田中圭、長野五輪の栄光支えたテストジャンパーに挑む

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長野県白馬村で撮影に応じる小坂菜緒さん、山田裕貴さん、田中圭さん、眞栄田郷敦さん(左から)

俳優・田中圭さん(35)が、6月に公開される映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」で、1998年の長野五輪で「テストジャンパー」だった西方仁也さんを演じます。スキージャンプの日本代表入りがかなわなかった西方さんは、ジャンプ台に危険がないかを確かめるため、競技前に飛躍するテストジャンパーの一人でした。日の丸飛行隊の金メダルの裏には、25人のテストジャンパーの存在があったのです。田中さんが1月下旬、撮影が進む長野県白馬村で取材に応じ、映画の見どころなどを語りました。

――テストジャンパーの役を演じてみて、いかがですか。

テストジャンパーは、競技前に危険の有無を確かめたり、雪を踏み固めたりするために飛ぶ人たち。危険だし、語弊があるかもしれないけど、選手より能力がないとできないのではないかと思います。(小坂菜緒さんが演じる)女性ジャンパーのモデルとなった吉泉(旧姓・葛西)賀子さんは当時高校生。吉泉さんは「今だったらびびっちゃうかもしれないけれど、その時は情熱で飛んでいた」とおっしゃっていて、競技にかける熱さが演技にも必要だと感じています。

西方さんは、長野県野沢温泉村出身。1994年のリレハンメル五輪に代表入りし、銀メダルを獲得しました。地元開催の五輪での雪辱を誓っていましたが、けがで記録が伸びず、代表から落選。テストジャンパーの依頼を受けます。

――長野五輪の会場にもなった白馬ジャンプ競技場で当時の様子を再現し、撮影が進んでいます。

撮影前にジャンプ台に行きましたが、すごく怖くて、「ここで戦っていたんだ、すごいな」と思いました。いざ撮影に入ると、今年は暖かくて雪が少ない。撮影自体はやりやすいんですが、完成はどうなるのかなという若干の不安はあります。

長野五輪のスキージャンプ団体が行われた1998年2月17日、白馬ジャンプ競技場は猛吹雪に見舞われました。そのため、日本は1本目のジャンプで4位になったところで、競技の中断を余儀なくされます。日本国中の「金」への期待に応えるには、2本目で挽回するしかありません。審判団が下したのは「テストジャンパー25人全員が無事に飛べたら競技を再開する」というものでした。25人による決死のジャンプが行われ、日本中を感動の渦に巻き込んだ悲願の金メダルに結びつきました。

裏方の存在、目を向けてほしい

――東京五輪が始まる直前に公開されます。

長野五輪のことは覚えています。でも、実際にあった金メダルの裏側の話は、このお仕事をいただくまで知らなかった。表舞台に立つ人には当たり前にドラマはありますが、それを支える人たちにもすごくドラマチックな展開があることを教わりました。

東京五輪はめちゃくちゃ盛り上がってほしいです。表舞台じゃない部分にも、映画を通して「こうだったのかな」と想像してもらえたら、見方がちょっと豊かになるんじゃないかな。東京五輪を楽しむために、ぜひ映画を見ていただけたらいいなと思います。

(c)2020 映画「ヒノマルソウル」製作委員会

――田中さんが「見てほしい」ポイントはどこでしょう。

絆です。西方さんと代表選手との絆、家族との絆、テストジャンパーのみんなとの絆、コーチとの絆。五輪という特別な舞台ならでは、スポーツならではの純粋に熱い思いの絆がいくつもあるので、そこを見てほしいです。

――キャスト発表時に「映画のK点を越える」とコメントしていましたが、手応えはどうでしょう。

正直分からないです(苦笑)。弱音すぎますけど、僕、スキージャンプできないんで……。(2003年に出演したテレビドラマ)「ウォーターボーイズ」では、実際に僕らが合宿して「シンクロができるようになる」という大目標があったんですが、スキージャンプはすぐできることじゃない。今は監督やスタッフさんを信じて、一生懸命やるだけです。

――現場の雰囲気はいかがですか。

いいと思います! テストジャンパーの中でもメインメンバーの(山田)裕貴と(眞栄田)郷敦と菜緒ちゃんとは、コミュニケーションをとりながらお芝居しています。つい先日、長野で初めて一緒にご飯を食べに行って、裕貴と郷敦とはそのままホテルの大浴場にも行きました。すっごい熱いお風呂でしたが長湯してしまい、ちょっとのぼせました(笑)。

長野のグルメ満喫

――食事も長野でされているんですよね。

おいしいです! 毎日、夜ご飯を楽しみにしていて、僕とマネジャー2人で色々まわっています。でも、予約で埋まっていて、目星を付けていたお店になかなか入れないんです。それでも、なんとか見つけて入ったお店が現状すべてうまい。食に関しては毎晩楽しんでいます。

――「これはおいしかったな」っていうのは。

全部おいしかった。ピザもびっくりするくらいおいしかったし、鍋もカレーもそばも。僕、一応「ゴチ」(日本テレビ系バラエティー番組「ぐるぐるナインティナイン」内のコーナー)も出演しているのでおいしいものは結構食べていますが(笑)、それに劣らないくらい全部おいしかったです。

――白馬村はスキーで有名な観光地です。

撮影で雪山に行く度、「めっちゃ楽しそうだな」ってスキーをしている人たちを見ています。僕もこっちで休みがあればスキーをしたいんですけど、ないまま終わりそうなので……。白馬村と少しコネを作って(笑)、プライベートで来ようかな。

デビュー20周年の記念作

――デビュー20年の節目の作品になりますね。

すごいぜいたくに撮影しているし、作品には大作感を感じています。いつもと変わらない気持ちで臨んでいるので意識はしてないですが、「待って。俺、こんな大作感のある映画の中心に立ってんのか……」とたまに不安になります。

――記念という思いがあるのではないですか。

20年目の節目に出会った作品という意味では、それだけで記念です。本当に映画も五輪も盛り上がってくれたらいいなと、今はただそれだけです。

(聞き手・撮影/読売新聞東京本社 三浦正基)

公開情報
映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」
6月19日(金)から全国ロードショー
出演:田中圭、山田裕貴、眞栄田郷敦、小坂菜緒(日向坂46)、古田新太ほか
監督:飯塚健
脚本:杉原憲明、鈴木謙一
企画プロデュース:平野隆
配給:東宝
公式サイトは、https://hinomaru-soul.jp/index.html

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