トラムカーでのディナーや隠れ家バー……メルボルンの夜を楽しむ

リフレッシュ! 極上旅

 治安がいいメルボルンは、夜遅くまで食事やお酒を楽しむ人々でにぎわいます。なんといっても、ここは世界が注目するグルメの街。豊かな自然環境が上質な食材を育てること、移民が多く、さまざまな食文化がミックスされていること、国内外からシェフが集まり、腕を競っていることなど、この街から美食が生まれる理由は枚挙にいとまがありません。滞在中はディナーのプランをしっかり立てて、メルボルンの食をあますことなく満喫しましょう!

レトロなトラムで街を眺めながら優雅にディナー

 街には数え切れないほどのレストランがあるけれど、もっともメルボルンらしいものといえば、「コロニアル・トラムカー・レストラン」かもしれません。車窓から街を眺めるトラムのなかでコース料理とワインをいただく、ユニークなディナーを体験できます。

1927年に街を走っていた最古のトラムをレストランに改装。走るルートはその日によって異なるので、どんな景色が見られるかは乗ってからのお楽しみ

 予約当日、ちょっとだけよそいきの服に着替えて、トラムカーの出発地点へ。専用の停車駅にやって来たのは、渋いワインレッドのトラムカー。車内に入ると、ビロードの布をあしらった座席や真鍮しんちゅうのインテリアが19世紀の英国植民地時代を彷彿とさせる、クラシカルな空間に迎えられます。

アーリー・ディナーは90オーストラリアドル、レイト・ディナーは130~150オーストラリアドル。ビクトリア州のワインは飲み放題

 ディナーは17時半からスタートするアーリー・ディナー(所要約1時間半)と20時半頃にスタートするレイト・ディナー(所要約3時間半)の2コースがあります。私は街の風景を楽しむべく、前者を選択。スパークリングワインで喉を潤しつつ前菜を食べ始めた頃はまだ明るかった街並みが、次第に夕焼けに染まり、やがてあかりがともってゆく……こんなロマンチックな車窓とともにいただくディナーは、とても思い出深いものになりました。

記念日に利用したい特別なレストラン。予約はお早めに

 トラムを改装した移動レストランゆえ、簡易的なメニューかと思いきや、丁寧に作られた前菜も、メインディッシュにチョイスしたオージービーフのステーキも本格的。地元では結婚記念日や誕生日に利用する人が多いようです。この日も祝福ムードにあふれたカップルがいて、幸せを少し分けてもらいました。かしこまったレストランではありませんが、ちょっとだけお洒落しゃれをして出かけると、より気分が盛り上がると思います。

コロニアル・トラムカー・レストラン

地元の人々が夜ごと集う人気のバーへ

 「コロニアル・トラムカー・レストラン」のアーリー・ディナーを終えてもまだ19時。カフェやレストランだけでなく、メルボルンにはたくさんのバーがあって、夜遅くまでにぎわいます。地元デザイナーのブティックが点在するファッショナブルなスポット、フリンダース・レーンにあるワインバー「キュームラス・アップ」を訪ねてみることにしました。

「キュームラス・アップ」は、人気シェフ、アンドリュー・マッコーネルのレストラン「キュームラス・インク」の系列店。店名のとおり、レストランの上階にある

 ここは階下にあるレストラン「キュームラス・インク」の系列店。「キュームラス・インク」といえば、オーストラリアのグルメランキング「グッド・フード・ガイド」で、ミシュランの一つ星に値する1ハットを2010年から2018年まで連続して獲得している有名店です。ハット付きのお店はちょっとハードルが高いのですが、系列のワインバーなら、気軽に利用できます。

 ワインはたくさんの種類があって、日本ではなかなか飲めない珍しいものもありました。ワインリストを見ながら迷うのも、メルボルンで食事をする醍醐味だいごみのひとつ。近郊のワインの産地・ヤラバレーの代表格であるシャルドネの中から選んだワインは、ラベルもユニークで、楽しく味わいました。

メルボルン近郊のヤラバレーで作られる、旅という名のワイン

 旅先のかぎられた時間の中では、バーのハシゴもあり。2軒目は、「隠れ家のようなロケーションなのに、眺めが最高!」と地元の人が勧めてくれたバー「シグロ」へ。店名表示のないドアから入り、階段を上がっていくと、そこには想像以上にステキな空間が広がっていました。

 ルーフトップテラスから見えたのは、ライトアップされた「プリンセス・シアター」や「ビクトリア州議事堂」。絵画が飾られ、どっしりとしたソファを配した店内は「大人のためのとっておきのバー」そのものの雰囲気です。

「ここにバーが?」と思ってしまうほど、目立たない入り口から階段を上がったところにある「シグロ」

 こんなバーで飲むのもいいけれど、もちろん、「今日は歩き疲れたからホテルでのんびりしたいなあ」ということもあります。そんなときは、ホテルに併設するバーへ。私が滞在していた「QTメルボルン」の13階には、ルーフトップバー「ルーフトップ・アット QT」があり、バシッと決めた地元の人たちでにぎわっていました。中心部にあるので、眺めも抜群。都心のあかりを眺めながらワインをいただくのは、至福の時間でした。

キュームラス・アップ

シグロ

ルーフトップ・アット QT

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芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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