ジャニーズの医療者応援SNS、「いいね」の人気投票化が悲しい

ミドリのJ見守り隊

ジャニーズのインスタグラム
ジャニーズの「Smile Up! Project」のインスタグラム

ジャニーズ事務所が2月14日、社会貢献活動「Smile Up! Project」の一環として、公式インスタグラムと公式YouTubeを更新し、新型コロナの対応にあたる医療従事者向けのメッセージを発信しました。この取り組みは多くの人を勇気づけた一方、一部のファンが「いいね」やコメントの数を競い合い、人気投票化し、「趣旨を理解していない」などの批判が寄せられています。

インスタには、「ありがとう」「感謝」など直筆メッセージを書いたハートのカードを持った所属タレントの写真が、あいうえお順に投稿されました。東山紀之さんや木村拓哉さんといったベテランから、昨年デビューしたSnow ManやSixTONESの各メンバーまで、総勢95人に上ります。ジャニーズは、多額の寄付やチャリティーソングのリリースなど新型コロナ対策の支援活動を積極的に行っており、今回の投稿も好意的に受け止められています。

「いいね」やコメント数が人気指標に?

一方、ファンから注目されたのは、インスタに寄せられた「いいね」やコメント数。嵐やKing & Princeといった人気グループのメンバーには、20万~30万件の「いいね」が寄せられ、コメント数も1万件前後に上っています。こうして見ると、King & Princeがインターネットに積極的に進出していないのはもったいない気もしますが……。グループでYouTube公式チャンネルを持つSnow ManやSixTONESも数字を集めており、インターネットとの親和性の高さがうかがえます。

ただ、「いいね」やコメント数はどうしてもタレントによってばらつきが見られます。一部のファンが、「いいね」やコメント数を集計した表を作成。「○○君にコメントしてください!」とツイッターで呼びかけ、同じ人が何度もコメントをして数を稼ぐなど、さながら人気投票のようになってしまいました。

医療従事者に向けた応援メッセージという本来の趣旨から離れ、ファンがマウントを取り合うのは少し残念に思います。タレントたちも、こんな展開は望んでいなかったはず。もし自分のファンたちが「いいね」やコメントを呼びかけていると知ったら、ちょっと悲しく思うかもしれません。ツイッターには、集計結果を引き合いに「○○君はこんなに人気なのに、仕事に恵まれない」といった愚痴もみられます。

こうした数の競い合いは、今回のSNS投稿だけではありません。ジャニーズJr.の複数グループが、順番にオリジナル動画を投稿するジャニーズJr.のYouTube公式チャンネルでは、グループごとの再生回数を集計するのが常態化。再生回数の多さがデビューにつながると捉えるファンも多く、なかなかシビアです。あるジャニーズJr.ファンの女性は「パソコンもスマホも使って必死に再生していますが、再生回数の競争には正直疲れています。もっと純粋に楽しみたい」と話します。

コメント欄、交流の場として賢く利用

一方、SNSの「いいね」やコメント機能は、上手に活用されている例もあると考えます。例えば、Snow ManやSixTONESなどのYouTubeのコメント欄を見ると、「最近ファンになりました!お薦めの動画や曲を教えてください」といった書き込みがあります。それに対して別のファンが返答し、ファン同士の交流や新たなファンの獲得につながっています。「○分○秒、○君の踊りが格好いい!」など見どころについて言及するコメントは、初見で気付かなかったポイントを知るきっかけにもなります。

個人的には、Snow ManのYouTubeにアップされた、「ナミダの海を越えて行け」のMVのコメント欄が興味深かったです。同曲は、諦めずに挑み続け、明るい未来をつかみ取る内容のメッセージソング。下積み時代が長かったSnow Manだからこそ、説得力をもって聴き手に迫ってくる「胸アツ」な一曲です。

「日本で就職したい海外の者です。最近就活に疲れて毎日泣いています。諦めそうになった時に必ずこの曲を聴きます」「乳がんになりました。一度きりの人生を私なりに生きていきたい。この歌に出会えて、Snow Manに出会えてよかったです」――。コメント欄には、自分の悩みや不安、葛藤をぶつける内容の書き込みが目立ちます。これらに対して「頑張って!」「一緒に応援しましょう」といった返信も寄せられ、ファンたちが曲を通じて心を通わせる温かい場になっています。新型コロナでファンがリアルで交流する機会が激減する中、こうしたツールは貴重なのではないでしょうか。

もし「いいね」やコメント数の競争が過熱し、このようなSNSの機能が閉鎖されることになれば、さみしく思います。コミュニケーションツールとしてSNSの重要度が増している昨今、マナーを守って、賢く利用したいものです。

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山村翠 (やまむら・みどり)

読売新聞東京本社生活部に在籍。中学生の頃に先輩のバックで踊るKinKi Kidsの堂本光一さんを見て沼に落ち、20年以上、ジャニーズを応援。ジャニーズのコンサートや舞台を取材・執筆し、タレントにインタビューをするほか、プライベートでも様々なグループの公演に足を運ぶ。