楽園写真家が選ぶ世界のベストホテル5

癒やしの楽園 by 三好和義

  「楽園」を巡る世界の旅。心地よく過ごすためには、もちろんホテルが大切なポイントです。世界中を旅した僕が「もう一度行きたい」と思うホテルを選んでみました。オススメしたいホテルは、もっともっとたくさんあり、100でも足りないぐらいですが、その中から厳選したベスト5です。

 1位はスリランカにある「ベントータ・ビーチ・ホテル」です。名建築家ジェフリー・バワの設計したホテル。このホテルの特徴は、レセプションにあるこの天井画で、ホテルに入った途端に気分があがります。水平線に溶け込むような「インフニティ・プール」を発案したバワは、旅行者が喜ぶポイントを押さえる天才です。スリランカには、この天才が手がけたホテルがたくさんあります。バワのホテルをホッピングするだけの旅も楽しいだろうということで、このホテルを1位に選びました。

  2位は修善寺の「あさば」。能舞台があることで有名です。その舞台を囲むように部屋が広がっています。日本のホスピタリティーを「おもてなし」と呼びますが、この「あさば」の接客こそ、日本的な細やかさの典型だと思います。くつろぐためには、施設の設備が立派であることも大事。ですが、施設だけではない、人の心の通ったサービスも大切だと気付かされたのは、この老舗旅館です。ここに泊まれば、チェックインからチェックアウトまで、一歩も外出する必要を感じません。湯につかって、夕食をいただき、テレビなど付けないで、音楽を聴きながら読書をして就寝する。それだけで高い満足が得られます。「本当?」って思ったら、ぜひ修善寺で体験してみてくだい。

 3位は「コンラッド・モルディブ・ランガリ・アイランド」です。このホテルに行くには、マーレのエアポートから専用の水上飛行機に乗ります。モルディブの環礁に囲まれた美しい海を眺めるだけでも十分、ここに行く価値があります。その天上からの眺めだけでなく、このホテルには、海の中で楽しめるレストランがあります。世界中あまたのホテルがありますが、海中レストランを体験したのは、ここだけ。まるで物語の主人公になったような気分で食事を楽しめる。やはり、ここは特別な場所です。

 4位は沖縄本島にある「ジ・アッタテラス・クラブタワーズ」です。沖縄でラグジュアリーなホテルを展開している「ブセナテラス」が提供するホテルのひとつ。「ブセナ」のホテルはどのホテルもいいですが、一番気に入っているのは、ここです。広い敷地に広い客室。地産の素材をいかした料理も素晴らしい。最近感じるのは、日本のホテルの食への意識の高さ。安心で安全な食材をさまざまな趣向を凝らしてサーブする。日本旅館だけでなく、日本らしい「おもてなし」の精神は沖縄でも感じます。

 5位は「セントレジス・ボラボラリゾート」です。何度通っても色あせない魅力があるタヒチ。その中でも気に入っているのが、この「セントレジス」です。この水上コテージからはタヒチのシンボルのようなオテマヌ山が見えます。この風景だけで五つ星をあげてもいい。夕方、コテージのベランダにたたずみ、暮れゆくオテマヌ山を眺める。至福の瞬間。楽園タイムです。

  番外。船なのでホテルのカテゴリーに入らない特別なアコモデーションを選びました。それはナイル川を移動する観光船「スーダン号」です。100年の歴史を持つクラシックな外輪蒸気船。トーマス・クックが国王に献上したと伝えられる船。アガサ・クリスティの「ナイルに死す」のモデルにもなったと言われる優雅な観光船。中に入っただけでベルエポックの時代にタイムスリップしたような気分になりました。

三好和義(みよし・かずよし)
写真家

 1958年徳島県生まれ。「楽園」をテーマに、タヒチやハワイなどの南国の島々から日本の世界遺産まで幅広く撮影。84年当時最年少で木村伊兵衛賞を受賞。近著は世界中のリゾートを集めた「青の楽園へ」(PHP)。Amazonプライム・ビデオで「RAKUEN 三好和義と巡る楽園」を配信中。