街全体が世界遺産。物価が安く、歩きやすいうえに治安も良くて、個性派のカフェや雑貨ショップが充実……。そんな女性旅に必須の要素が充実しているのが、東南アジアの国・ラオスの古都、ルアンパバーン。日本からの直行便はありませんが、じわじわと人気を集めているデスティネーションです。心地よく「非日常」が過ごせるこの街で、充実のひとり旅を満喫しました。
リラックスして歩ける素朴なメインストリート
ラオスは国土面積が日本の本州程度しかなく、人口はわずか約700万人という小さな内陸の国。その北部の山あいにあるルアンパバーンは、1975年まで王国の首都として栄えていました。いまなお多くの仏教寺院が建ち、昔ながらの風景が残されていることから、街全体が世界遺産に登録されています。
ラオスの古都と聞いて、「秘境」というイメージを持つ人も多いことでしょう。たしかに、周辺国の主要都市の発展が目覚ましいなかで、ルアンパバーンは「東南アジア最後の桃源郷」と呼ばれることもあります。とはいえ、中心部にはクレジットカードで現地通貨が引き出せるATM(現金自動預け払い機)や両替所が数メートルおきに置かれ、スーパーマーケットもあるので、不便を感じることはありません。

当初はこの便利さに肩透かしを食ってしまい、「もっと静かなところを想像していたのになぁ」と残念にさえ思っていました。ところが、過ごすにつれ、じわじわと実感したのが、この街ならではの居心地の良さ。外資系ファストフードのチェーン店やコンビニエンスストアが一軒もないのは痛快だし、観光地でありながら物売りがしつこくないのも快適で、リラックスして歩けるのです。
なにより助かったのは、街が小さくシンプルで、地図を読めない(読まない)私でさえ道に迷わなかったこと。目抜き通りと川沿いを歩けば、主だったスポットをほぼ網羅することができるし、少しぐらい迷子になっても慌てることがありません。
独特の雰囲気を漂わせながらも、観光地としての歩きやすさを併せ持つルアンパバーンは、女性のひとり旅にぴったりの場所といえます。天井にファンがまわる涼しげなカフェで休憩したり、寺院で静かな時間を過ごしたり。アクセクせずに、気ままに、美しい風景のなかで、ゆったりとした旅を楽しむことができました。
すっきり早起き! 午前中から雑貨屋めぐり
熱帯モンスーン気候のルアンパバーンは、乾季の11月~2月が旅のベストシーズンと言われています。私が旅した4月は日中がとても暑く、おのずと午前中と夕方以降に散策するのが日課となっていました。ラオスの朝は早く、夜明けとともに朝の托鉢や朝市がスタートするので、早起きも苦になりません。

目抜き通りのシーサワンウォン通りとサッカリン通りには、雑貨店やカフェがずらりと並んでいて、朝9時頃にはかなりのお店がオープンしています。滞在中、なんども足を運んだのは、メインストリートにある有名ブティックのフラッグシップショップ。伝統的な技術を生かした独自のデザインのアクセサリーや小物はセンスが良くて、お気に入りを見つけるのが楽しみでした。
毎朝通ったのは、朝市。日没後にメインストリートに現れるナイトマーケットは観光客向けですが、朝市はどちらかといえばローカル向け。野菜や魚を売るなかに、ふと、センスのいい露店のコーヒーショップや雑貨の屋台も出ていて、早朝からワクワクさせてくれます。私はこの朝市で、お目当てのラオス産ハチミツとお茶、お酒を購入。

深いコクと濃厚な甘みがあるラオス産ハチミツの「ラオハニー」、スーパーフードとして知られるマルベリー(桑の実)を使ったお茶の「マルベリーティー」、小さな壷の中でお米を発酵させたライスワインの「ラオハイ」や、それを蒸留した「ラオラオ」。どれもお土産にも喜ばれそうな、かわいらしいパッケージです。

一方、ナイトマーケットは、中国産やタイ産のものが多数。ラオスならではの雑貨を探すのなら、日中にじっくりとお店を巡るのがいいかもしれません。もちろん、ナイトマーケットにも掘り出し物はあります。ラオス語が書かれたメイド・イン・ラオスのTシャツは、自分へのお土産となりました。
でも、ナイトマーケットで心ひかれたのは、買い物よりも屋台街です。通りには、びっしりと炭火焼き露店が並び、あちらこちらから良い香りがしてくるのです。ジューシーな「ラオソーセージ」、お肉の串焼きバーベキュー……・。それらをつまみながら、ラオスのビール「ビアラオ」を飲むのは最高の時間です。よく見ると、ひとり旅らしい女性もちらほら見かけました。肩ひじ張らず、ビール片手に庶民派ごはんを食べる。これこそ、ルアンパバーンを居心地良くしてくれた、最大の理由かもしれません。
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