細田佳央太さん、関水渚さん 映画「町田くんの世界」で初主演

インタビュー

 第20回手塚治虫文化賞・新生賞受賞作家の漫画が原作の映画「町田くんの世界」(石井裕也監督)が、6月7日に公開されます。ダサくて、運動も勉強も苦手だけれど、人が大好きで優しすぎる高校生・町田くんの心温まるストーリー。町田一役の細田佳央太かなたさん(17)と、ヒロイン・猪原奈々役の関水渚さん(21)はともに、1000人以上が参加したオーディションで抜擢ばってきされ、ダブル主演を務めます。演技経験はほぼゼロというフレッシュな二人に話を聞きました。

豪華すぎる共演者にびっくり

――1000人を超えるオーディションの中、ヒロインに選ばれました。

関水さん 以前から石井監督の作品のファンで、特に前作の映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(2017年)が好きなんです。ですのでオーディション会場に入るときには、頭の中が真っ白になってしまいました。その上、監督が目の前にいらっしゃったので緊張しすぎて、自己紹介のときに、言葉を発すると同時に涙があふれてしまいました。

関水渚さん

――ほぼ芝居経験ゼロと思えない、すばらしい演技でした。猪原奈々は複雑な家庭環境に育ち、不登校という難しい役柄でしたが、監督からどのような演技指導を受けたのですか?

関水さん ありがとうございます。お芝居の経験がなく、間の取り方もわからない私に、監督はあきらめずに丁寧に指導してくださったので、すごくありがたかったです。監督から「芝居をするには、恥じらいを捨てて、思いっきりやることが大事だ」と言われました。撮影前に、何度も何度もリハーサルを重ね、「腹がよじれるほど笑ってみて」「喜んでみて」「舞ってみて」など、全ての感情を爆発させるよう、リクエストされました。その経験が、本番のお芝居にも生きたんじゃないかなと思います。

――役者としては“先輩”の細田さんから見て、関水さんの演技はいかがでしたか?

細田佳央太さん

細田さん ええっ!? 先輩じゃないですよ~! 映画を見た母から「関水さんの演技のほうがうまかった」って言われました(笑)。

――安藤ゆきさん原作の漫画を読んだ感想は?

関水さん オーディションがあると聞く前から読んでいて、大好きな作品でした。猪原さんをはじめ、登場する人がみんな健気けなげだなという印象です。とても共感できる部分が多く、楽しみながら読みました。「実際には、町田くんみたいな人っていないだろうなぁ……」と思いながら読んでいましたが、細田くんのお芝居を見て、漫画の町田くんが実在しているような感覚になりました。

細田さん 僕は少女コミックを読んだのは初めてでした。「町田くんのように、こんなに誰にでも優しい少年っているのかな?」って。読むとおもしろくて、作品の世界に引き込まれました。

――岩田剛典さん、高畑充希さん、前田敦子さん、戸田恵梨香さん、松嶋菜々子さんら、豪華な共演者の名前を聞いたときの感想は?

細田さん すごくびっくりしました。でも、そんなプレッシャーに負けている場合じゃない。すぐに自分から積極的に先輩たちに食らいついていこうと思いました。

関水さん 私も、聞いたときはびっくりしたと同時に自分でいいのか、とすごく不安になりました。今まで、お仕事で芸能人の方々とお会いする機会があまりなかったので、スーパースターの皆さんとの共演が決まったときは、恐縮しました。

――細田さんは現役高校生ですが、同じ高校に通う生徒の役は、岩田さん、前田さん、太賀たいがさん、高畑さんと、先輩ばかりでした。違和感はありませんでしたか?

