秘境を巡る小笠原クルーズで西之島の噴火に遭遇

癒やしの楽園 by 三好和義

 僕はクルーズ船「にっぽん丸」のオフィシャル写真家です。ゲストとして招かれることもあり、今回は名古屋港から小笠原クルーズに乗船しました。小笠原諸島は、東京都内(!)でありながら、豊かな自然が息づく世界自然遺産の島々。都心から南へ約1000㌔・㍍、交通手段は船しかなく、丸1日かかります。   今回の航海は、父島を目指し、帰りは硫黄島などを回り帰ってくるコース。最近は大型クルーズ船がはやっていますが、僕には大き過ぎる。「にっぽん丸」はこまやかなホスピタリティーが行き届く、ほど良い大きさで、リラックスできるのです。父島に停泊するにっぽん丸。ブルーの船体がエレガントです。この日は曇りで、上陸して山の中を散策すると、島の固有種に出会います。 航海の途中に出会う、この島は孀婦岩そうふがんと言います。鳥島と小笠原諸島のちょうど真ん中あたりに位置しています。これで活火山。こんな島なので人間を寄せ付けない。鳥の聖地になっています。船から見ると神々しく見えました。 この島は北硫黄島。島の上部は、このようにいつも雲に覆われています。遺跡があり、戦前には人が定住していましたが、現在は無人島となっています。キングコングが出てきそうな島だなと、この島を見るたびに思っています。 今回の航海のハイライトは西之島。たまたま、この島の周辺を航海した時にこの光景に出会いました。山肌で宝石のように輝いているのは「火山弾」です。「ドン」という爆発音が一度響き、黒い灰も降ってきました。自然の脅威を感じながらも、神々しい美しさに驚嘆しました。このショットを撮れたのは幸運でした。

三好和義(みよし・かずよし)
写真家

 1958年徳島県生まれ。「楽園」をテーマに、タヒチやハワイなどの南国の島々から日本の世界遺産まで幅広く撮影。84年当時最年少で木村伊兵衛賞を受賞。近著は世界中のリゾートを集めた「青の楽園へ」(PHP)。Amazonプライム・ビデオで「RAKUEN 三好和義と巡る楽園」を配信中。