「ターミネーター」新作公開 若手3俳優が語るレジェンドとの共演

インタビュー

左から、ガブリエル・ルナさん、マッケンジー・デイヴィスさん、ナタリア・レイエスさん

殺人機械(ターミネーター)と人間との戦いを描いたアーノルド・シュワルツェネッガーさん主演の人気SF映画シリーズの最新作「ターミネーター:ニュー・フェイト」が8日、全国公開されました。シリーズの中でも大ヒットした「ターミネーター2(T2)」(1991年)の続編として、作品の生みの親であるジェームズ・キャメロン氏が製作に復帰し、「デッドプール」(16年)などで知られるティム・ミラー監督がメガホンを取りました。女性戦士サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンさんが、28年ぶりにシリーズ復帰を果たしたことでも話題です。PRのため来日したシリーズ初出演のマッケンジー・デイヴィスさん、ナタリア・レイエスさん、ガブリエル・ルナさんに、シュワルツェネッガーさんらレジェンド俳優と共演した感想や映画の見どころを聞きました。

レジェンドたちとの共演に興奮

――最新作では、3人のヒロイン(サラ・コナー、グレース、ダニー・ラモス)が、人類を救うため、シュワルツェネッガーさん演じるターミネーター「T-800」とともに、AIを駆使した最新型ターミネーター「REV-9」と激しく戦います。役作りが大変だったと思いますが、アクションのためにどのくらいの期間準備しましたか?

左から、ガブリエル・ルナさん、マッケンジー・デイヴィスさん、アーノルド・シュワルツェネッガーさん、リンダ・ハミルトンさん、ナタリア・レイエスさん。5日、都内

デイヴィスさん(グレース役):アクション映画は初めて。体作りだけだったら筋トレをするだけなので、そんなに困難ではありませんが、ベテランのスタントマンのような優美なアクションをこなすことは、私にとっては大きなチャレンジでした。子供のころからあまり運動をしてこなかったので、なめらかにミスなく動けるようにトレーニングしました。

デイヴィスさん

レイエスさん(ダニー・ラモス役):私はコロンビア出身で、アクション映画の出演もアメリカ映画の出演も初めて。撮影の1か月半前からトレーニングをしたり、武器の扱い方やハマー(大型自動車)の運転、水中シーンの準備をしたりしていました。私の場合はまず役作りよりも、6か月間の撮影に耐えられるか、生き延びることができるかが課題でした。ダムの水中でのハードな撮影が、夜間から始まり1日12時間にも及びました。おかげでリンダも私も、耳の感染症になってしまいました。「自分の体は大丈夫なのだろうか。もう死ぬんじゃないか」とも思いましたが、そんな中、リンダが「さあ行くわよ!」と励ましてくれました。

ルナさん(REV-9役):僕は大の甘党なんですが、ずっと甘いものをガマンしたことが、大きなチャレンジでした(笑)。ロケ地においしそうなジェラート屋さんがあったけど、そこに入れなかったのがつらかった。あこがれのシュワルツェネッガーさんと、毎日1時間半のウェートトレーニングに加えて、スタントのトレーニングを続けました。

 今までもトレーニングはしてきたけれど、僕は(シュワルツェネッガーさんのような)ボディービルの世界チャンピオンではありません。でも、子供のころから大好きだったターミネーターシリーズに出演し、レジェンドと共演できたことに興奮しました。ロケ地のブダペストでシュワルツェネッガーさんと一緒にトレーニングさせてもらい、指導を受けたことは夢のようです。何度も殴られ、銃撃されても、表情を変えずにいたけれど、内心はうれしくてたまらなかったんです。

ルナさん

撮影中は「私死んじゃうかも」と思ったことも

――世界的に注目されている大作に出演して学んだことは?

ルナさん:がんばれば、最後までやり抜くことができるんだ、ということを学びました(デイヴィスさんとレイエスさんもうなずく)。今回の撮影で学んだことは、今後のキャリアにも生かしていきたい。100%努力することはもちろんですが、撮影中のペース配分や肉体のケアも重要ですね。

デイヴィスさん:他の2人もそうだと思いますが、今回の撮影は私にとってサバイバルで、今まで一番ハードな仕事でした。撮影では、いろいろな信じられない出来事がありましたが、映画のプロモーションでインタビューを受けるうちに、「これは現実だったんだ」と振り返ることができました。これまで、私にとってフィットネスジムは居心地が悪い場所でしたが、今では効率よく体を動かす方法がわかり、トレーニングするととても開放的な気分になれることも学びました。

