9月にリリースした新曲が好評の若手演歌歌手・杜このみさん。10月には大相撲の大関・髙安関との婚約を発表し、注目を集めました。ゲスト出演した「ダウンタウンDXDX 2時間スペシャル」(日本テレビ系、21日午後9時から放送予定)の収録前、演歌歌手になった経緯やプライベートについて聞きました。
ほっとくつろげる家庭にしたい
――婚約おめでとうございます。
ありがとうございます。家族のように接していたファンの方たちにも言えずに心苦しかったので、婚約をきちんと報告できたのがうれしかったです。「髙安関も応援しますよ」とファンの方から声をかけてもらいます。髙安関は勝負の世界に生きているので、帰ってきたらほっとくつろげるような家庭を築いていきたいと思っています。妻として、しっかりと支えていきたいですね。

――9月に発売になった将棋の世界をテーマにした「王手!」が好評です。
力強い歌詞が特徴で元気をもらえる曲です。みんなそれぞれ、何かを乗り越えようとがんばっているときに、背中を押してもらえるような人生の応援歌です。「王手」というフレーズを、ファンの方たちは掛け声でそろえてくださるので、歌っている私も励ましてもらえるような気持ちになります。
――もともとは民謡歌手でした。
2歳の頃だったと思います。テレビの歌番組で民謡を歌っている女性を見たのがきっかけでした。華やかな着物姿で歌う姿にかっこいいと思った記憶があります。その頃から何度も両親に頼み、4歳になって民謡教室に通い始めました。指導してくださったのは、日本屈指の尺八奏者で民謡指導者の松本晁章氏です。最初に「子ども扱いはしない」と言われたのが印象に残っています。すぐに歌えると思っていたのに、2年ぐらいの間は、腹筋、背筋、腹式呼吸などの基礎練習ばかり。礼儀作法にも厳しかったので、よく泣いていました。
歌い続けることが一生のテーマ
――小学校6年の時に江差追分少年全国大会で史上最年少優勝を果たしました。
早く上手になって先輩たちを超えたいという思いを強く持っていました。そのために、人より何倍も多く歌おうと、毎日何時間も練習していました。江差追分は、民謡で最も難しいとされています。何度も歌っていますが、「これだ」と満足したことはありません。歌い続けることが、一生のテーマだと思っています。

――24歳のときに、演歌歌手としてデビューしました。
高校3年の18歳のとき、演歌歌手の細川たかしさんに声をかけていただきました。テレビの民謡番組に出演していたのを、師匠が見ていたそうです。「進学も就職もしないで、北海道で演歌の修業に励んでほしい。24歳になったら上京してもらうから」と言われました。「東京に染まらないように……」との親心だったようです。
東京都内の大学に進学することがほぼ決まっていましたが、進学も上京もやめました。それからは、アルバイトをしながら演歌の練習をする日々でした。毎月1回、津軽三味線の指導を受けるため、フェリーで青森に通いました。周囲の友人が大学進学や就職をし、それぞれの道を決めていたので、「私、何をやっているんだろう」と不安でした。人生で最も苦しい時期でした。
こぶしが回りすぎて苦労
――演歌も好きだったのですか。
民謡に打ち込んでいるときは、演歌をやってはいけないという雰囲気がありました。だから、それまで、演歌はほとんど聴いたことがありませんでした。でも、民謡でこれだけ鍛えてきたのだから、演歌だって大丈夫だろうと高をくくっていました。ところが、いざ歌ってみると、こぶしが回りすぎてしまい、感情を一つひとつの歌詞に込められずに苦労しました。都はるみさん、石川さゆりさん、川中美幸さんのアルバムを何度も聞いて練習しました。
――演歌以外に聴く方はいますか。
森山直太朗さんが好きで、札幌に暮らしていた頃にコンサートにも行きました。感情を込めて気持ちを伝える歌い方はとても勉強になります。コンサートの合間に話すMCも参考になります。演歌のコンサートは、決められた内容をきちんとお話しされる方が多い印象があります。でも森山さんは、その場にあった話をアドリブでされているようで、お客さんとの距離を近く感じました。私も自然体で、ステージの上で思ったことを話すようにしています。
――最近はまっていることはありますか。
「泡風呂」の入浴剤です。バスタブがアワアワになって、まるで雲の中にいるみたいで、とても気持ちいいんです。リラックスには欠かせません。泡のお風呂につかって、熱唱するんです。以前、民謡の師匠から「風呂で歌ってはダメ」と注意されました。エコーやリバーブのような残響効果があって、気持ちいいからと歌いすぎてしまい、のどをからしてしまう可能性があるためです。でも、歌うのが好きなので、ダメと言われてもやっちゃうんです。

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