神戸を感じるステイショナリーと愛される「こだわりのパン」

リフレッシュ! 極上旅

 潮風がさわやかな港周辺、異国情緒を感じる旧外国人居留地、どこか懐かしい下町、元気な商店街……。1泊2日でさまざまな街の表情を楽しめた神戸の旅では、お土産もスペシャルなものを選びたい! 神戸が感じられる、とっておきのアイテムを探してみました。

神戸の風景を表現した65色の鮮やかなインク

 旅のお土産を探そうと訪れたのは、お土産屋さん……ではなく、万年筆専門店「ナガサワ文具センター」。なぜなら、街の風景をイメージするスペシャルなアイテムがあるからです。その名も「Kobe INK物語」。神戸市内の各所の美しい風景を色鮮やかに表現した65色のオリジナルインクがそろいます。

 万年筆のインクといえば、ブラック、ブルー、ブルーブラックの3色が定番ですが、「Kobe INK物語」は色彩豊か。ラインナップを見ると、「六甲グリーン」「旧居留地セピア」「北野異人館レッド」「元町ルージュ」「摩耶ラピス」など、ネーミングも印象的なカラーが並んでいます。

神戸の景色をテーマに開発された「Kobe INK物語」は全部で65色(2018年1月現在)

 私は使いやすい青色系を選ぼうと決めていたのですが、「波止場ブルー(広がる青空を映しこむ、鮮やかな中に深みのある海の色)」や、「港島アイランドブルー(神戸上空から見る深い海の青)」、「須磨海浜ブルー(日の出の絶景ポイントである須磨海岸のトワイライトタイムの空の色)」など、青色系だけでもたくさんの種類があって迷ってしまいました。試し書きをさせていただき、潮風を感じながら港界隈を散策した時間を思いだす「波止場ブルー」に決定。

「波止場ブルー」を使うたびに思い起こすのは、神戸メリケン波止場周辺の風

 ナガサワ文具センターが「Kobe INK物語」を作った背景には、街への熱い思いがあったといいます。「阪神・淡路大震災(1995年)の復旧復興に追われていたとき、崩れたビルの隙間から見た六甲山は、震災前と変わらない美しい緑で私を癒し、励ましてくれました。いつかこの色でインクを作りたい、街の色でインクを作りたいと思ったんです」と、開発を手掛ける竹内直行商品開発室長は語ります。

万年筆は想像以上に使いやすく、そして楽しい! 次はどのインクを買おうか思案中

 2007年に第1号の「六甲グリーン」を発売して以来、次々と生まれるオリジナルインクは、一色一色にストーリーが秘められています。そんなステイショナリーだからこそ、とっておきの旅の思い出になりそう。普段はパソコンで文字を打つことが圧倒的に多いのですが、このインクを手にしてから、手紙を書くのが楽しみになっています。

ナガサワ文具センター

かめばかむほど味わい深い神戸の文化

 旅の最後に立ち寄ったのは、ブーランジェリーの「コム・シノワ」。ブーランジェリーとは、職人自らが小麦を選び、粉をこねて焼いたパンをその場で売る店のこと。1868年の開港の翌年にはベーカリーが開業していた神戸だけに、パンは象徴的な文化の一つ。こだわりの手作りパンは、家族や身近な友だちへのちょっとしたお土産にもぴったりです。

 「コム・シノワ」は、フレンチの世界で知られる荘司索シェフによるパンのお店。店内に入ると、香ばしい焼き立てパンの香りに包まれます。

気軽に買えてお土産に喜ばれるのが神戸のパン。「コム・シノワ」は神戸を代表するブーランジェリー

 ベーカリーの奥には、「オネストカフェ」も併設。パンやケーキのイートイン(ワンドリンク制)だけでなく、サラダやサンドイッチなども大人気で、訪ねた日も地元の人たちでにぎわっていました。神戸の日常の中に、パン文化はしっかりと溶け込んでいるんだなあと実感します。

ロブスターのテリーヌ、帆立貝とクリームチーズのパテ、ガリシアポークの自家製ハムなど、シェフ特製の料理が食べられるカフェも併設(写真は料理の一例)

 パンというと、西洋の食文化というイメージがありますが、「日本人の体質にあった、かめばかむほど味わいのあるパンを作りたいと思っています。かむことは、健康の源でもありますからね。いつも大切な人たちのことを思って、パンを作っていますよ」と荘司シェフ。

「世界の文化が交差し調和、自由に力を発揮できるのが神戸。この街でパンを作り続けたいですね」と荘司シェフ

 旅を終えて、帰宅してから味わった「コム・シノワ」のパン。かむほどに増す、その深い味わいに、多彩な表情を持つ神戸の風景が重なりました。

ブーランジェリー コム・シノワ

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芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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