人混み避けてのんびり散策 鎌倉の西口・由比ヶ浜エリアへ

リフレッシュ! 極上旅

朱塗りの鳥居が何重にも続く、佐助稲荷神社の参道

 秋の散策日和、鎌倉はいつも多くの人たちでにぎわっています。人混みを避けて静かな鎌倉を楽しむのなら、鎌倉駅を降りて西口へ。東口ほど観光客は多くありませんが、一帯には魅力的なスポットが点在しています。

銭洗弁天でお金を洗って金運アップ!?

 「境内に湧く泉の水でお金を清めると、何倍にもなって返ってくる」と言われているのが、「銭洗弁財天宇賀福ぜにあらいべんざいてんうがふく神社」。「銭洗弁天」の通称で親しまれています。

 住宅街を抜けた急坂の途中にある銭洗弁天の入り口には、洞窟のようなトンネルがあります。ここを通って境内に入るのは、異世界に入っていくようで、ちょっとワクワクした気分。

銭洗弁財天宇賀福神社。鎌倉山中腹の石窟トンネルが入り口になっている

 清水が湧く奥宮の洞窟にまつられているのは、宇賀神と弁財天。こんな伝説が残されています。

 「年の1185年のある日、源頼朝の夢に宇賀福神が現れ、「西北の谷にきれいな泉が湧き出すところがある。その水で神仏を供養すれば天下泰平の世が訪れる」と告げた。当時は、戦乱や災害続きで庶民が貧窮にあえいでいた頃。頼朝がお告げどおりにやしろを建てて宇賀福神を祀ると、世の中の混乱は収まった」

 銭洗信仰は、同じく巳年の1257年、北条時頼が「この霊水で金銭と心身を清めて行いを慎めば、不浄の塵垢じんこうが消えて福徳がもたらされる」と銭を洗い、一族繁栄を祈ったことが始まりとされています。金運アップのためだけに参拝するのは、なんだか欲深いような気もしたのですが、さにあらず。心の不浄が清められることで、結果的に金運上昇を招く、ということなのです。

ざるは貸し出し無料、蝋燭とお線香はセットで100円

 参拝の前に手水舎で手を清め、社務所で蝋燭ろうそくとお線香を購入し、お供えします。お線香は身を清め、蝋燭は智慧ちえの光をともすとされているので、真心を込めて。続いて、奥宮の洞窟で社に参拝し、霊水でお金を洗います。ざるにお金を入れて、柄杓ひしゃくで水をかけて清めますが、たっぷりかける必要はありません。少し濡れる程度で十分。

洗ったお金は拭いてお財布へ。使うと増えて戻ってくる!?

 洗ったお金は財布にしまいこみたくなりますが、霊水で清めたお金は世の中に回ってこそ、福が訪れるもの。感謝の気持ちを込めて使うことが大切なのだそうです。

 銭洗弁天が金運アップなら、仕事運を高めるといわれているのが、すぐ近くにある「佐助稲荷神社」。ここも、銭洗弁天と同様、頼朝の伝説が残されています。それは、伊豆に島流しされていた頼朝の夢枕におきなが現れ、宿敵である平家討伐の挙兵を勧めたというもの。その通りに挙兵した源平合戦で勝利を収め、鎌倉幕府を開いた頼朝が、お礼として建てたのがこの神社だと伝えられています。立身出世した頼朝にあやかり、今も仕事運をアップさせるといわれているのです。

佐助稲荷神社。境内には白い陶器のキツネがたくさん安置されている(左)、奉納用の陶器のキツネと絵馬

 住宅街にある神社の入り口から拝殿に向かって延びる参道には、赤い奉納旗と鳥居が並んでいます。として、すがすがしい風景です。周辺は自然が豊かで、空気もきれい! 野生のリスも見かけました。

味噌レストランでおいしい&ヘルシーなランチを

 参拝して心を清めた後は、体にいいものが食べたくなります。この日のランチは、「佐助稲荷神社」から歩いて5分ほどの「味噌みそ屋 鎌倉 INOUE」で。天然醸造にこだわった味噌と、生産者から直接買い付ける鎌倉野菜をふんだんに使った料理が食べられるお店です。

 オーナーシェフの井上遊太さんは、もともとイタリアン畑で活躍していた方。味噌蔵との出会いが、ここでお店を開くきっかけとなったそうです。全国の味噌蔵をめぐり、厳選したものだけを入手し、料理に生かしています。

ランチプレート。「手作りハンバーグMISO クリームソース」(手前)、「MISO鶏からあげ」。ほかに「鎌倉野菜ゴロゴロSASUKE冷汁」(1000円)がある

 ランチは、「手作りハンバーグMISO クリームソース」(1200円)や「MISO鶏からあげ」(同)など。鎌倉野菜のサラダやお代わり自由の味噌汁もセットになった、ヘルシーでボリュームのあるメニューがそろっています。一口に味噌といっても風味はさまざまで、その日の料理に合わせたものを選んでいるのだそう。

 ハンバーグやチキンにかけられた味噌のソースはやさしい甘さで、ご飯だけでなくパンにつけてもおいしそうだし、ワインのおつまみにも合いそう。味噌汁はまろやかで香りがよく、お代わりしてしまいました。「レモンとサワークリームのバターケーキMISO練乳ソース」(500円)や「レモン甘酒」(450円)など、スイーツにも目移りしてしまいます。

レモン甘酒(左)と、横浜戸塚 小野ファームのソフトクリーム(バニラ)。赤味噌(仙台味噌)練乳をかけた塩キャラメル風(350円)

 「選んでいるのは、天然醸造、無添加を守り、昔ながらの手仕事で作られる生きた味噌。味噌は、含まれる酵母菌や乳酸菌のおかげで、医者いらずといわれるほど身体にいいんですよ」と井上シェフ。味噌は塩分が高いイメージがありましたが、こうじを多く使用したものは、塩分を控えながら、旨みも十分にあります。

麹ジャムや焼き菓子など、INOUEオリジナルの品々。オンラインショップで購入できます

 店頭では、味噌の量り売りや、麹や味噌を使ったオリジナル商品も購入できます。その味噌に合った料理法や保存の仕方も教えてもらえるので、ぜひ参考に。私が購入した麹ジャムは、井上さんのアドバイス通りにハード系チーズにのせてみたところ、ワインのおつまみにぴったり! 毎日の食卓が、おいしく、ヘルシーになりました。

味噌屋 鎌倉 INOUE

芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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