結成20周年・Do As Infinity「これからも変わらない2人で」

インタビュー

伴都美子さん(右)と大渡亮さん

 今年、結成20周年を迎えたロックバンド「Do As Infinity」(ドゥ・アズ・インフィニティ)が、これまでのヒット曲、名曲をリアレンジしたアルバム「Lounge(ラウンジ)」(avex trax)をリリースしました。ボーカルの伴都美子さんとギターの大渡亮さんに、今作に込めた思い、そして、20周年の決意を聞きました。

「あの頃」を思い出して

――OTEKOMACHI読者は、30代の働く女性が中心です。青春時代に、Do As Infinityの曲に親しんだ人も多いはず。学生の頃に何げなく聞き流していた歌詞を、大人になった今、「Lounge」で改めて聴いて、「こういう意味にもとれるんだな」と、その意味の深さを感じる人もいるのではないでしょうか。

大渡さん この曲を聴くとあの頃を思い出すとかありますよね。その時に付き合っていた彼氏と聞いたとか、ドライブ中にラジオで聴いたとか。そんな聴き方をしてもらえたら、こういうアルバムを作った意味があるのかな、なんて思います。そして、「あの時はこう感じたけど、今はこう思う」みたいに、違いを感じてもらえたらうれしいですね。

――ボーカルの伴さんの声や歌い方も、オリジナルとは違って大人っぽさが増している感じがします。自身も変化を感じますか。

伴さん そうですね。当時は私も若かったですし、音に負けないように頑張って歌っていたように思います。今はリラックスして歌っていますね。このアルバムでは、ピアノサウンドに沿うように歌いました。リラックスして聴いてもらえたらうれしいです。

――収録されている楽曲を見ると、「深い森」(2001年)、「Desire」(同)、「陽のあたる坂道」(02年)、「柊」(03年)など、よりすぐりのヒット作が収められています。

伴さん 200近くある曲の中から、前期、中期、後期とバランスを考えながら選びました。代表曲はもちろん、チャレンジしたい曲も入れました。

――中でも思い入れのある曲はありますか?

伴さん 「科学の夜」(03年)という曲は、個人的にリアレンジしてみたかった曲ですね。すごくエモーショナルな曲で、ライブでやると濃厚な感じになるんです。今回、アレンジした時には、リラックスして聴いてもらえる曲になったらいいなと思いました。

大渡さん 特にはなくて、全体の雰囲気を楽しんでもらえたら。

ピアノの音色を楽しんで

――オリジナル楽曲に比べると、とてもしっとりした雰囲気に仕上がっています。

伴さん せっかくリアレンジの曲を作るなら、今までにないチャレンジをしてみたかったんです。個人的にピアノの音色が心地良くて、ずっと聴いていたいくらい好きなんです。今回は、ピアニストのSinさんにアレンジを依頼して、届いた音源を聴いて、自分でもイメージを膨らませながら歌いました。

大渡さん よくライブで、伴さんとピアノだけというアレンジをすることがありました。あの感じをレコードにできたらと思っていたんです。伴さんと僕、スタッフも含めて話し合って、ジャジーなアプローチをするといいのかなと。僕はギターを弾いているので、仕事がなくなっちゃうんですけどね(笑)。ギターがなくてもいいだろうと思った曲は、Sinさんにピアノだけで成立するようにお願いしました。ジャズというよりも、ピアノアレンジというのが正しいですね。

アニメがきっかけで海外でも大人気に

――Do As Infinityは1999年にシングル「Tangerine Dream」でデビューし、これまで数々のヒット曲を生み出してきました。国内でライブ活動を続ける一方で、「深い森」がエンディング曲に起用されたアニメ「犬夜叉」が海外で放送されて爆発的な人気になり、2017年には、南米4か国ツアーや、台湾、シンガポールでライブを行うなど、活躍の幅を広げています。

伴さん 海外のライブでは、言葉にできないくらいの感動がありました。こんな遠くに、待っていてくれる人がいるんだという現実を全身で感じた時の気持ちは、一言では言い表せないものでしたね。

大渡さん ちょうど海外で「犬夜叉」が放送されたのが、日本より3、4年遅かったんです。海外で人気が出たときに僕たちを呼ぼうという話はあったそうですが、僕たちが解散していた時期でした。再結成した後は、伴さんの出産などが重なってなかなか行けなくて。行ってみたら感動的でしたね。みんな日本語で歌ってくれるんです。