ハミルトンさんのアクションを絶賛するレイエスさん=右

レイエスさん:長く続く人気シリーズへの出演、「ターミネーター」の世界観、レジェンドと呼ばれるシュワルツェネッガーさん、ハミルトンさんとの共演、初の英語作品への出演、トレーニングなど、すべてが学びでした。デイヴィスさんが言ったように、サバイバルの中で自分はやり抜くことができた。その方法を見つけられたことが大きな収穫です。映画を大きなスクリーンで見た時に、「私たち、やったわよね!?」と大きな達成感を味わいましたが、撮影中は「私、死ぬんじゃないか」と思った瞬間が何度もありました(笑)。周りの人々のサポートもあって、やり抜くことができ、今はとても誇らしい気持ちです。

――ダニーは、自動車の運転もできない普通の女性でしたが、サラ・コナー、グレースと共に行動するうちに、途中から戦士の顔つきに変わっていきました。

レイエスさん

レイエスさん:おっしゃる通り、ダニーがたどった人生とともに力強く変身し、徐々に戦士の顔になっていったと思います。ダニーは、働いていた自動車工場の中ではリーダー的存在だったので、そういう素質があったのかもしれません。ダニーは人類の未来を守るために重要な人物になっていかなければなりませんでした。武器を手に取り、興奮状態にあったので、そこには感情移入しやすかったと思います。初めてハリウッド映画の人気シリーズの大作に出演することになり、自分自身のチャレンジもあり、ダニーに共感できる部分がありました。その中で、ダニーも私も成長し、強さや自信を身につけることができました。

――女性兵士グレースは、人間と機械のハイブリッド型ということですが、どうやって人間味を残そうとしましたか?

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

デイヴィスさん:グレースは、子供のころから想像を絶する恐ろしい経験をしてきました。その中で傷ついたり愛情を受けたりと、人間らしい人生を送ってきたので、人間らしい部分を残すところは自由に演じてよかった。だから、それほど難しくはありませんでした。そこから機械の要素が強化されたという設定です。軍人だったグレースが、肉体も頭脳も強化され、レベルアップしていきました。

デイヴィスさん

――撮影中、印象に残ったことは?

デイヴィスさん:現場でミラー監督がはだしだったこと(笑)。あとは、いっさいヒエラルキーがなく、役者もスタッフも平等だったことです。

ルナさん:1000%同感です。ミラー監督はリーダーではあったけど、将軍ではない。ユーモアがあって、兄弟のように接してくれ、すてきな監督でした。

レイエスさん:謙虚で人間味があって、懐が深い監督でした。

「子連れ狼」を見て演技参考に

――ルナさんは、日本の文化を役に取り入れたと、記者会見でおっしゃっていました。

ルナさん:はい。今回、来日できてワクワクしました。演出家の鈴木忠志さんが提唱する演劇メソッドを学んだことがあって、REV-9のモーションキャプチャーの演技に取り入れることができました。「感情は脳で考えるものではなく、肉体的なものである」ということです。REV-9にはそんなにセリフがあるわけではありませんでしたが、目の動きで感情を表現したり、静の状態からエネルギーを発したりと、まるで弓矢を放つときのような緊張感があります。それから、小池一夫さん原作の映画「子連れ狼」にインスピレーションを感じ、サムライが戦うときの立ち方、無駄のない足の運び方を学びました。

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

――ルナさんは、ターミネーターシリーズの大ファンだとお聞きしましたが、演じる上で参考にしたキャラクターはいますか?

役とは違い笑顔でリラックスした表情のルナさん

ルナさん:もちろんです。何度も何度も映画を見ていたので、アーノルドと実際に会う前から、僕は彼のことをよく知っていました。「T2」でT-1000役を演じたロバート・パトリックさんも参考にしました。彼は、アーノルドのように大きな体格ではありませんし、ボディビルのチャンピオンでもないのに、あれだけの恐怖感を表現し、容赦なく追ってくるキャラクターを演じました。僕も自分のパフォーマンスを最大限に生かせるよう表現しました。REV-9は、T-800とT-1000両方のいいところを併せ持ったキャラクターだと思います。

(取材、撮影/メディア局編集部・遠山留美)

公開情報

(C)2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

映画「ターミネーター:ニュー・フェイト」
11月8日(金)全国ロードショー

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:ティム・ミラー
製作:ジェームズ・キャメロン、デイヴィッド・エリソン
キャスト:アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、マッケンジー・デイヴィス、ナタリア・レイエス、ガブリエル・ルナ、ディエゴ・ボネータ
C2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

【予告編(Youtube)】