メコン川に抱かれるルアンパバーンで、桃源郷に出会う

リフレッシュ! 極上旅

 メコン川に寄り添うようにして息づく、ラオスの古都ルアンパバーン。夕方に、川沿いで夕景を望むのが何よりの楽しみでした。さらに街から足を延ばせば、暑さを忘れるようなダイナミックな大滝の風景も。ユネスコの文化遺産に登録されているルアンパバーンは、自然の風景も見逃せません。

船に揺られてサンセットを楽しむ

 ルアンパバーンに滞在中、夕方になると足を運んだのが、メコン川です。リバービューのカフェで夕暮れどきを待つのは、何よりも楽しみな時間でした。メコン川沿いは絶好の夕日観賞スポット。夕刻はたくさんの観光客が集まり、場所によっては混みあいますが、川面から吹く風が心地よくて、いつまでもいたくなるのです。

 こんなに美しい夕景を川の上で見てみたい。そう思いついて、サンセットクルーズにも乗ってみました。メコン川には多くのクルーズ船が出ていて、現地で気軽に申し込むことができます。私は宿泊していたホテルのコンシェルジュに頼んで、予約をしました。

夕刻、メコン川を小さなクルーズ船が行き交う

 船着場を出発するのは、日没の1時間ほど前。豪華な客船ではありませんが、窓がない船は川からの風が気持ちよくて、予想以上に快適です。インテリアもリゾート風で可愛らしい。

クルーズ船のなかは、風通しがよくて気持ちがいい!

 川を行く途中、漁船とすれ違うことも。一日の仕事を終えて、家族が待つ家に帰るのでしょう。船上から見えるのは、岸辺の暮らし。川で水遊びをする子どもたちや、川沿いで涼む人々の姿に、この街の営みはメコン川とともにあるのだなあと実感します。

 船にもよりますが、軽食やドリンクを提供してくれるケースもあります。私が乗った船では、冷えたカクテルとフィンガーフードが運ばれてきました。ちょっとだけお酒を飲みながら頬に川の風を浴びる船上の夕暮れは、ちょっと贅沢ぜいたくをしている気分です。

フィンガーフードとカクテルで、ちょっと優雅なクルーズ体験
太陽が沈んだあとのマジックアワーも楽しんで

 次第に川面がオレンジ色に染まり、岸辺に街灯がともり始めると、いよいよこのクルーズのハイライトタイムです。あっという間に太陽は沈んでしまうけれど、マジックアワーもとてもロマンチックで、たっぷりと余韻を楽しみました。

エメラルドグリーンに輝く滝でリフレッシュ

 熱帯モンスーン気候のルアンパバーンでは、おのずと涼しい朝と夕方に行動することになります。街の中心地に位置するプーシーの丘も、メコン川と並ぶ夕日観賞の名所ですが、朝のりんとした空気のなかで見下ろす風景も、私は大好きでした。連なる民家の赤い屋根や、悠々と流れるメコン川やカン川……。自然の中での豊かな暮らしが息づくルアンパバーンを眺めることができます。

プーシーの丘から眺めるカン川と緑。頂上までは15分ほど

 郊外まで足を延ばせば、さらに感動的な絶景に出会うことができます。絶景地として有名なクアンシーの滝は、ホテルで申し込めるツアーを利用すると便利。市内からは約30キロ、距離的にはトゥクトゥク(三輪バイク)でも行けますが、山道を行くので、車のほうが体には負担がありません。

 よく晴れた日、朝食を食べてすぐに出発。途中、バッファローの群れとすれ違い、棚田を仰ぎながら、目的地へと向かいました。朝一番で行った滝はまだ観光客も少なく、この時間を選んで大正解。一帯は自然公園として整備され、落差約50メートルの大滝にいたるまでは、遊歩道が整備されていて、歩きやすい靴さえあれば、簡単に行くことができます。

棚田やバッファローの親子が歩く姿を眺めながら、クアンシーの滝へ

 滝つぼに満ちているのは、エメラルドグリーンの水。この色に見えるのは、石灰華が沈殿しているためなのだそうです。3層からなる滝が青色のグラデーションを描き、棚田のような美しい地形を成しています。

絶景! エメラルドグリーンの世界に誘い込まれる
滝壺には遊泳可能なエリアも。雨季(5~11月)は、エメラルドグリーンの滝が土砂の瀑布(ばくふ)に変わり、風景は一変する

 この風景にすっかり魅了されてしまった私は、滝の最上部まで足を延ばしてみることに。これが予想外にハードな道で、滝水がジャブジャブと流れてくる階段を登り、山道では枝葉をよけながら歩き、ようやくたどり着くことができました。そこにあったのは、桃源郷かと思えるような風景でした。泥んこになりながら見たあの絶景は、今でも目に焼きついて離れません。

滝の一番上から見た、桃源郷のような風景

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芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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