブ・フット・ウェイ」と呼ばれる屋根付きの歩行者専用通路。玄関から最低5フィート(約1.52メートル)のスペースを公共の通路として確保するよう、イギリス統治時代に条例で決められた建築基準の名残です。直射日光や突然のスコールから守ってくれるこの通りで、しばし散策を楽しみました。

街の美しさに、思わず歩きすぎてしまったこの日。出国審査に並ばずスムーズに船に戻れるのはしみじみ、ありがたいと感じます。
へとへとになって船に戻った後は、「クリスタルライフ アジアンスパ」に直行! 照明を控えた空間で受けた足つぼマッサージはあまりにも快適で、ウトウトしてしまうほどでした。船内で足つぼマッサージが受けられるなんて、さすがは香港の船。

船内にはこのほか、ボディートリートメントやフェイストリートメントが受けられるウエスタンスタイルの「クリスタルライフ スパ」もあります。
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