美景を満喫する二つのホテルで心身をリセット

 富士山が窓から見える宿泊施設はたくさんありますが、その景色がまるで一枚の絵のように美しく映えるホテルといえば、静岡市にある「日本平ホテル」です。

まるで絵の中にいるような「風景美術館」ホテル

 エントランスを入ると、正面が大きなガラス窓になっています。そこから見えるのは、堂々とした富士山と眼下に広がる駿河湾。ロビーから続くラウンジは2フロア分が吹き抜けになった開放感のある空間で、まるで絵の中に飛び込んだような気分になります。

 この日本平ホテルのコンセプトは、ずばり、「風景美術館」。呼び名のとおり、エントランスだけでなく、ゲストルームやダイニングからも、見れるような富士山を眺めることができます。

左・日本平の名を冠した、くつろぎのツインルーム。右・テラスで日本平の自然を五感で楽しむ

 客室はいくつかのタイプがありますが、断然、庭園と海を望むガーデンサイドがおすすめ。窓際のソファに座って、ゆったりと景色を眺めるもよし、緑が薫る風を感じるのもよし。「日本平ツイン」は45平方メートルと、一般的なツインルームより広く、友だちとの旅行にもぴったりです。

 このホテルは、日本平県立自然公園の中にあり、市街地からは少し距離があるので(JR静岡駅から送迎バスで約45分)、ディナーは、館内のレストラン(和食と洋食の2軒)で。私がいただいた洋食は、駿河湾産の太刀魚をあぶったメインディッシュや、静岡産紅ほっぺいちごのソルべなど、地元の旬の食材がたっぷり。窓の外には清水港や市街地の明かりがキラキラと輝いて、とても素敵すてきなディナータイムでした。

絶品! 朝食の桜えび入りオムレツ

 翌朝は、ちょっと早起きして敷地内の広大な庭園を散策しましょう。アート作品がさりげなく配された庭を歩いた後は、朝食ビュッフェへ。熱々の桜えび入りのオムレツ(季節限定)は、トロトロの卵の中におしみなく桜えびが入っていて、朝からハッピーな気分に浸れます。早起きして、よかった!

日本平ホテル

自然豊かな朝霧高原で富士山に抱かれ、心身ともに解放する

 富士山の西麓に広がる自然豊かな朝霧高原。間近に迫る霊峰富士に抱かれるようにして立つ「日月ひつき倶楽部」は、ココロと体を元気にしたい女性にぴったりのウエルネスリゾートです。

 医師監修による断食プログラムを始め、さまざまなアクティビティーが用意され、それらを体験することで、心身の疲れをリセットすることができるのです。
 
 アクティビティーのメニューには、敷地内に自生している植物を採って、植物のエネルギーに触れることができるハーブウォーター作り(3000円・4名~)や、音に癒やしの効果があるという音響打楽器シンギングリンを使った瞑想めいそう(3000円・2名~)など、興味をそそられるものがずらり。

左・「日月倶楽部」で音響打楽器シンギングリンの豊かなサウンドで深くリラックス、右・ウッドデッキから望む雄大な富士山

 なかでも目をひいたのが、森の中で行われるフィールド吹矢ふきや(ランチ付き・半日4000円~)です。「吹矢って、忍者が使っているあの武器?」と不思議に思ったのですが、腹式呼吸を使う吹矢は、集中力が養えるうえ、呼吸が浅い現代人にはぴったりのスポーツなのだそう。なにより、森の中に入るだけでリラックスできそうです。

 宿泊したのは、富士山からの日の出を望めるメゾネット型の客室です。高原の澄んだ空気や緑の香りに迎えられる部屋の窓の向こうには、山頂から駿河湾まで横に伸びる稜線が見えます。いつもとちょっと違った角度から眺める富士山は、飽きることがありませんでした。

 食事は、宿泊者には朝食のみ、アクティビティープログラム参加者には、夕食も用意されています。ウエルネスリゾートと聞いて粗食を想像していた食事は、思った以上の洗練ぶりとおいしさ。ゲストの体調に合わせた薬膳茶や、地元の食材をふんだんに使った料理に、目も舌もおなかも大満足です。
 
 「日月倶楽部」のオーナーは、もともと都心で内科医をしていましたが、「東洋医学と西洋医学を併せた養生型統合医療を実践したい」という思いから、湧水ゆうすい群や自然林、緑が豊富にあるこの場所を探し、転居したのだといいます。現在は診療所も開いているそうです。

日月倶楽部

芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海大学文学院へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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