ウラジオストクで本場ロシア料理を満喫!

リフレッシュ! 極上旅

ホタテとイカのリゾット。海鮮の出汁がしっかりときいておいしい(上)エビとキノコのサラダ。新鮮な食材が豊富なウラジオストクならではの一品

 歴史的建造物が並ぶ美しい港町、ウラジオストク。散策を楽しんだ後の楽しみは、ごはん! ロシア語が分からなくても、レストランではそれほど心配はいりません。観光地のウラジオストクは英語のメニューがある店も多く、なかには日本語メニューが用意されているところもあります。本場のロシア料理は、温かくて、滋味深くて、とても優しいお味。おいしいものに目がない人を、きっと満足させてくれます。

寒さも吹き飛ばす、あったか料理

 旅の楽しみは、何はともあれ食べること。ましてや、はじめて訪れる街となれば、食の好奇心も刺激されます。ボルシチにピロシキ、ビーフストロガノフ……。日本でも知られているロシア料理は、極東のウラジオストクでも存分に楽しめます。

 私が訪れたのは初冬の11月初旬。夜になると気温がぐっと下がり、温かいものが食べたくなるこの季節に、ほっと心を和ませてくれたのが「ボルシチ」でした。野菜と牛肉を煮込んだスープで、もとは隣国ウクライナの料理ですが、ロシアにも定着しています。

ボルシチ。お店によってレシピが異なっていて、食べ比べも楽しい

 ボルシチは日本でも何度か食べたことがあるので、それほど期待していませんでした。ところが、想像以上のおいしさ! ビーツをふんだんに使った真っ赤なスープは、ほんのり甘みがあって、コクがあるのにしつこくなく、口にするほど栄養が染み入る感じ。サワークリームをとろりと溶かして、黒パンとともにいただくとさらに絶品です。

ガルショーク。アツアツで体を温めてくれる

 ロシア風パイシチューの「ガルショーク」も、身体を温めてくれる定番料理。具だくさんのスープが入った陶器にパイ生地で蓋をして、オーブンで焼いた一品です。サクサクのパイをスプーンで破って、中のスープに浸して食べるのも楽しく、クセになります。

ピロシキ。おやつ感覚で楽しめる

 日本でも知られている「ピロシキ」は、ロシアでは料理というよりもスナック感覚。発酵させた生地の中に具を詰め、オーブンで焼いた総菜そうざいパンで、ちょっとおなかが空いたときにぴったりのおやつです。具は、いためたひき肉やキャベツ、マッシュポテト、甘く煮たリンゴや洋梨ようなしなどさまざま。もちろん、中はアツアツ。今でも寒くなると、あの味が恋しくなります。

おやつ感覚で楽しめる料理もいろいろ

 いろいろなロシア料理のなかで、日本人に最もなじむのは、「ペリメニ」かもしれません。具材を皮で包み、ブイヨンで煮こんだロシア風水餃子すいギョーザです。モチモチの皮の中にたっぷりと入ったひき肉がジューシー。帽子型に包んだ形もかわいらしくて、何個でもおなかにおさまります。

ペリメニ。シーフード味は日本人の口にもなじむ(左)、近隣国やチェコのビールが豊富にそろう

 ウラジオストクは港町だけに、海鮮料理もよく食べられています。ペリメニの具にもシーフードが使われていました。お肉を使ったペリメニにはサワークリームをつけて食べるのですが、シーフードのペリメニはお醤油しょうゆも合います。ちょっと懐かしい味で、ビールがすすんでしまいました。

 ちなみに、お酒はウォッカのイメージが強いロシアですが、レストランではビールが人気。どのお店にもウズベキスタンやウクライナなど、近隣国のビールがいろいろあって、飲み比べを楽しむことができました。

ブリヌイ。具を包んだり、トッピングしたり、朝食にぴったり

 朝食でいただいたのは、薄く伸ばして焼いた生地に具を挟んだロシア風クレープの「ブリヌイ」。このブリヌイは丸い形から「太陽の象徴」とされ、かつては子供を産んだばかりの女性が食べる習慣があったのだとか。そんな人々の暮らしに浸透したブリヌイは、サーモンやチーズ、キャビアやイクラを入れた食事向けのものから、ジャムやクリームを入れたスイーツまで、たくさんのメニューがあります。専門店でいただいた焼き立てのブリヌイは、皮がふんわりとした食感で、朝から幸せな気持ちにさせてくれました。

芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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