細田さん 全くなかったです。みなさん、演技中は高校生そのものでした。学校のシーンは、栃木で撮影したのですが、共演シーンが多かった同級生の西野亮太役の太賀さんが、撮影の合間においしいラーメン屋さん情報を教えてくださって、本当の同級生のように、ごく普通に接してくださいました。岩田さんは、僕とぶつかることが多い、学校一の人気者・氷室雄役でしたが、「(実際に)学校は楽しい?」とか、プライベートなことも聞いてくださったり、緊張する僕を優しく励ましてくださったりしました。学校生活はむちゃくちゃ楽しいですよ。今は部活はやっていませんが、中学の3年間はバスケットをやっていました。

関水さん 私は、同級生の栄りら役の前田さんとのシーンが多かったのですが、前田さんは気さくで、いろいろ話をしてくださいました。ある日、「私、日に焼けやすいんです」と話したら、「いい日焼け止め、持っているよ」と翌日、愛用の日焼け止めを持ってきてくださったんです。その優しさに感動しました。今でも日焼け止めが入っていた袋を大事に保存しています。まるで本当の友人のように親しく接してくださったのがうれしかったです。

――りらは、ぶっきらぼうなキャラクターですが、前田さんがとてもいい味を出していましたね。目標にしている女優さんはいますか?

(左から、高畑充希さん、前田敦子さん、関水渚さん)©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

関水さん 今回共演させていただいた皆さんはもちろんですが、同じ事務所の先輩の綾瀬はるかさんや、石原さとみさんにあこがれています。お二人は、お芝居もかっこいいですし、バラエティー番組でもかっこよくて。お会いしたときにもとても優しく接してくださって、人としても尊敬できる女性です。

全力で“町田くん走り”

――撮影で苦労したシーンは?

細田さん 全部です。でも、一番大変だったのは、猪原さんと追いかけっこをするシーンです。一番好きなシーンでもありますが、暑い中、セリフを叫びながら、全力で走るシーンの特訓をしました。なんでも一生懸命な町田くんですが、50メール走は12.4秒というタイムです。「原作の町田くんらしく見える走り方はどうだろう」と考えた時に、エネルギーを『前』じゃなくて全部『上』に持っていけば、前には進まないけれど、一生懸命に見えるんじゃないかと思ったんです。あんなに必死に走ったのは、生まれて初めてかもしれません。

(写真左・細田佳央太さん、岩田剛典さん)©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

――実際に、町田くんのような人が身近にいたら、どうですか?

関水さん もし、同級生にいたら、好きになってしまうかもしれません。でも、(役柄の)猪原さん目線では、町田くんという人は、かなりもどかしかったので、あまり(町田くんに)のめりこまないようにしようと思います(笑)。

――映画の見どころをお願いします。

関水さん 映画を見終わった後、とにかく心が優しく、温かい気持ちなります。私は、家に帰るまでずっと温かい気持ちになっていました。登場人物がみんな一生懸命でかっこよくて、「やっぱり、一生懸命っていいな」と思わせてくれる様な映画で、疲れた時に見ると、きっと心が癒やされて、「がんばろう!」という気持ちになれると思います。私にとっても、皆さんにとっても“宝物”になる映画と思って頂けるとうれしいです。

細田さん 町田くんの一生懸命さに、周りの人も影響されていきます。映画をご覧になる方に、一生懸命の大事さを感じ取っていただければと思います。

(取材/撮影 メディア局編集部・遠山留美)

細田 佳央太(ほそだ・かなた)
俳優

 2001年12月12日生まれ。東京都出身。小学2年生の時に、芸能界デビュー。特技はバスケットボール。

関水 渚(せきみず・なぎさ)
俳優

 1998年6月5日生まれ。神奈川県出身。2017年に「アクエリアス」のCMでデビュー。2020年に映画「カイジ ファイナルゲーム」が公開予定。

【ストーリー】 運動も勉強も苦手で、見た目も地味な町田くん。でも人を愛する才能がズバ抜けていた!そんな彼が初めて“わからない感情”を知った時、周りのすべての人を巻き込んで、驚天動地のドラマが動き出す! みんなどうする? どうなる?

【公開情報】

映画のワンシーン ©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

映画「町田くんの世界」6月7日(金)公開
監督:石井裕也/脚本:片岡翔、石井裕也
原作:安藤ゆき「町田くんの世界」(集英社マーガレットコミックス刊)
キャスト:細田佳央太、関水渚、
岩田剛典、高畑充希/前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子
配給:ワーナー・ブラザース

【オーディション映像】