「世界で最も住みやすい都市」魅力いっぱいメルボルン

リフレッシュ! 極上旅

緑豊かな街を走るトラムカーはメルボルンのシンボル

 「オーストラリアの都市」と聞くと、ちょっと遠い……という感覚もあるし、街のイメージも漠然としたものかもしれません。たしかに、アジアの国に比べれば移動時間は長いけれど、日本との時差はわずか1時間(サマータイム期間は2時間)。旅のプランが立てやすく、体にも負担の少ないデスティネーションです。旅したのは、南東部の都市メルボルン。そこは、想像以上にたくさんの魅力にあふれていました。

世界から注目を集める快適な街

 ビクトリア州メルボルンは、シドニーに次ぐオーストラリア第2の都市。イギリスの雑誌「エコノミスト」による「世界で最も住みやすい都市ランキング」で7年連続1位に選ばれたことからも、世界の注目を集めています。「世界で一番住みやすい」ってどんなところだろう? と、私も以前から興味津々でした。

 その特徴を一言で表すなら、大自然と洗練された近代都市が共存する街。英国統治時代の歴史的建造物と近代的な高層ビルが見事に調和していて、緑にも恵まれています。移民が多いからグルメもバラエティー豊かで、ワイナリーも近くに点在。海もあるし、郊外に足を延ばせば雄大な自然もあり……と、魅力は多彩です。

歴史的建造物と洗練された建物が混在する街並みが青空に映える

 メルボルンまで直行便で10時間ちょっと。往路の長距離フライトは、昼便が体も楽だし、午前に日本を出発する直行便を利用すれば、時差もほとんどなく、その日のうちに現地に着き、ホテルで休むことができます。

 選んだのは、JALの直行便のプレミアエコノミークラス。名前こそエコノミーですが、初期のビジネスクラスのような広さがあります。フライト中はゆったりと過ごせることに加え、深夜便を利用する復路の搭乗待ち時間に優雅なラウンジを利用できるメリットがあるのはとても大きい!

成田を出発する前に駐機場を眺めるラウンジでひと休み。これもプレミアエコノミークラスのメリット(左)。前席の背もたれが倒れてこない構造で、長いフライトも快適

 「10時間は長いなあ」と思っていたけれど、指先でスワイプ操作できるモニターで映画を見たり、機内インターネット接続サービスで仕事のメールをチェックしたり、ウトウトしたりしている間に到着。気鋭のシェフが考案したランチは、プレミアエコノミークラスで提供されるシャンパンとともにおいしく平らげました。

トラムが行き交う美しい「ガーデンシティ」を散策

 市内中心部のホテルに到着してぐっすり眠った翌朝、さっそく街歩き。歩き始めてすぐに実感したのは、空気のすがすがしさ。別名「ガーデンシティ」と呼ばれるこの街には庭園や公園がたくさんありますが、通りを歩いているだけでも、そこかしこに緑を感じます。

移民が多いメルボルンは、いろいろな人種が暮らすメトロポリス

 そんな街を網の目のように走るのがトラム(路面電車)。市街地中心エリアの特定の範囲は無料(!)だし、頻繁に走っているし、駅間も短いので、気軽に乗ることができます。比較的ゆっくり走るトラムの車窓から街を眺めるのも、なかなか楽しい時間です。

 中心地は簡単に歩いてまわることができます。19世紀に建てられたクラシカルな建物があると思えば、スタイリッシュな施設もあり、路地に入ればアーティスティックな雰囲気もあって、いろいろな街の表情を見るだけでもワクワクします。個性的なカフェが充実しているので、歩き疲れたらすぐに休めるのもうれしい。

 さて、外国に来たら何はともあれ、市場探訪です! メルボルンには、「クイーン・ビクトリア・マーケット」という、立派なマーケットがあります。開業は1878年と歴史が古く、メインの建物はクラシカルで雰囲気たっぷり。東京ドームの約1.5倍の敷地には、タスマニアのオイスターにフレッシュな野菜、カンガルーミートなどがあって、オーストラリアらしさも満喫できます。衣料品やお土産もあるので、観光スポットとしても行く価値あり。

ビクトリア州の歴史遺産にもなっている市場「クイーン・ビクトリア・マーケット」。新鮮なオイスターに野菜、そしてお土産にぴったりの調味料や掘り出し物のワインもあるマーケットは楽しい!

 マーケットは午前6時頃にオープンして午後2~4時頃には閉まる店が多い(曜日により変動あり)ので、早目の時間帯に行くのがおすすめ。朝はキャリーカートをひいて買い物をしている地元の人も多く見かけます。内装もクラシカルで、市場というよりもデパ地下にいるような感覚。各ショップのかわいらしいロゴにも惹かれました。

マーケットの人気ホットドッグ屋さん、「Bratwurst Shop&Co」。鉄板の上でじっくり焼いたソーセージをサンド

 一角でいい香りを漂わせていたのは、ドイツ式のホットドッグ屋さん。誘惑に勝てず、私もオーダー。焼きたての全粒粉のパンにジューシーなソーセージとたっぷりのザワークラフトを挟んだホットドッグに大満足。こんなふうに、買ったものをすぐ頬張ることができるのも、マーケットの醍醐味です。

「ユーレカ・スカイデッキ88」から眺める絶景

 美しい街の全景を眺められるのが、南半球で最も高いところに位置する展望台「ユーレカ・スカイデッキ88」。中心地からヤラ川を渡ったサウスバンク地区の超高層ビル「ユーレカ・タワー」の88階に位置しています。南半球一の速度、秒速9メートルのエレベーターに乗り、高さ約300メートルの展望台までわずか40秒。眼下には、先ほどまで歩いていた美しい街並みが見え、その向こうに太陽を浴びてキラキラと光るポート・フィリップ湾が広がっていました。

芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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