アラビアンナイトの世界に迷う楽しみ エジプト

癒やしの楽園 by 三好和義

 世界の「楽園」を目指す旅。そのキッカケは幼少期の体験からでした。小学校の頃に開催された「エジプト」展。ツタンカーメンを見たさに、船に乗って関西へ行きました。その時に世界へと目が開いたのです。エジプトは僕の「楽園」の扉を開けた特別な国なのです。

 今回のエジプト旅。一番の目的はナイル川クルーズ。しかも、船は建造して100年の歴史がある「スーダン号」です。あのアガサ・クリスティが、この船に乗って「ナイルに死す」の取材をしたという伝説の船。クラシックで優雅な蒸気船。ナイルの女王様です。

 ギザで宿泊したのは、ピラミッドの間近にある「メナハウス」ホテル。広大な敷地のどこからでも、ピラミッドがそばにある贅沢さ。これぞ、エジプトを代表するホテルです。ギザに宿泊する時は、いつもここ。朝、部屋の窓から見えるピラミッドに感激です。

 この「メナハウス」、素晴らしいのはピラミッドが見える眺望だけではありません。ロビーに入った途端から、アラビアンナイトの物語に紛れ込んだような世界が広がっています。部屋の仕立てもアラビアン・テイスト。自分が物語の主人公になった気分になります。

 オールド・カイロ。イスラム教が主流のエジプトでは、いたるところにモスクがあります。礼拝の時間になると、コーランの響きが街中に流れます。この音を聞いていると、イスラム教徒ではない僕も癒やされる気持ちになります。祈りの思いは宗教を超えると感じます。

 カイロ旧市街のマーケット。仕事の合間の休憩時間。マーケットをうろつきます。狭い迷路のようなマーケット、時間を忘れて、あてもなく、さまよいます。意外な骨董品や美しい工芸品に出合ったりして、旅の思い出を見つけています。

三好和義(みよし・かずよし)
写真家

 1958年徳島県生まれ。「楽園」をテーマに、タヒチやハワイなどの南国の島々から日本の世界遺産まで幅広く撮影。84年当時最年少で木村伊兵衛賞を受賞。近著は世界中のリゾートを集めた「青の楽園へ」(PHP)。Amazonプライム・ビデオで「RAKUEN 三好和義と巡る楽園」を配信中。