鯖街道で鯖尽くし おしゃれなカフェで最高のランチを!

リフレッシュ! 極上旅

「Kitchen Boo」の料理

 食の宝庫として知られる若狭。「越前がに」に「甘だい(若狭ぐじ)」、焼きさば、ふぐ……と、次々とおいしいものが思い浮かびます。でも、食の楽しみはそれだけで終わりません。地元の特産品を使った、新しい名物をご紹介します。

イスタンブール名物よりおいしい! 若狭のサバサンド

 歴史をさかのぼれば、朝廷に塩や海産物などの食糧を貢ぐ「御食国みけつくに」」であった若狭。日本海から京都まで新鮮な魚を届けるべく、約71キロメートルの若狭街道を、籠を背負った人や馬が行き交っていました。今でこそ車で1時間もあれば行ける道程を、当時は谷を抜け、山を越え、夜を徹して多くの魚が運ばれたのでしょう。その道は現在、「鯖街道」と呼ばれる観光ルートにもなっています。

かつて京都と若狭を結んだ街道の宿場、熊川宿。現在は重要伝統建造物群保存地区に

 鯖街道を車で走っていると、目に付くのが、「鯖寿司」や「浜焼き鯖」の看板。新鮮な鯖を酢でしめて棒寿司にした鯖寿司や、こんがりと焼けた浜焼き鯖が、鯖街道の特産品として知られています。

 そんな定番料理を出すお店が連なるなか、ひときわ存在感を放っていたのが、「Saba*Cafe(サバ・カフェ)」というカフェレストラン。ログハウス調の店内に入ると、楽器やアートが飾られた、吹き抜けの心地のいい空間が広がっていました。

「Saba*Cafe」の吹き抜けの内観。店内には、ギターやオーナーのご主人でフォトグラファーである和宏さんの写真が飾られ、すてきな雰囲気

 こちらの名物、「サバサンド」をさっそくいただくことに。売り切れ必至の人気メニューなので、早い者勝ちです。ボリュームたっぷりのサンドイッチを頬張った瞬間、じゅわ~っと鯖の油がパンに染みこみ、なんともいえない香ばしさが口いっぱいに広がります。添えられたレモンを具の玉ネギに搾って食べると、さらにおいしい!

 味わいながら、トルコのイスタンブール名物「サバサンド」を思い出しましたが、より繊細でふくよかな印象。唐辛子と獅子柚ししゆず子(柚子ではないかんきつ類)をブレンドした若狭の調味料「かんなんば」を使った特製マヨネーズも、隠し味になっています。

 オーナーの反田たんだ良子さん、ご主人でフォトグラファーでもある和宏さんは、長く大阪に暮らしていましたが、この地が気に入って転居し、カフェを開いた移住組。「鯖街道で食べられるものは、鯖寿司ばかり。それもおいしいけれど、若狭が誇る鯖を、ほかの調理法でも食べてもらいたいと思って、このメニューを考案しました」と、和宏さん。

サバサンド(サラダ、ポテトつき1080円・税込み)

 お店が位置するのは、若狭街道(鯖街道)の宿場のひとつ、「道の宿若狭熊川宿」の目の前。旧街道に沿って水路が流れ、石橋や古い家並みが残る一帯をぶらりと散策した後、テラスでいただく「サバサンド」とビールは、最高のランチとなりました。

Saba*Cafe

ふんだんに食べるなら、キャンパスの学食へ!

 鯖のほかにも、地野菜やお米など、若狭にはおいしいものがたくさんあります。それらの食材をビュッフェでふんだんに味わえるのが、「Kitchen Boo(キッチンブー)」のランチバイキング(11~15時。1600円。14時以降の入店は半額)。福井県立大学小浜キャンパス内というロケーションですが、海を望む高台からの景色もよく、料理の種類も豊富。そして学生以外でも自由に利用できる穴場ランチスポットでもあります。

 ここにも、鯖料理がずらり。鯖のしょうゆ漬けに鯖の天ぷら、漁師料理をルーツにする鯖おでんなど、少しずつたくさんの味覚を楽しめます。鯖から造った「鯖しょうゆ」、鯖しょうゆとこうじをブレンドした「鯖こうじ」など、福井県立大学が共同開発した調味料が使われているのは、さすがキャンパス内のレストラン。この日は、若狭で養殖しているスッポンのスープを入れたコラーゲンたっぷりの「すっぽんがゆ」もあって、女性客の人気を集めていました。

「BENICHU38°」(720ml/3240円・税込み)ドライな飲み口で、今までの梅酒とはまるで別もの

 さて、おいしい料理でおなかを満たしたあとは、お土産も忘れずに。女性に好評の若狭土産の一つが、特産の福井梅、紅映べにさしを使った梅酒です。若狭に数ある梅酒のなかでもユニークなものが、砂糖不使用の「BENICHU38°」。梅酒というと甘いお酒のイメージがありますが、これは別格。アルコール度数も、一般的な梅酒は12~14%であるのに対して、こちらは38%と高めの、大人のお酒です。ロックで飲めば、夏の暑い日にはぴったり。ドライな飲み口で、どんな料理にも合います。

 もう少し甘いほうが好みであれば、アルコール度数20%、微糖の「BENICHU20°」を。

 この梅酒を生産している「エコファームみかた」は、ほかにもたくさんの梅加工品を手掛けています。購入した「紅さし梅ジュレ」は、ヨーグルトに入れたり、トーストに塗ったり、我が家のキッチンで大活躍しています。

エコファームみかた

芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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