龍が守護する開運の地 久能山東照宮でパワーチャージ

リフレッシュ! 極上旅

 潮風が心地いい春の静岡。世界遺産にも登録されている海の絶景を楽しみながら、パワースポットで有名な久能山東照宮くのうざんとうしょうぐうを巡れば、身も心も元気いっぱいに!

家康公の強運にあやかる! ご利益願ってパワースポットへ

 東照宮といえば栃木県の日光東照宮が有名ですが、晩年を駿府(現在の静岡市)で過ごした徳川家康のおひざもとにあるのが久能山東照宮。家康をまつる全国の「東照宮」の中で最初に創建され、静岡を訪れたらぜひ立ち寄りたい場所です。400年前の創建当時の姿を残した社殿は、国宝に指定され、13の建造物もすべて重要文化財です。
 久能山は風水でみると、出世運や勝負運をアップさせる「昇龍・回龍」の地形をしています。大地を流れる「気」のルートを龍脈と言い、久能山には富士山から流れる強い龍脈が駿河湾で逆流して石段を勢いよくかけ上り巡回しているそう。そのため、一発逆転を願い、運気を変えたい人が訪れるパワースポットとして名をせています。

久能山東照宮と富士山をつなぐ延長線上に日光東照宮が建てられたという

 国宝の社殿まで、日本平からロープウェーを使えばわずか5分で行けますが、ふもとから1159段の石段を上っていくこともできます。ご利益を求めるのなら、「昇龍」の気が流れる石段ルートにチャレンジ。大自然のパワーと運気を分けてもらえそうです。
 楼門を入ったところにある「家康公の御手形」は必見。知能線と感情線が重なって1本になった「ますかけ線」と呼ばれるこうした手相を持つ人はごくまれで、強烈な個性を持ち、大成功すると言われているのだとか。天下をおさめたその手形に自分の手を重ね合わせて、私もそのパワーにあやかりました。
 当時最高の建築技術が結集した社殿では、極彩色の彫刻や絵にうっとり。豪華絢爛けんらんな龍や獅子に目を奪われますが、家康公の「命を大切に」「戦いをやめる」というメッセージが表現された彫刻も、しっかりと目に焼きつけておきたいもの。清浄な空気に包まれた社殿は、平和や幸せについて考えさせてくれる場所でもあります。
 私も「勝負運アップを祈願しなくちゃ!」と意気込んでいました。でも、4世紀前の家康公のメッセージを前に、「こうして平和に過ごせることが、ありがたいなあ」と、しみじみとした気持ちに。標高216メートルの久能山山頂まで登って、駿河湾を一望できる雄大な景色を楽しめば、また明日から頑張ろうと思えるはずです。

どこを切り取っても絵になる三保松原

 静岡の絶景といえば、富士山と駿河湾。その両方を見られるスポットの代表格が、富士山とともに世界遺産に登録されている「三保松原」です。約7キロメートルの海岸に3万本以上の松が茂る、日本を代表する景勝地の一つで、深緑の松林、海越しに見る富士山や伊豆半島、打ち寄せる白波が織りなす風景は、昔から和歌や絵の題材として取り上げられてきました。

御穂神社から羽衣伝説で有名な「羽衣の松」への散策道。通称「神の道」

 夫婦円満の神様が祀られている「御穂みほ神社」から散策道「神の道」を歩いて、三保松原の入り口へ。松林が途切れ視界が開けると、そこは一面の海。一幅の絵のような景観に迎えられます。

歌川広重の「由比宿」と同じ構図のさった峠。ぜひ見比べてみて

 富士山と駿河湾を一望できる場所がもう一つ。さった峠は、三保松原から約17kmのところにある絶景ポイント。眼下に海、真正面に富士山という構図は、どこかで見覚えがあるかもしれません。それもそのはず、ここから眺める風景は、歌川広重が約180年前に手がけた「東海道五十三次」に描かれているのです。現在は眼下に高速道路が見えますが、富士山と海を眺める景色は、今も変わらず美しい。心を打つ風景は、時を超えて受け継がれる、この街の財産なのかもしれません。

芹澤和美
芹澤和美(せりざわ・かずみ)
旅行ライター

 編集職を経て、1996年、中国・上海大学文学院へ短期留学。帰国後、フリーランスの旅行ライターとして活動。主なフィールドは、98年から通い続けているマカオや、中国語圏、アジア、中米、南アフリカ。主に、旅行雑誌やカード会員誌、機内誌、新聞などで国内外の旅行記事や紀行文を掲載。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。

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