「よしお兄さん」小林よしひさが愛娘にしてあげたいこと

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写真提供・読売テレビ

今年3月まで14年間にわたり、NHK Eテレの幼児向け番組「おかあさんといっしょ」で「体操のお兄さん」を務めた“よしお兄さん”こと小林よしひささん。軽快なリズムとともに子どももまねできる楽しい踊りを披露するとあって、番組を卒業した後も、民放のバラエティー番組などに引っ張りだこです。ゲスト出演した「ダウンタウンDX」(日本テレビ系、1日午後10時から放送予定)の収録後、体操にかける思いなどを聞きました。

ドラマにも「体操のお兄さん」役で出演

――今日の収録は、いかがでしたか。

「おかあさんといっしょ」では、番組内で自分の思ったことを言ったり、質問されて答えを返したり、というのはほぼなかったから、やはり緊張しました。でも、(ダウンタウンDXは)昔から見ている番組だったし、いざ本番となると、特等席で見ているような気分になって、すごく楽しめました。

――最近は、「題名のない音楽会」(テレビ朝日系)にもゲスト出演されるなど、活動の幅が広がっていますね。

僕も、出演が決まったと聞いた時は、「本当にいいんですか」って4回か5回、聞き直しちゃったくらいで(笑)。

――小池栄子さん主演のドラマ「わたし旦那をシェアしてた」(日本テレビ系)にも出演していますね。

最初、ドラマが決まったと聞き、うれしさと緊張がありましたが、挑戦したかった事なので、二つ返事でお受けしました。「体操のおにいさん」役と聞き、なるほどと思いました。

――ドラマの中に登場する「マンゴー体操」は、ご自身で振り付けされたそうですね。

もともと体操を作りたいと思っていましたが、楽曲から準備するとなると大変でしょう。ドラマのために用意された楽曲を聴いてみたら、とても楽しくて。その時の印象をもとに、ほぼ半日で体操の中身が出来上がりました。もちろん、そのあとブラッシュアップしましたけど。

――子どもたちが踊る動画もアップされていますね。

ええ、出演者の方々も踊ってくれているので、これから盛り上がるといいですね。

大学時代は地方公務員志望

――体操を本格的に始めたのは、大学になってからと聞きましたが。

高校時代までは剣道をやっていて、体操は日本体育大学に入ってからですね。日体大には、体操競技部と体操部の二つの部活があるんです。僕がいたのは体操部で、主将を務めていました。「組立体操」などの演技を披露するんです。難易度がより高い技をシンクロさせたり、多いときは、男女7、80人で技を合わせたりしますから、すごく迫力のある演技になります。

――初めから「体操のお兄さん」を目指していたわけではなかったと聞きました。

大学時代に目指していたのは、地方公務員でした。小学生のころに通っていた運動クラブでは、地域の体育館で、仕事帰りにでんぐり返しやマット運動を楽しく教えてくれる大人がいました。そういう人になれたらいいなあ、と思っていました。でも、体操部の主将を務めていたことで、「助手として大学に残らないか」と声をかけられたので、「遠回りしてもいいか」と思って大学に残りました。そうしたら、ちょうど「おかあさんといっしょ」のオーディションがあって応募したんです。

――「おかあさんといっしょ」は、幼い子どもを持つ母親にとってはありがたい番組です。子どもはテレビに夢中になってくれるし、母親自身の気分も上がります。収録では苦労はありましたか。

3、4歳の子どもが集中できるのは、1時間弱がぎりぎり。撮り直しなんてできないから、毎回、真剣勝負です。僕自身は、年間で220本の収録に参加しましたが、一人として同じ子はいないし、子ども同士もその日に初めて会います。親から離れて不安な子もいる。どんな状態であれ、「スタジオに来た子どもたちをどれだけ楽しませるか」ということに集中して、「体を動かすことが楽しいなあ」と子どもたちに思ってもらえればいいなと考えていました。

愛娘の離乳食作りも

写真提供・読売テレビ

――ご結婚されて、お子さんもいらっしゃるんですね。生後8か月になるお嬢さんのために積極的に離乳食も作るそうですが。

子どもって、わずかな時間で成長していっちゃうなあと思って。僕が仕事に出かけるときや家に帰ったときには、娘は眠っていることも多いし、なかなか一緒にいることができない分、何か自分でできることはないかなと思って始めたのが、離乳食づくりだったんです。まとめて作って冷凍することもできますから。

――幼児食インストラクターや、食育アドバイザーの資格も持っているんですね。

僕の母は料理好きで、子どものころからお手伝いで台所に立つことが多かったんですね。僕には嫌いな食べ物がありません。食事は健康の基本。自己管理ができることですから、興味を持っていろいろと勉強しました。

――バラエティー番組「その他の人に会ってみた」(TBS系)では、料理中に「Y字バランス」のポーズを取りながらフライパンを振る「Y字いため」も披露されていますが、あれはネタですよね。

あはは。そう思ってもらっていいですよ。

体操の楽しさ伝えたい

――今日の収録でも、前宙(前方宙返り)を披露されましたが、ふだんどんなトレーニングをしているのですか。

大技の練習は、スペースがないと難しいのですが、いつでもお見せできるように、ジムに通って、筋トレは続けていますね。NHK時代は仕事の時間が決まっていたので、1回2時間半のメニューをこなしていましたが、今はあちこち仕事に行くので、その隙間を狙って最寄りのジムに行き、30分から1時間のメニューをこなしています。

――前宙は、誰でもできるものなのでしょうか。

もちろん、誰もができなきゃならない、というものではありません。でも、やりたいと思った人がいたら、教えることはできます。学生時代、体操部では、前宙のやり方について先輩から後輩へと指導法を伝えてきました。「体操」は、技の評価の前に「楽しさ」「美しさ」があります。楽しくて、美しくて、好きだから、続けられる。体を動かすことが好きで続けられるというのは、もしかしたら、心の健康にもつながるのではないかと思います。

――なるほど。技の難度を落として、まず体を動かすことを好きになってもらいたいということなんですね。番組で、小林さんが踊りを教えていて、最初は嫌々だった出演者が思わずニコニコ始めた場面を何度も拝見しました。呼びかけ方もいいのでしょうね。

ありがとうございます。体操の楽しさをみなさんに伝えることができたら、こんな光栄なことはありません。

(聞き手/メディア局編集部 永原香代子 撮影/田中昌義)

 

小林 よしひさ(こばやし・よしひさ)

1981年生まれ、埼玉県出身。日本体育大学卒。2005年から19年までNHK Eテレ「おかあさんといっしょ」体操のお兄さんを歴代最長の14年間務める。ワールドジムナストラーダ(世界体操祭)日本代表。

小林よしひささんが出演した「NHK『おかあさんといっしょ』ブンバ・ボーン! パント!スペシャル ~あそびとうたがいっぱい~」のDVDが発売されました。子どもたちが大好きな、体操や、遊びうた、うたクリップなどでまとめてあります。