お土産にしたい! 秋田・にかほ市のおいしい特産品

リフレッシュ! 極上旅

 秋田県にかほ市には、豊かな自然の恵みから生まれたおいしい特産品があります。わざわざ足を延ばさなければ食べられないもの、お土産にして旅を終えた後も楽しめるもの。そんな「ローカルの食」を、旅の途中で見つけました。

ワインのおつまみにぴったり、イチジクの甘露煮とジャム

 にかほ市の名物の一つが、イチジク。イチジクというと、暖かい土地で育つ果実のイメージがあるので、秋田県で生産されているのは意外に思う人もいるかもしれません。ここ、にかほ市は、日本北限のイチジク栽培地。なかでも、大竹地区で作られるホワイトゼノアは、最高級の品種として知られています。

 「千年の村」とも呼ばれ、時が止まったかのような風景が広がる大竹地区で、長年、イチジクを使った加工品の製造・販売を手がけているのが「佐藤勘六カンロク商店」。秘密の花園のような「ガーデンカフェTime」から、歩いて2、3分のところにあります。

 お店に入ると、なんともいえない甘い香りが。すべて手作業で作られる「いちじくの甘露煮」の香りです。その芳醇ほうじゅんな香りに誘われて、さっそく一ついただきました。添加物や水などは加えずに、砂糖と水あめだけでコトコトと煮込んだイチジクは、とろりとして、とてもまろやか。甘みはしっかりとあるのに優しくて、旅で歩き疲れた体を、ほっと癒やしてくれます。

「いちじくの甘露煮」。イチジクのほか、原料は砂糖と水あめだけ。水も使わず6時間以上コトコトと煮込む

 イチジクを使った定番商品にはジャムもあります。一般的な果実のジャムとは、ひと味もふた味も違う「いちじゅくジャム」は、大きめの果実がごろっと入った贅沢ぜいたくな一品。甘さが控えめで、とても上品な味です。手作業による製造はなかなか大変。「糖分の高い果実が焦げ付かないよう、片 時も鍋から離れられません」と看板娘の伊藤さん。

「佐藤勘六商店」のイチジク商品。甘露煮は、より甘さを控えた赤ワイン仕立ても人気

 「このジャムはチーズと合わせると、最高のワインのおつまみになりますよ」と、4代目店主の佐藤玲さん。お土産に購入して試してみると、まさにそのとおり! クラッカーに「いちじゅくジャム」とクリームチーズを乗せたおつまみは、ワインにぴったりです。

 お土産に購入した「いちじく甘露煮」も、もしかしたらチーズに合うのでは? と、ホットサンドにしてみました。これも絶品! 私はそれほどスイーツ好きではありませんが、お酒のおつまみとして、ジャムと甘露煮が大活躍しています。

「いちじくの甘露煮」を生ハムとチーズと合わせてホットサンドにすると、ビールや赤ワインの最高のおつまみに

 秋以降の楽しみは、季節限定(9月下旬~10月上旬)で販売される「完熟いちじく」。完熟したイチジクは傷みやすいので流通が難しく、スーパーなどの量販店に並ぶことはほとんどありません。つまり、「完熟いちじく」は、ほかではなかなか味わえない貴重なもの。機会があれば、味わってみたいと思っています。

ゴールデンミルクとやみつきチーズトースト

 標高約500メートルの丘陵地帯に広がる仁賀保高原。風力発電の風車の向こうに鳥海山が見える絶景を眺めながら、「土田牧場」へ。

「土田牧場」へ向かう途中に眺めた絶景。風車の向こうには、鳥海山が

 ここを訪れた目的は、広大な牧場に放牧されている牛たちのふれあい……はもちろんですが、なにより楽しみにしていたのは、この牧場で育ったジャージー牛のミルクで作るヨーグルトやチーズを食べること。ジャージー牛のミルクは、栄養価が高く生産量が少ない、別名「ゴールデンミルク」と呼ばれる貴重なものです。

「土田牧場」。雄大な自然のなかに、約200頭のジャージー牛が放牧されている
動物とのふれあいで、心を和ませてくれる

 敷地内には、このジャージー牛を使った乳製品が食べられるフードショップがあります。牧場といえばミルクをたっぷり使ったソフトクリームが定番ですが、地元の女性が「食べたらやみつき!」と勧めてくれたのが、チーズトースト。見た目はごく普通のトーストなのに、口にしてみると、チーズの濃厚な味とミルクのやさしい香りがふわーっと広がって、本当にやみつきになりそう。 

絶品、チーズトースト。濃厚なチーズの味がたまらない

 チーズトーストと一緒にいただいたのは、「ジャージーヨーグルト」。添加物や寒天などは一切使用せず、ジャージー牛乳だけで作られています。乳酸菌がとても豊富で、貧血や便秘に悩んでいる女性にも人気があるのだそう。ヨーグルト製品は、敷地内の専門工場でていねいに作られています。

「土田牧場」の乳製品。太陽の恵みをたっぷりと浴びた牧草を食べて育った牛から搾ったミルクには、鉄分やカルシウム、ビタミンAが豊富に溶け込んでいるのだそう

 搾りたての牛乳「幸せのミルク」も試してみました。生乳本来のおいしさと栄養を保持する方法で殺菌された牛乳は、まろやかで臭みを感じません。牛乳が苦手な私でも、おいしくいただけました。新鮮でないと味わえない、こんな食を楽しめるのは、旅に来たからこその醍醐味だいごみです。

 さて、にかほ市ではさまざまなおいしいものに出会いましたが、地元の方が口々に「食べたら止まらなくなるから、危険!」と冗談まじりに話していたのが、「渥美菓子店」の「あつみのかりん糖」。一度開封したら最後、あまりのおいしさに手が止まりませんでした。一般的なかりん糖とはまったく違う、お煎餅のような薄さと、大学芋のような香りと食感……、うーん、言葉では言い尽くせない! そのおいしさを確かめるには、実際に現地へ行って、食べてみるしかないでしょう。

「あつみのかりん糖」。秋になったら、また食べたい!

 市内の「道の駅 象潟 ねむの丘」や「にかほ市観光拠点センター にかほっと」、土産物店などで販売していますが、コーティングしている水あめが溶けてしまうため、夏期は店頭に並ばないそうです。

●佐藤勘六商店
●土田牧場
●にかほ市
●にかほ市観光協会

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芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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