プリンス・エドワード島で泊まりたいヒストリカルなホテル

リフレッシュ! 極上旅

 カナダが自治領としてイギリスから独立する際、最初の建国会議が開かれたのが、プリンス・エドワード島です。カナダの東海岸にあるこの島は、なんとなく「本土とは文化が違う離島」のイメージもありますが、実はカナダ連邦発祥の地でもあるのです。当時をしのばせるホテルに泊まってみるのも、プリンス・エドワード島を旅する楽しみのひとつ。古き良き時代にどっぷりと浸ってみました。

英国ロイヤルファミリーも愛する湖畔のリゾートホテル

 館内に一歩入ると、パチパチと燃える暖炉と、アンティークの家具に迎えられる「ダルベイ・バイ・ザ・シー」。プリンス・エドワード島で最も美しいといわれるダルベイビーチに、夏季(5月~10月中旬)だけオープンする小さなホテルです。2011年には、英国王室もここを訪れています。

 1895年に建てられた瀟洒しょうしゃな建物は、かつては石油で財を成した富豪の邸宅でした。1930年代の禁酒法時代に、ラム・ランナー(酒類密輸業者)へ売却され、ホテルとして営業がスタート。これには秘話があり、酒類の密輸でもうけたお金の資金洗浄に利用していたのではないかとも言われています。まるで、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」や「華麗なるギャツビー」など、禁酒法時代を舞台にした映画そのもののエピソードです。

国立公園内に立つ夏の隠れ家、「ダルベイ・バイ・ザ・シー」

 時を経て、現在は25室のゲストルームと8棟のコテージを擁するスモールラグジュアリーホテルになっています。ここを訪れる人の目的は、とにかく日常を忘れてのんびりとすること。そのため、部屋にはテレビやラジオはもちろん、電話やアラームさえもありません。朝はモーニングコールの代わりに、スタッフがドアをノックして起こしてくれます。

「ダルベイ・バイ・ザ・シー」は、シャーロットタウンから車で約30分。クラシカルな雰囲気にどっぷりと浸りたい!

 建物は古いけれど、館内は改装されて快適そのもの。レトロな猫足のバスタブや、どっしりとしたソファは非日常感たっぷりで、旅の気分も盛り上がります。

日差しが優しく差し込む開放的なコーナー・スイート(左)。かわいらしいバスルームが

 ホテルは国立公園内に位置しています。共有の読書スペースやレストランをはじめ、至るところから穏やかなダルベイ湖が眺められ、癒やされます。もちろん、辺りには近代的なビルは建っていません。カナダグースの親子がくつろぐ平和な風景に、日ごろの忙しさも忘れてしまいます。

目の前はダルベイ湖。チェアに座って、のんびり過ごすのも気持ちがいい
レンタサイクルで緑の中をサイクリング! 目的地の美しい灯台まで往復約10キロ

 こんな環境でのんびりと過ごすのもいいのですが、このホテルには、海沿いをツーリングするためのレンタサイクルや、ボートで湖へ出るアトラクションも用意されています。防風林の緑の中を自転車で走るのは、爽快でした。

シャーロットタウンに立つクラシカルなホテルとB&B

 プリンス・エドワード島の中心地、シャーロットタウンで、ひときわ存在感を放っているのは「ザ・グレート・ジョージ」。歴史的な建物が立ち並ぶ一角を、建物の外壁だけ残して快適にリノベーションしたブティックホテルです。

 レセプションのある棟は19世紀に建てられ、170年以上にわたって街を見守り続けてきた重厚な建物。ラウンジには、暖炉やアンティークのピアノや家具、チェス盤が置かれ、クラシカルな雰囲気に満ちています。古き良き時代の写真が飾られた廊下を歩いてゲストルームに入れば、時代を遡ったかのような気分に。

古き良き時代をほうふつとさせるブティックホテル「ザ・グレート・ジョージ」

 上質なベッドでぐっすりと眠った翌朝は、ロビーラウンジで朝食を。目覚めに焼きたてのホームメイドのパンとコーヒーを食べてから、近隣の歴史地区の散策を楽しむのが、滞在中の日課となりました。

部屋の一つ一つが違った造り。上階にバスタブのあるスイートも
淡いブルーで彩られたかわいらしい雰囲気のスイート(ザ・グレート・ジョージ)

 同じくシャーロットタウンにある「ザ・ハーバー・ハウス」は、B&B(ベッド&ブレックファスト)と呼ばれる宿泊施設。クラシカルな雰囲気もありながら気軽な感じで、カナダの古い家に遊びに来たような気分を味わえます。もちろん、部屋はリノベーションされていて快適です。

「ザ・ハーバー・ハウス」。朝食用のダイニングや飲み物を完備したリビングがあり、B&Bながら設備は申し分ない
「ザ・ハーバー・ハウス」の朝食。お手製のエッグベネディクトやオムレツがおいしい

 共有リビングには紅茶やコーヒーが常に用意され、Wi―Fiサービスなども完備していて、ストレスなく滞在を楽しむことができます。ダイニングでいただいた温かな朝食は、丁寧に手作りされていて、朝から幸せな気分にさせてくれました。

ダルベイ・バイ・ザ・シー
ザ・グレート・ジョージ
ザ・ハーバー・ハウス

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芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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