伴さん バラード曲の「深い森」を日本で歌うと、観客はみんなしんみり聞き入ってくれる。向こうでは、みんなが大合唱してくれるんです。すごかったです。また機会があれば行きたいですね。

子供を見守るって難しい

――伴さんは、5歳と3歳の男の子のお母さんでもあります。「Lounge」収録曲の「小さなヒーロー」には、「水たまりだって横断歩道だって怖くないよ ぼくらはできるさ」といった歌詞があって、子供目線なのが印象的です。

伴さん 熊本朝日放送の情報番組「くまパワJ」に、子供たちがお使いやお手伝いなど様々なことにチャレンジする「がんばれ! 小さなヒーロー」というコーナーがあって、この曲はそのコーナーのテーマ曲です。子供たちに向けた応援ソングで、自分の子供の普段の様子や、番組で見た子供たちの姿を見て言葉をつづりました。

――母親になって、伴さん自身にも変化はありましたか。

伴さん 子供が何かやっていると、つい先回りしてしまう。見守るって難しい。彼らは彼らなりの、大きなチャレンジに取り組んでいて、一個一個、覚えていく。出したい手を引っ込めて、見守っています。子育てを通して、わたしもいろいろ勉強させてもらっていますね。

生活拠点を熊本に

――伴さんは、2017年11月に生活拠点を熊本に移しました。

伴さん 東京で子供を産み、子育てをしていましたが、「芝生がある公園はどこだろう」「新鮮な野菜はどこに売っているんだろう」って、子供のことで頭でっかちになっていたんです。もっとのびのび子育てをしたいと思い、自分自身が熊本の大自然の中で育ったので、熊本を子供たちの地元にしようと思い至りました。親もいるのでサポートも受けられるし、知らない人でもすれ違うとほほ笑みかけてくれます。何より一番変わったのは、自分。よく笑うことが増えました。子供たちもたくましく、のびのびと育っています。

地に足を着けて活動していきたい

――改めてバンド結成からの20年を振り返ってみていかがでしょうか。

伴さん この20年で、音楽業界は様変わりしてしまいました。この先、どういうふうに変わっていくのかという気持ちですが、私たちは変わらんよねえ(笑)。

大渡さん そうだよね。

伴さん 私たち自体は変わらないけれど、20年という重みはあるなと感じます。いろいろ経験させていただきました。

大渡さん デビュー当時から、「こういうのが主流だから」とか、流行ものとして活動してこなかった。これからもそういうふうにやっていけたらと思います。自分たちは自分たちらしく、サウンドを作っていきたいという気持ちは、ファーストアルバムから変わっていない。かっこよくいえば「ぶれていない」。自分たちは変わらずそこにいて、周りは変わっていく。僕たちは、地に足をつけて活動をしていきたいですね。

――これから挑戦したいことはありますか?

大渡さん 20年やっていると音楽シーンだけでなく、それぞれのプライベートも変わっていきます。お互い独身で、自由に音楽をやっていた時と状況は違って、常に同じことをキープするのって難しい。そんな中で、自分たちを維持するっていうのも一つの挑戦だと思います。これまでの活動に普遍的なものを感じているので、それを絶やさずに続けていきたいですね。

伴さん 帰ってくる場所がDo As Infinityだったら、大きなチャレンジをしてもいいかなと。熊本では、地元のラジオやテレビの仕事をしていて、料理番組などにも挑戦しています。固定観念に縛られずにいろいろチャレンジして、新たな地図を作っていけたらいいなあと思っています。

(取材・メディア局編集部 山口千尋/写真・米田育広

Do As Infinity(ドゥ・アズ・インフィニティ)

伴都美子、大渡亮からなるロックバンド。1999年結成。デビュー前から渋谷ハチ公前を中心に100回以上路上ライブを行い、同年9月29日、シングル「Tangerine Dream」でavex traxよりデビュー。数々のヒット曲と、ミリオンを記録するアルバムをリリース。2017年7月から初の南米4か国ツアー、台湾、シンガポールなどでのワンマンライブなど、世界で活動している。